さるみみ屋

夫サボさん、私さるみみと2000年生まれ長男コナンくん
2004年産次男エナリくんとの「人生楽ありゃ苦もあるさ」日記。

今年の読み納め?「ゴールデンスランバー」

2010-12-21 23:58:47 | さるみみ文庫
私が吉祥寺のバンドにいたときのテナーサックスの大先輩の女性が
かなりのヘビー活字中毒で、その彼女がこの作品のことを
「伊坂作品の中で一番すばらしい」と大絶賛していた。

ただね、私、伊坂幸太郎あんまり好きじゃない。
彼の作品にはうちのサボさんの同期に似てるイケスカナイうんちく屋キャラが
必ずと言っていいほど登場してしまうし、ものすごく非現実的でものすごく都合よすぎ。
サボさんは「それが伊坂ワールドだ」というけど、
私はその「伊坂ワールド」がダメなのさ。
でもテナーの先輩はいいって言うし、サボさんは目をキラキラさせて
「読みたいな」オーラ出してるし…ってことで文庫買った。
(今さらしかも文庫なんだけどね)

で、読んでみて実際面白かった。
サボさんの同期の●●くんみたいなうんちく屋キャラは確かに出てきた。
今回は森田というのがそれに当たる。
で、非現実的なのもその通り。でも逃走ものとして読むとなるほど面白い。
これからどうなるんだろう…とか思ってね。
結構食い入るように読んでたかも。
ラストもちょっと微妙ではあったけど、あれでよかったのかなと思う。
正直もっと「ゴールデンスランバー」が話のカギになるのかとか思ったけど
実際はそんなに関係なかった。
面白かったんだけど、次これを機にまた伊坂作品を読むか?と問われたら
答えはNOかな。やっぱりいいんだけど、キャラが苦手。非現実的なのも苦手。

あとはサボさんがこれ読んでまた感想を述べ合うのが楽しみかな。
クリスマス前に読み終わってよかったよかった。
ごちそうさまでした。


やっぱりアスペルガーなのかそうでないのか?

2010-12-07 13:00:09 | さるみみ文庫
実は私、コナンが自閉症とかそういう傾向があるのでは?
とずっと小さい頃から思っていて、3歳前に一度専門の先生に
診てもらったことがあったのね。
やっぱり何か狭く深くに集中してしまう傾向は言葉を話す頃からあったし、
あとそういうところにはまるとコミュニケーションがぷつっ、って切れたり
することも珍しくなかったし、ほかの人とか新しい場所への順応が遅かったり
いろいろ気になる要素があってね。

でも、そこでは普段のコミュニケーションに問題もないから
大丈夫ですよ、って言われて帰ってきてる。
その後も幼稚園、学校と周りとのコミュニケーションや社会生活に
支障をきたしてないから、本当に自閉症とか今話題のアスペルガー症候群では
ないのだと思うけど、やっぱりそういう面があるんじゃないか?
だとするとそういう障がいとコナンを分ける部分って何なのか?ってことが
すごく知りたくてこの本を買ってしまったわけ。

この本では具体例が多かったので非常にわかりやすかった。
そこではっきりコナンはアスペルガー症候群ではないこともわかった。
でも、同時にその要素をかなり持っていることもわかった。
アスペルガーではないって言える差は、やっぱり社会生活に支障をきたしてない
(もしかするとこの先出てくるのかもしれないけど)ってことと
連続性がないってこと。これだけだった。

周囲がどういう事に気をつけて接していけばいいのかとか
どういう対応がまずいのかとか「なるほど」と思えることも多く、
本当にアスペルガーではないけど、生活の中に生かせる部分がありそうだった。

スクールカウンセラーの先生が前に、人は誰でも自閉の部分を必ず持ってる、
ただその割合が多いか少ないかの差はあるけど、コナンくんは
それが他の子よりも多いのかもしれないですね、と言っていたのを思い出す。
多いってだけで病気ってことではないから、つきあいにくさも含めて
受け止めてあげることで、よい方向に働きますよ、と言われたんだった。
全然うまくいってない気がするけど…


この本の中でちょっと気になった部分が一つ。
エジソンとかアインシュタインとか、最近ならビル・ゲイツとか
社会ですごく成功した人たちもみんなアスペルガーだった!みたいに
彼らのいろんな例を挙げてたけど、すごい人はみんなアスペルガーってことは
ないわけだし、実際のアスペルガーの人はもっと苦しんでいて
華やかな成功とは遠い場所にいることの方が多い。
それに「ちょっと変わった人」=アスペルガーなのか?みたいな先入観を
植えつけそうでそういう部分に関してはあんまりいい気がしない。

いずれにせよ、重たかったけど概ね良書だったかな。


誰が「悪人」だったのか。

2010-11-15 12:29:53 | さるみみ文庫
映画化されてからこの作品を知った私。
どうしてもこの表紙が買うのをためらわせていたんだけど、
実はこの妻夫木の表紙の下には映画化前に売り出されていた頃の
表紙がついてたのを見たら…地味すぎる…
この装丁じゃ、どんなに面白い作品でも手に取らないだろうな、って
かんじだったので、まあインパクト重視で替えたのだろうから
その辺は大目に見ようと思って上下巻購入。
しかしさ、下巻は深津絵里だったんだけど

この表紙もちょっと怖い…
読んでる間はカバー完全はずしてるから関係ないとは言え、
古本屋に早く売りたい、とか思っちゃうよな…
深津絵里が嫌いなわけじゃないんだけど、
なんかこの写真は怖い。

ま、それはいいとして。
やっぱり映画化が決まったものを読むと、配役がわかってるから
それが想像の邪魔をするのよね。
犯人役が妻夫木なのはいいとしても光代役が深津絵里…年が違いすぎ?とか
いろいろ雑念もありつつ読書。

ここ何冊かはトリッキーな本ばかりだったので、
純粋に「普通」の作品だったと思う。
罪を犯した主人公は「悪人」なのだけど、彼は本当に悪人なのか、
他に罪を犯していないけど悪人なやつは何人も出てくるわけで
そういうことをテーマにしてるのか?ちょっと安直だけど、とか思いつつも
さびれた街の様子や人々の生活の描写をきっかけに
作品全体に妙に親近感を覚えたりして。

逮捕されるまでのところは特に何かハラハラドキドキって感じも
トリックもなくスムースに読み進められて違和感もなかったんだけど
最後がちょっと物足りなかったかな?
あの終わり方でよかったのか?と何度か残りの5ページくらいを
読み直したんだけど、やっぱり弱かったかな~と思う。

でも概ねいい作品だったな~
今サボさんが読み始めてるので、これまた読破後に激論だわさ。

ちなみに今年は年初に30冊読もうと思ってたんだけど、
ついに年間30冊達成!読めるもんだね~。
私は文芸書だけじゃなくていろいろ読みたい人だから忙しい。
まだ積読本が何冊かあるので、ちゃくちゃくと読むぞ~。

これはさっくり読めるし、特に酷く読後感が悪いわけでもないので
引きこもりの季節にお勧めの2冊だわさ。

ドラえもんの秘密道具が実現したら??

2010-11-09 12:19:47 | さるみみ文庫
途中2冊下の記事と同時に読んでいたこの本。
三省堂で立ち読みしたときは「おもしろいかも」と思って
帰宅してすぐに図書館で予約したんだけど、実際手にとってどんどんと
読み進めていっての感想は「うーん、あまり面白くない」


この本の著者って「スリッパの法則」書いた人で
夫はその本を読んだときに「なんかこじつけ」とか思ったらしいんだけど
やっぱり私もこの本を読み終わって似たような感じが。

タケコプターが実現したら…ってのは非常によかったと思うんだよね。
まず道具が実現したら世の中はどうなるか、って「道具が先」だからね。
でも途中で「別にこんな道具実現しなくてもいいんじゃ?」というものがあり
読んでいくとなんか、社会のいろんな仕組みなどを説明するために
適当な道具を持ってきた、って感じのするものもあったり
ただの空想で、経済の視点がちょっと弱いものもあって、
正直ぶれてるか?とか思う。

これがただ私やサボさんが「こういうのあったらどうなるだろうねえ」って
よくくだらない話して笑ってるってのだったらいいんだけど、
これを本にして人からお金もらってっていうんだったら
「何の本なのか」がはっきりしなくちゃダメなんじゃないのかと思う。

だってさ、サブタイが「タケコプターで読み解く経済入門」だよ~
経済入門なんでしょ。だったらもうちょっと「空想科学読本」みたいな
アプローチじゃなくてしっかり「経済」しなくちゃ、とか思う。

ちょっと前に「教育を経済学で考える」読んでるせいか
こっちの方は物足りなさがあったかも。

図書館で借りられてよかった。買わずに読めたからね~(辛口)
次は小説に入ろう。

40歳じゃないけど「40歳の教科書」

2010-11-06 00:01:06 | さるみみ文庫
仕事もあるし、寒いしで家に引きこもる生活が定着してる中、
やっぱり読書だよね~。
本屋で平積みされてるのを見て、つい買ったのがこれ。
40歳の教科書っていうネーミングもよくてね。

