自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

シカの影響

2019年04月20日 | 自然 nature
この日、裏高尾に来たのは、シカの影響を見るためでした。奥多摩から徐々に分布を拡大してきたシカがこの辺りまできて、10年ほど前から設置しているセンサーカメラに写るようになりました。それも年々数が増えているのです。ただ去年の4月上旬に来た時、ほんのすこしの痕跡はありましたが、ほとんどないと言える程度のものでした。ところが今年は場所によってはアオキがかなり食べられていました。


シカに食べられたアオキ


茎の上をスポンとかみ切ったものもありますが、時々2つ折りにしたものもあります。これはシカが自分の口が届かない部分を食べたくて、口にくわえて折るためです。このアオキの場合、右側が地面から立っている茎で、左側が折られたものです。よく見ると折られた方の枝にキズが付いています。これはシカの歯でつけられたもので、ちょうどシカの口の幅に相当します。


アオキが折られたところ


シカが枝を折るイメージ


シカの下顎骨


シカはアオキが大好きで、房総半島ではほとんどなくなってしまい、急崖の、シカがいけないところに細々と残っている状態です。今の裏高尾では他の植物にはまだ影響はほとんどありませんが、アオキにははっきりと影響を認めることができました。このアオキに注目すればシカの生息、影響を指標させることができそうです。この調査を高尾山で応用し、現状を把握しておきたいと思います。それによってシカの影響が出始めたら大変なことになるということをアピールしたいと思います。
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