ことしも暮れようとしています。ふりかえれば私もカミさんも68歳になり、70歳まであと少し、歳をとったものです。体にあちこち小さなトラブルがあるようになりました。やがて大きなトラブルもあるでしょう。それを受け入れる心の準備をしなければいけないと思いながら、なんとなく先送りしています。
世界中がおだやかならぬものになり、自分中心という主張が大手を振って通るようないやな感じになって、がんこおやじは心が晴れません。独裁者に憤りを覚えながらも、実際にたどり着いた船の粗末さをみると、むしろ民衆の悲惨さが思われます。テレビで北朝鮮の市場が紹介されました。その映像は貧困な少年が食べ物をくすねる映像を紹介していたのですが、その市場に日本にものと同じオオバコが生えていました。隣国です。当然ながら自然はとてもよくにています。人もほぼ同じDNAをもっているはずです。それなのに政治の違いでまったく違う生活をしている。そして、それは「向こう岸」のことでなく80年前のこの国にもあったことです。「この世の片隅で」を観てその思いを強くしました。
退職して3年目になりました。麻布大学いのちの博物館のお手伝いをしていますが、とても充実しており、大学の外部評価でも高く評価されました。もともと絵が好きなので、展示のパネルの絵を描いたり、展示物を作ったりして楽しんでいます。(たとえばこちら)
地元で玉川上水の自然観察をしたり、調査をしたりしています。その成果が「都会の自然の話を聴く」(彩流社)となって出版されました。よい本になったと思っています。
日々、コツコツと分析をし、論文を書いています。現役時代もがんばってきたつもりですが、忙しくて時間がとれず、よい研究をしてくれた学生の卒論や修論が未発表のままになているので、それをいま論文にしています。シカだけでなく、タヌキ、テンなどの食性も調べたので、それらを総合した新たな論文も生まれています。以下は今年公表した論文です。
箕輪篤志・下岡ゆき子・高槻成紀,2017.山梨県東部のテンの食性の季節変化と占有率−順位曲線による表現の試み. 哺乳類科学, 57: 1-8. これは帝京科学大学の非常勤講師をしていたときに指導した箕輪君の卒論です。
Endo, Y., H. Takada and S. Takatsuki. 2017. Dietary comparison of three sympatric ungulates on Mt. Asama, central Japan: sika deer, Japanese serow and wild boar. Mammal Study, 42: 131-140. これは麻布大学の遠藤君の卒論です。こちら
高槻成紀. 2017. テンが利用する果実の特徴 -- 総説. 哺乳類科学, 57: 337-347.
高槻成紀, 高橋和弘, 高田隼人,遠藤嘉甫,安本 唯,菅谷圭太,箕輪篤志,宮岡利佐子. 2017. 草食獣と食肉目の糞組成の多様性--集団多様性と個別多様性の比較. 哺乳類科学, 57: 315-321. たくさんの学生の卒論でできました。
高槻成紀. 2017. 「Mammal Study」が産声をあげた頃
哺乳類科学, 57: 135-138
日本哺乳類学会はMammal Studyという英文誌を刊行していますが、これは20年前にスタートしました。この雑誌は今や国際誌となり、質も向上し、たくさんの論文が世界中から寄せられ、きびしい査読を受けるようになりましたが、かつてはそうではありませんでした。最初のときに私が編集委員長をしたのですが、今年20周年を迎えるので、現在の編集委員長が当時の思い出などを書いてほしいということで依頼がありました。思い出しながら当時のようすを書くとともに、古い文献などもひもといて、学会の先人の志なども紹介しました。
講演は以下のとおり
2/5 日本の森林とシカ問題 かながわ森林インストラクター
2/20 A long-term ecological study on ski deer on Kinkazan Island, northern Japan. Bogor Agricultural University, Indonesia.
