自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

スケッチ 14 アマナ

2017年11月30日 | 植物 plants

アマナ

 玉川上水でも林がある程度、幅があるところ、つまり直射日光が当たることがないような林の、4月上旬にだけ見られます。なんとなく葉が伸びてはくにゃくにゃと倒れるような感じで、「だらしない」ような印象があります。花はたくさんの葉を探してやっとひとつ、ふたつと見つかる程度で、しかも背も低いので、そのつもりで探さないと見逃してしまいます。白い花という印象で、実際そうなのですが、外側に濃い赤紫色の線があります。
 学名がAmanaというのがおもしろい。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スケッチ 13 ヒトリシズカ

2017年11月29日 | 植物 plants

ヒトリシズカ

玉川上水は平地を流れますが、ヒトリシズカは山の花です。平地と山は地形の区別をしたものですが、日本では平地は人が利用するので、山とは林と重なったことばになっています。林の中でもヒトリシズカはやや暗い林に生えるので、明るい玉川上水の林にあるのは貴重なことだと思います。春早く、地上に茎が伸びるときは筆のようで、その筆の先端の葉のあいだから花が顔を覗かせます。
 この花は、スケッチという意味ではとてもむずかしい。白い花を白い紙に描くのはもともとむずかしいことですが、ヒトリシズカの花は線状なのでなおさらです。それに、葉は艶があって細かなデコボコがあり、複雑に反射するので、それを表現するのもむずかしいことです。その上、葉には赤みが混じっており、そのあたりの表現もむずかしいです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花マップシンポジウム

2017年11月28日 | 玉川上水
2017.11.27
玉川上水花マップ」と称して花の分布を調べていますが、そのシンポジウムのチラシができました。





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月の玉川上水観察会

2017年11月27日 | 玉川上水
11月26日の玉川上水観察会は切り株の年輪調べをしました。今年になって切られた株を確認していたので、それを測定することにしました。鷹の台近くの久右衛門橋近くには4本のケヤキの切り株があり、直径は20cmほどから50cmほどまでばらつきがありましたが、いずれも60歳台でした。育った状況に大きな違いがあったようです。鎌倉橋の下流にあった直径60cmほどのケヤキは125歳で、この日調べたうちの最高齢でした。
 文献では江戸時代から戦前にかけて、玉川上水が上水として利用されていた時代は小金井のサクラ以外の木は落葉が上水に入らないように伐られたとされていますが、そうは思えない太い木があるので、そのことを知りたいと思っていました。この例はそのことを支持します。もっとあるはずなので、さらに調べてみようと思います。








コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スケッチ 12 オオジシバリ

2017年11月26日 | 植物 plants

オオジシバリ

明るいところに生える背の低い草としてハハコグサと共通なものがあります。こちらのほうは毛は生えていなくて、むしろつやつやでみずみずしい印象があります。オランダイチゴみたいに地上茎を伸ばして横に広がっていきます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウのペリット

2017年11月25日 | 研究など research
八ヶ岳自然クラブのご協力で、八ヶ岳のフクロウの食べ物を調べています。巣箱に残された小骨を調べて食べられたネズミの種類を識別するのですが、それとは別に巣の下に落ちていたペリットの提供を受けました。フクロウは飲み込んだ食べ物を砂嚢という袋にためて、消化できなかったものは吐き出します。メカニズムは知らないのですが、ただ吐き出すものと塊にして吐き出すものがあるのか、巣の外には塊が落ちています。これをペリットとよびますが、pelletとはつぶつぶの塊のことで家畜の餌でかためたものはペレットと発音します。
 さて、そのペリットのひとつをとりあげて分解してみました。


フクロウのペリット 格子間隔は5mm


ほぐしたところ

ここからピンセットで骨を取り出すと次のようになります。


これでは何がなんだかわかりません。ひとつひとつ確認すると次のようになります。まず細長い骨は手足の骨が多く、次のようになります。


説明にこの図を見てください


寛骨で、大腿骨の入る穴があります。


四肢の上のほう、前足は上腕骨、後足は大腿骨です。上部の球のようなところが寛骨の穴に収まります。


その下、脛骨です。ネズミの場合は腓骨と合体しているので腓脛骨と呼ばれます。


これは下顎で、歯の形からハタネズミとわかります。左右がピタリ合うので1頭分の左右です。また顎の後ろの上にのびる突起(左側)もぴたりとあります。

だから、これはたぶん1頭のハタネズミが食べられて吐き出された可能性が濃厚です。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小田和正三昧