英語はいつから学ぶのがよいか、中高一貫はホントにいいのか、
失敗や挫折をどう伝えるのかなど、なかなか気になる内容だったわさ。
それぞれのテーマについて堅い人、極端な意見の人など様々だったけど
自分自身がそれぞれのテーマについて考えてることを、
他の人がどう考えるのか意見を聞いてみる、ってスタンスで読むには
すごく勉強になった。
特に英語については意見が大きく分かれてたわ。

これを読んでやっぱり自分の考えは「こうだ」と変わらなかった部分
「なるほどそういうこともあるんだ」と反省した部分もあったし
いろんな人の話を読むのは面白いよね。
教育を経済学で考えるってあれも、かなり目からうろこだったけどさ。
さっくり読める分量だったので結局2日で読み終わった。
集中すればたぶん1日で十分だな。

さて来週は何を読もうかな~
雪もまた降るみたいだし、縫物も編み物も読書も、おやつづくりも…
やりたいこと満載だなあ…時間のやりくりしなくちゃね。

教育を経済学で考えると…

2010-10-27 13:00:44 | さるみみ文庫
親になってみて、子どもの教育ってのを見たときに、
いつも「○○式」とか「○○が能力向上にいい」らしいとか
何が学力の向上、あるいは素晴らしい人格形成に必要なのか、ってことに
注目しがちで、理想とか夢とか精神論とかそういう方に偏ってるような気が。
それは私ばかりではなく、やっぱりeduなんかの教育系雑誌を見ても
そういう感じなんじゃないかと思う。

実はこの本、その一部は私の予備校仕事で資料として扱ったもので
その着眼点がちょっとおもしろかったので本体を読みたい!と思って
早速図書館で借りたものだったのよね。

タイトルからしてちょっと「何?」って思うんだけど
読んでみて結構面白かった。途中で経済学を学んだ人なら普通なものかも
しれないんだけど、数式とかグラフとか出てきたりして???ってところも
あったにはあったんだけど、それを除いても
「教育は投資か消費か」
「教育の成果は何で測るのか」
「教育を受ける意義というものはあるけど、反面個々人の能力差を明らかに
してしまうという面も持つ」など、今まで自分でじっくり考えていそうで
あまり考えることがなかった視点でものが書かれていて
なんていうんだろう、教育ってものを考えるときは、情緒的な視点とともに
こういうちょっと無機質っぽくて現実的な視点も持ち合わせていないと
いけないのかな~とか思ったりした。
「勘違い・思い込みが教育の重要を生み出す」ってところなんかは
特に戒め的に読んでみたりして。
ちょうど今、通塾についてコナンとの間で揉めてるところなので
いろいろなことを考えるのにちょうどよかった。

経済学ってのも面白いものだよね。でもやっぱ教育学部に進むべきだったなあ…と
もう人生何度目かの後悔先に立たず~だったりして。
また続けて読書中。
今年中にあとどのくらい読めるのだろうか…





葉桜の季節に君を想うということ

2010-10-21 10:12:19 | さるみみ文庫
読んだ。展開も早くて途中まで良かった。
でも、やっぱり前に読んだ「向日葵~」と同様に最後にどんでん返し、
というかトリックの全てがあきらかになって、ちょっと白けた。

向日葵ほどのがっかり感はなかったけど「またこういうのか~」って
感じでちょっとぐったり感が。
文字として印刷されている内容に間違いはなくて
読者側がそれらの情報をたよりに勝手に「先入観」を持って人物像を
作り上げたがために、最後でびっくり、って感じなのだけど
やっぱりそのトリックで全部を通そうと思うと無理のある個所がいくつもあって
そこまでしても最後に何も解決しないというか、全然すっきりしないし…

読んでない人には悪いんだけど、
結局最初から登場人物は若者、というかメインは20代~30代くらいの人ばかりだと
思ってたんだけど、最終的に登場人物は全員60すぎの老人たちばかりだったと判明。
でも途中のいくつかの出来事がどうしても「これ老人で設定するには無理があるな」
って感じで、そういうことを気にしなければ面白かったと思うけど
私にはちょっと辛かったかな。

しかも「向日葵」のトリックのあと、もっと言えばこの作家の
「世界の終わり、あるいは始まり」もその前にトリッキーな作品だったから
「またかよ」感が漂った。

よくわからないけど、最近の作家ってこうやってトリッキーなの書く人多いのかな?
サボさんは「こんなのはいいから『永遠の0(ゼロ)』読め」とうるさい。

ちょっと小説食傷気味なので、違う本を読むわさ。
歌野晶午作品は、私的にはもうお腹いっぱい。ごちそうさまでした。

向日葵の咲かない夏、ってタイトルの意味は?