3/13 昨年の調査結果 アファンの森
5/27 麻布大学いのち博物館のの楽しみかた ユニコムプラザさがみはら
6/30 シカとシバ かわさき市民アカデミー
6/30 シカとササ かわさき市民アカデミー
10/01 フクロウが運んできたもの 麻布大学いのちの博物館セミナー
10/12 シカが奥多摩の森林生態系に及ぼす影響 全国カモシカ会議
11/11 高尾山とシカ、シカが増えたら山はどうなる 高尾山ビジターセンター
11/14 麻布大学いのちの博物館ができるまでとこれから かわさき市民アカデミー
11/19 日本のシカ問題の現状について 丹沢ブナ党
12/21 玉川上水生きもの調べ 自然の話が聞けた 地球永住計画連続講座
この1年間、問わず語りにおつきあいいただきましてありがとうございました。
世界中がおだやかならぬものになり、自分中心という主張が大手を振って通るようないやな感じになって、がんこおやじは心が晴れません。独裁者に憤りを覚えながらも、実際にたどり着いた船の粗末さをみると、むしろ民衆の悲惨さが思われます。テレビで北朝鮮の市場が紹介されました。その映像は貧困な少年が食べ物をくすねる映像を紹介していたのですが、その市場に日本にものと同じオオバコが生えていました。隣国です。当然ながら自然はとてもよくにています。人もほぼ同じDNAをもっているはずです。それなのに政治の違いでまったく違う生活をしている。そして、それは「向こう岸」のことでなく80年前のこの国にもあったことです。「この世の片隅で」を観てその思いを強くしました。
退職して3年目になりました。麻布大学いのちの博物館のお手伝いをしていますが、とても充実しており、大学の外部評価でも高く評価されました。もともと絵が好きなので、展示のパネルの絵を描いたり、展示物を作ったりして楽しんでいます。(たとえばこちら)
地元で玉川上水の自然観察をしたり、調査をしたりしています。その成果が「都会の自然の話を聴く」(彩流社)となって出版されました。よい本になったと思っています。
日々、コツコツと分析をし、論文を書いています。現役時代もがんばってきたつもりですが、忙しくて時間がとれず、よい研究をしてくれた学生の卒論や修論が未発表のままになているので、それをいま論文にしています。シカだけでなく、タヌキ、テンなどの食性も調べたので、それらを総合した新たな論文も生まれています。以下は今年公表した論文です。
箕輪篤志・下岡ゆき子・高槻成紀,2017.山梨県東部のテンの食性の季節変化と占有率−順位曲線による表現の試み. 哺乳類科学, 57: 1-8. これは帝京科学大学の非常勤講師をしていたときに指導した箕輪君の卒論です。
Endo, Y., H. Takada and S. Takatsuki. 2017. Dietary comparison of three sympatric ungulates on Mt. Asama, central Japan: sika deer, Japanese serow and wild boar. Mammal Study, 42: 131-140. これは麻布大学の遠藤君の卒論です。こちら
高槻成紀. 2017. テンが利用する果実の特徴 -- 総説. 哺乳類科学, 57: 337-347.
高槻成紀, 高橋和弘, 高田隼人,遠藤嘉甫,安本 唯,菅谷圭太,箕輪篤志,宮岡利佐子. 2017. 草食獣と食肉目の糞組成の多様性--集団多様性と個別多様性の比較. 哺乳類科学, 57: 315-321. たくさんの学生の卒論でできました。
高槻成紀. 2017. 「Mammal Study」が産声をあげた頃
哺乳類科学, 57: 135-138
日本哺乳類学会はMammal Studyという英文誌を刊行していますが、これは20年前にスタートしました。この雑誌は今や国際誌となり、質も向上し、たくさんの論文が世界中から寄せられ、きびしい査読を受けるようになりましたが、かつてはそうではありませんでした。最初のときに私が編集委員長をしたのですが、今年20周年を迎えるので、現在の編集委員長が当時の思い出などを書いてほしいということで依頼がありました。思い出しながら当時のようすを書くとともに、古い文献などもひもといて、学会の先人の志なども紹介しました。
講演は以下のとおり
2/5 日本の森林とシカ問題 かながわ森林インストラクター
2/20 A long-term ecological study on ski deer on Kinkazan Island, northern Japan. Bogor Agricultural University, Indonesia.
3/13 昨年の調査結果 アファンの森
5/27 麻布大学いのち博物館のの楽しみかた ユニコムプラザさがみはら
6/30 シカとシバ かわさき市民アカデミー
6/30 シカとササ かわさき市民アカデミー
10/01 フクロウが運んできたもの 麻布大学いのちの博物館セミナー
10/12 シカが奥多摩の森林生態系に及ぼす影響 全国カモシカ会議
11/11 高尾山とシカ、シカが増えたら山はどうなる 高尾山ビジターセンター
11/14 麻布大学いのちの博物館ができるまでとこれから かわさき市民アカデミー
11/19 日本のシカ問題の現状について 丹沢ブナ党
12/21 玉川上水生きもの調べ 自然の話が聞けた 地球永住計画連続講座
この1年間、問わず語りにおつきあいいただきましてありがとうございました。