2017年11月24日 | うた

 昨日(11月23日)、例によって玉川上水の花のチェックに行きました。5時すぎに帰宅したらカミさんが「ラジオで小田和正をやってるよ」というので、聞き始めました。それからだけでも5時間くらいやっていました。どうやら1日中やってたみたいです。聞くと、「小田和正三昧」と称して、小田自身がアナウンサーと話しながら曲が紹介されました。アナウンサーは一生懸命水を向けるのに、無口といってよいくらい反応が悪く、気の毒なくらいでした。自分が進行するときはもっと喋るので、相当無理しているのだと思いました。でも、そういう面も小田の魅力のひとつで、知る人は知っていて、言葉にしないものも聞こうとしているのがわかりました。
 私はかなり好きなほうですが、桁外れのファンがいますから、それにくらべれば全然大したことはありません。どこが好きかと問われれば、歌つくり(歌詞もメロディーも)にきびしく、頑固で熟慮断行、愛想は悪いが真の優しさを持つ男だからです。
 ずっと聞いていたら、10時をすぎたくらいで、「生まれ来る子供たちへ」が紹介されました。この歌については前にも書いたことがあります(こちら)。最終的には「確かなこと」がもっとも人気があるということになりました。確かにすばらしいですが、私は「生まれ来る」のほうが好きです。
 さて、それに続けて東北大学の学生歌が紹介されました。私は彼よりも1つか2つ下の学年ですが、同じキャンパスにいました。その歌には当時のキャンパスが描写されているのですが、歌を聞きながら、その景色が鮮やかに浮かぶと同時に、味というか匂いというか、あのころ、入学はしたが大学紛争のさなかで授業がなく、先が見えぬ不安を払拭しながら毎日を過ごしていたときの心理がよみがえりました
 あれから40年もの時間が経ちました。私自身は好きな動植物の調査や執筆を続けられる状況に恵まれ、情熱もまったく衰えていないのですが、もちろん体力や記憶力は衰えてきたのを実感します。小田が言っていたのは、納得できることだけをしたいということでした。私は「都会の自然の話を聴く」という本の編集が終わったばかりですが、その中にまさにそのことを書きました。世の中がどう思おうが、自分が価値があると思えることだけをしたい。残された時間が限られているという実感があるだけに、その思いは強くなっています。才能に恵まれた小田のような人は実に稀なことで凡人に真似のできることではありませんが、これからも彼の生き様をながめ、後を追うような気持ちで生きたいと思いました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「都会の自然の話を聴く」の出版

2017年11月23日 | 研究など research
2017.11.23
都会の自然の話を聴く—玉川上水のタヌキと動植物のつながり」(彩流社)の出版

 かねてよりお伝えしていた本の出版が遅れていましたが、いよいよ12月7日に出版されることになりました。本屋の店頭に並ぶのは多少前後するかもしれません。
 私は以前から玉川上水の動植物にも興味をもっていましたが、定年退職して時間もとれるようになったので、昨年から仲間とタヌキや植物などの調査をし、観察会を続けてきました。それによってわかったこと、観察会の記録などを通じて、玉川上水の現代的意義、ありふれた生き物をじっくり観察して知ることの大切さを感じました。
 このことをより広く知ってもらうことは、「都市にはたいした自然はない」と思っている多くの人に、じつはそうではないことを認識してもらう大きな意味があると思い、執筆してきました。
 書名は「都会の自然の話を聴く—玉川上水のタヌキと動植物のつながり」で、彩流社から出版されます。いっしょに観察会をしてきた武蔵野美術大学の関野先生が過分な推薦文を書いてくださり、ありがたいことでした。
 イラストも描いたり、楽しみながら作りました。


表紙とオビ


オビうら


観察会のようす


リンク(生きもののつながり)


300ページほどあるので値段が2300円(税抜き)とちょっと高くなってしまいました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

丹沢のシンポジウム

2017年11月22日 | 研究など research
 11月19日に以下のようなシンポジウムがありました。
 
記念講演 
  高槻 成紀(麻布大学いのちの博物館上席学芸員)
 「日本のシカ問題の現状について」

パネル討論
 「シカをどうやって減らすか‐丹沢を蘇らせる道を探る」
 パネリスト 
  高槻 成紀
  濱﨑 伸一郎(株式会社 野生動物保護管理事務所 代表)
  山根 正伸 (神奈川県自然環境保全センター研究企画部長)
  川島 範子 (NPO法人 小田原山盛の会 副理事長) 
司会 梶谷 敏夫 (丹沢ブナ党代表)
主催 丹沢ブナ党 



丹沢の自然、とくに森林の現状に危機感をもつ人たちが集まりました。パネリストからはそれぞれの立場からの発言があり、フロアからもたくさんの質問がありました。表層的に「シカの数を減らせば問題は解決する」ととられがちなこの問題の根底には、シカを含む日本の自然が人のとどまることのない欲望の犠牲になっているのではないかという思いがあったように思います。私がそのような発言をしたとき、会場から拍手がわいたことはそのことを象徴しているように思いました。有意義なシンポジウムであったと思います。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スケッチ 11 ハハコグサ

2017年11月21日 | 植物 plants




ハハコグサ

私はハハコグサのモコモコとフェルトのような毛が生えている感じと、花の黄色、白みがかった緑色などが好きです。それだけでなく、明るいところに並ぶように生えているのもかわいらしく思います。
 今回はスケッチを進める過程を記録してみました。線で輪郭をとってしまうと、わりあい一気に彩色してしまいます。最後に学名を書いて完成です。遊びで1本、色をつけないままにしました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする