淡く、こわれやすく、はかなく
行きすぎ、遠ざかり、よみがえる
ひとときのまなざしが交わり
肯定と肯定が重なり
享受される柔らかな時がある
大文字の理念、価値の表示はもたない
それを必要としない
有用性や機能性という評定は消える
気づけばそこにいて、ともに生きられている
まっすぐにそうしたい心にになわれ
結びあわせるひそかな原理があって
ただことばを交わし、酒を酌み交わことのうちに
静かに、ひかえめな配慮と配慮が交わり
それだけのことのうちに現象する幸いの時がある
それ以上でもない、それ以下でもない
そのことはたしかに知っているだろう