野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

「島の言い伝え、命救った」

2011-04-24 19:11:51 | その他
今日の時事通信に、下記記事が掲載されていた。
「島の言い伝え、命救った」=1142年前の大津波-石碑建て継承・宮城

両岸から大津波が押し寄せ、島の中央でぶつかった。日本三景「松島」の東端にある宮城県東松島市の宮戸島。
平安時代の869年(貞観11年)に東北地方太平洋岸で起きた大地震「貞観地震」をめぐり、島民の間にはこんな言い伝えが残されている。ぶつかったとされる場所(標高約10メートル)には石碑が建っており、そこより下は危険とされていた。東日本大震災で約1000人の島民は石碑より高台にある市立宮戸小学校などに一斉に避難。津波は浜辺の集落の大半をのみこんだが、石碑の手前でとどまり、犠牲者は数人にとどまった。「先人の言い伝えが命を救った」。近くに住む観音寺住職の渡辺照悟さん(80)はしみじみと語った。複数の島民によると、貞観地震では津波で多くの人が命を落としたとみられ、言い伝えは島民の間に浸透。大きな地震が起きると高台に逃げる習慣が身に付いていた。
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011042300025

現役時、平成13年頃だと思うが、製品の品質改善啓蒙活動の一環として、よく使用させてもらった資料に、畑村洋太郎(元東大教授)の「失敗学のすすめ」という本がある。この本のポイントの一つに「過去の失敗こそがナレッジの宝庫」であると指摘されており、その事例の一つが「三陸海岸の津波石碑」である。
  
「失敗学のすすめ」に記載されている写真


その津波教訓は本当に生かされているのか、当時は、疑問が無かったと言えば嘘になるが、DNAとして本当に伝承されているものだと改めて思い知った。「失敗学のすすめ」の中には、2種類の失敗分類があり、「良い失敗」=細心の注意を払っても防ぎようのない失敗、つまり学ぶ価値のある失敗。 もう一つは、「悪い失敗」=注意を払えば防止できた失敗、学び得ることのない失敗だそうだ。良い失敗の好例として、米国のタコマ橋の崩壊事故(記録映像を見ると本当にびっくりするぐらい吊り橋が揺れて最後に崩壊)で、この原因は当時人類が知り得なかった「自励振動」、のちに大型吊橋の設計を可能にしたものである。これ以外にもコメット機の空中爆発が金属疲労学を発展させた好例として記載されている。


最も経済的なエネルギーとされた原発は、福島は、どのような失敗として議論され且つ落ち着き、後世に評価伝承されるのだろうか。
興味深く注視したい。加えて言えば、東電の原発事故は想定外の地震強度と津波の発生によるとされる報道がなされている。

この事例に良く似た事象に、製品の品質不具合は想定外の要因だった事によると説明する報告をたまに見かけたが、これ等、ユーザーの製品使用環境の調査不足であったり、先人の経験や知識を素直に聞くという生真面目さ不足等が真の要因ではなかったろうか。
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