自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

仙台1

2019年04月21日 | その他 others
4月20日に仙台に行きました。それは私がいた東北大学理学部の同窓会に出席するためです。卒業したのが1973年ですから46年という長い年月が流れました。理学部には数学、物理学、化学、生物学、地理学、地学などの学科がありました。私はもちろん生物学科にいたのですが、今回は物理学の人が中心になって企画をし、準備をしてくれました。
 入学したのは1969年で、この年は日本の大学史において特異な年となりました。大学紛争のピークにあり、東大の安田講堂が学生に占拠され、東大の入試がなくなりました。私は受験生で、東北大学に行くと決めていたので、非常に苦しい状況に置かれたわけです。実際問題、東大を受験する予定だった受験生が大量に東北大学を受験したために、例年多数派であった仙台の高校からの入学者が激減したとのことです。だから私は全力は尽くしたものの、合格できたかどうかわからず、発表までは不安な毎日が続きました。
 幸い合格することができ、その頃はなんと18時間もかけて仙台に行きました。新幹線は東海道しかなかった時代で、米子から山陰本線で京都に出て、そこから東海道新幹線、そこから特急で東北本線を北上したのでした。仙台がどういう街かも知らず、米子の駅には高校時代の友達が見送りに来てくれましたが、今思えば海外旅行にでも行くような気分でした。
 入学した後5月からストライキで授業はありませんでした。学生集会が行われ、参加はしましたが、何か本質とはずれた議論が行われていたので本気にはなれず、私は下宿で自分が読みたい本を読み、野山を歩いて植物の名前を覚えたり、昆虫採集をしたりするようになりました。山陰とは違い、私にとって憧れだったクジャクチョウなどがいくらでもいて感激しました。
 そういう時代を共有した同窓生が集まったというわけです。入学時に十代、卒業時に20代だった若者が、皆お爺さんになっていました。
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