2010-10-05 14:53:59 | さるみみ文庫
札幌学を読んでもうぐったりしていたので、さっさと別の本を読まなくては、
と思って手に取ったのがこれ。先にサボさんが読んでいて
「非常に読後感が悪かった」と言ってたからそれも踏まえて読むことに。

「向日葵の咲かない夏」ってタイトルが結構いいな~って
本を読む前に思ってたのよね、私。
いろんな本のタイトルあるけど、印象に残ってるのは藤原伊織の
「テロリストのパラソル」とか「八月のマルクス」
それぞれなんか結びつかないものが一緒になってる感じで
「????」とか思うんだけど、非常に作品の中で「なるほど」と
つながるので、タイトルってやっぱり重要かなと。

その辺この「向日葵」も読む前からあれこれ考えてたのね。
しかも作中の季節は夏だし。最初の方から向日葵出てくるし。

途中までは面白かった。
ミステリーの中にファンタジーが同居してる感じでね。
でも終わりの方になってくると、
「こういうことだったんだ」って思っていたものが一つずつ崩れていって
最後にはこの作品、何がなんだかわからないまま終わってしまった…
私の頭が悪いからなのかなぁ。

どこまでが「人間」でどこからが「生まれ変わり」で
どこまでが「現実」でどこからが「妄想の世界」なのか
全然わかりませんでした。

作品の中で出てくる様々な問題に対してサボさんは嫌悪感を抱いてたけど
それらの問題ってのはもういろんな本の中で取り上げられていて
それがたまたまこの1冊に関しては「全部詰め込んじゃいました!」
みたいな感じだったから嫌悪につながったのかしらね。

私はそういうものよりも、むしろ作家自身が読者に対して
仕掛けたトリックの多さがあまりにしつこいこと、それを読者には
「俺にどこまでついてこれるかな!」みたいな態度で本を出してるっつうことに
著しく嫌悪感。

なんか奇をてらいすぎで疲れた。
「あそこはどういうことだったんだろう」って
前のページを振り返る気力もないくらい全部仕掛けだらけって…

そういう意味で読後感悪かった。
今度は別の読まなくちゃ。

それにしても、読書の秋。雪が降る前にたらふく読まねば。

ようやく読んだ「札幌学」…

2010-09-29 22:30:25 | さるみみ文庫
この本買ったのって春先だったのに、読み終わったのが今さらって…
それだけ面白くなくてどうでもいい本だった。

大体ね、そんなに大げさに「札幌とは…」って分析していかなくても
いいんじゃないかね?と思ったよ。
県民性をあれこれと熱く語られるほどに大雑把な札幌人の私は
「そんなのどうでもいいじゃん」と思う。
やっぱり札幌の人が読んでるからそう思うのかな?

本屋で「話題の本」とかってなってたから読んだんだけど、
どういう意味で「話題」だったのかしらね。
物議を醸していた、という意味でかね?

積読本が一冊減った。とりあえず次は小説行ってみようか。


動機がどうもね…「宇宙主夫日記」

2010-09-15 23:49:16 | さるみみ文庫
宇宙飛行士の山崎直子さんのイケメン夫が書いた本。
ずっと図書館で予約していたんだけど、読めるまでに半年かかった…
「本が入りました」と来たときには既に読みたいモードではない


ま、でも奥さんの夢のために仕事も自分の夢も諦めた夫の恨み節?
ではないだろうが、なんか辛い感じな暴露本って感じだった。
山崎直子さんが「私の夢はママさん宇宙飛行士になること」って。
未婚の母でもいいからママさん宇宙飛行士になりたいっていうのが
どうもひっかかってね…
実際にお子さん産んでから結構旦那さん子育てと仕事、介護で
大変だったことが本からうかがえるし。
それで奥さんのために会社辞めちゃうって…
ええ???それってありなの?

「子ども」って自分のキャリアに花を添えるためのオプションかよ!
とか思ったりして、ちょっとそこがね。

行間あいてるし、文字大きいので一日で読めた。
いろんな夫婦の形があるけど、やっぱり何かを極める人ってのは
その周りの人の大きな犠牲があったりするものなのよね、ってことを
改めて思ったりして。そういうことを思わせるための本じゃないと
思うんだけど、私はそんなことを思ったりしましたとさ。