秋になると木の実が色づきますが、それは植物が自分の種子を運んでもらうために、種子を果肉で包み、美味しそうな色になって「美味しい果実がありますよ、これを食べてください」と宣伝をして、鳥に御馳走を提供して代わりに種子を運んでもらっているわけです。それはわかっていても、このことを森林で調べようとしたら大変です。樹種は複雑でどれとどれがどういう関係を持っているかが分からないだけでなく、地面に落ちた種子は草や枯れ葉の中に埋もれてしまい、回収は絶望的です。それでも種子を回収する装置を作って大規模な調査もされていますが、普通はそういう調査はできません。その点、都市であれば樹木が孤立していて、地面が襲うされていることがあるので、この複雑な現象を時解せる可能性があります。
鳥はある木で木の実を食べますが、その時、前に食べた別の木の木の実を吐き出した李、糞で排泄したりします。人気のある木には運び込まれる種子の種類も数も多くなるはずです。
去年の12月初めから自宅(小平市)の近く4カ所でセンダン、トウネズミモチ、クロガネモチ、ヤマハゼの4種の樹木を選んで、その下に落ちてくる種子を回収してきましたが、ほぼ新しいものが追加されなくなりました。
わかっただけで30種ほどが運び込まれていました。
鳥類に運ばれてきた種子。格子間隔は5 mm。