ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「手にむすぶ」20180707

2018-07-07 | Weblog


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すべてこれらの命題は
心象や時間それ自身の性質として
第四次延長のなかで主張されます (宮沢賢治『春と修羅』)

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あるニンゲンとあるニンゲンが出会うあるニンゲンがあるニンゲンを好きになるあるニンゲンとあるニンゲンが争うそこに偶然に導かれるように単数複数の存在やユニットがぞくぞくと加わり関係を結び複雑なプロセスや時間が加担して関係が関係に関係していく関係のコスモスが出来上がり歴史が刻まれ無数の合流や分岐や更新を繰り返しながらやがて共通の記憶や物語やコードや超越項が生成してそれぞれの存在にそれぞれの形で深く浸透してそれを意識してもしなくてもすべてが自分の血であり肉であるというふうにニンゲン史の意識無意識の遺産がビルトインされて集団や族や類としての感覚や心理や行動の傾向をつくり新たな履歴を次々に積み上げながら世界がゾーニングされそれぞれの存在のポジションが指定されていくときそこから一人のニンゲンをピュアな状態において抽出することはおよそ不可能な事態であると考えなくてはならないという要請が必然のように導かれ誰かが単独で独立して何かを感じ考え行動するときそれは同時に族として類として感じ考え振る舞っていることになるという位相を排除することはとても難しいことのように感じられたけれどもそれでも一人というものがそこから立ち上がりキミとボクが出会う大事な地平が展開すると信じられたからそうできる範囲で精一杯目一杯手一杯そう考え感じ考え行動すると決めたのだけれど果たしてそれをそうと決めたのは本当はキミやボクならざる別の何やらなのかなといった問いにはゼッタイに絡め取られないようにネ!

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すべてがわたくしの中のみんなであるやうに
みんなのおのおののなかのすべてですから (宮沢賢治『春と修羅』)

 

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