ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「時間」 20220131(20200806)

2022-01-31 | Weblog

 

 

「いいかい。先のことを予測して動くことができるというのが動物の際立った特徴なんだ。
ネコがネズミに飛びかかるときには、着地の瞬間にネズミがどこまで走っているか予測を立てて、
それに合わせてジャンプのしかたを調節する。そういうことが動物にはできる。
そういうことができるからこそ、逆に動物の動きが予測できないものになってくるんだなあ。
この世でただ一つ、予測できないものに。…
人間の法律というのも、考えてみると妙なものだな。人間の動きが規則的でなくちゃいけない、
予測できるものでなくちゃいけないという考え方がベースにあるわけだ」
                  (ベイトソン「メタローグ」『精神の生態学』佐藤他訳)

       *

時間を記述する記述形式が展開本質に追いついていない
切り刻まれた時間の配列を守ることが先行している

グリニッジ標準、だれかが決めた時間配列にグリップされるとき
おれたちはおのれの時間が見えなくなっている

       *

思考と行動はひとりひとり、固有の「時間」と溶け合っている
いまここの「ある」から、いまここにない「ありうる」へ
この移行する時間的厚みのなかに、からだは住みついている。

生きられる時間──

スライスされた「ここ」の連結と連鎖ではない
「at here」はつねに「from here」を孕んで
「いまここ」という指定を許さない途切れのない展開のなかにある

生命は時間的展開を予期的に宿しながら「いま・ここ」を構成し
ひとりひとり、それぞれの固有の生の時間、世界を生きていく

それゆえ、「ある」を書き留め、「事実」として確定したい心は
生きられる実存の展開本質と必ずすれちがうことになる

この〝すれちがい〟は、人間がつくる関係世界に多発している
「実存の時間」に「客観的時間」がとって代わる倒錯とアディクト

エモノに飛びかかるケモノの姿を心に描いておこう
そこにおれたちの生の展開本質が写像されている

 

 

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「透明なセッション」 20220130

2022-01-30 | Weblog

 

 


率直でなければならないときがある
率直な心だけがよく生かすことができる

そうすべきときがある

教えてくれるだれかはいない
教えてもらうことではない

心が動くときシグナルが明滅する
率直な心に出会ってほどけていく

ほんとうはみずからそうすべきだと思う

きつく留めておこうと思う
忘れやすく目移りしやすい心に

でもどうやって

それがなにかはわからない
まちがいかもしれない
とんでもないカンチガイかもしれない

それでいい
梟に教えられるまえにできることがある

はかなく
壊れやすく
見失われ
二度とない
見過ごして
涙に暮れる

たしかめる絶対的基準
そんなものはどこにもない

心が告げる
許された方法がある

どんなに苦しくて悲しいときも
どんなにやけくそのときも

開いておく、ところかまわず
スペースを空けておく

赤裸の心に赤裸の心で応えなければならない
ときにそんなことが起こることがある

 

 

 

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「学習エンジン」 20220129

2022-01-29 | Weblog

 

 

エンジンが点火する条件がある──

先生が点数をつけて誉めてくれる
一生懸命教え〝解〟に導いてくれる

〝解〟の集積場における業務展開
テクスト集合、取説、エージェント控え

世界記述の仮想ターミナル、ゴール設定
〝解〟のクラスから逆算された記述訓練

行き止まりにおけるエンジン停止

このからくりを暴き破壊して
教師を残らず一掃した場所に立つ

このスペースには人間だけがいればいい
そうしてはじめて条件が整う

はじめて出会えるものがある
出会わなくてはならないものがある

オープンスペースに流れ込む世界
すべてにはすべてに理由と根拠がある

どれもこれもいただいていく
使えるものは使う
使えないものは使えるもの変換する

どんな読み方、解釈、用法も禁じられてはいない
文句をつける筋合いはない
学習仕様、観光ツアー仕様、スキにすればいい

ただ知っておくべきことがある
ベッドのサイズに合わせて手足を切断する
世界を枯らせていく用法があることを

整理整頓しない、区分は設けない
ランダムネスに出会うままに出会う

記述が完了したものでは足りない
引かれたラインは資源を選別する
分別された資源では用をなさない

確定項の注釈と講釈と査読と採点
切り方のちがいだけの金太郎飴仕様

新しいブリッジはそこには架からない

教師の中にも教師が住んでいる
教師の教師の教師という無限連鎖を断ち斬り
教師にはただの人間に返ってもらう

ひとりの人間だけがいればいい
そうしてはじめてエンジンが起動する

そうしてはじめて出会えるものがある
出会わなくてはならない世界がある

 

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「展開形、透明な航跡」 20220128(20210708)

2022-01-28 | Weblog

 

 

上昇と下降
加速と減速

さまざまに波形を描いて駆けている

展開的
収束的

遠心的
求心的

演繹的
帰納的

波形はつねに両義性をたずさえている

肯定
否定

攻撃
防御

包摂
排除

自我のエロスという主題を基底に沈めながら
外部にリンクして波形は修正され更新されていく

利己的
利他的

自罰的
他罰的

敵対的
宥和的

みずからの波形を見ることはできなくても
どんな波形に惹かれるかは語ることができる

天使的
悪魔的

収奪的
贈与的

線形的
非線形的

展開は合流して集合的なかたちを結ぶ
総体が描く一つの社会体の波形がある

開放系
閉鎖系

ひとつひとつの波形が告げる
波形に表示されない透明な航跡

孤独な光の明滅
哀のシグナル

はかり知れない展開の彼方
はかり知れなさが交わる地点でシグナルを交換する

 

 

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「そこで会おう」 20220127

2022-01-27 | Weblog

 

 

おれたちはもう少しましな生き物として生きてゆける
ほんとうだぜ

   *

最初に、最後まで刻んでおこう
守るべき人間の領域がある

つよいよわいきれいきたない
うそほんとうよいわるい価値あり価値なし

リアルを構成するこの不可避な分割区分
クソ現実が引いたラインを知りつくしたうえで

もう一つある

天も地もない優も劣もない
いちどきりひとりの生

そのうえで 

だれもとって代われない主権的本体
この主権を奪うものとは戦うしかない

戦い方は決まっていない
それぞれのやり方がある

この一人称にとって代わろうとする
成り代わって経験を指定するクソ言説
ひねりつぶすに価するクソ世界の位相がある

ひねりつぶし方は決まっていない
それぞれのひねりつぶし方がある

確認しておく

だれひとりとって代われない
ひとりのほんとうのリアルがある
とって代わることができれば
この世は代表一人でこと足りる

そして、そうじゃない存在がいる
駆け引きの相手ではない

まちがえるなよ

だれかを否定することでしかおのれを守れない
そんな可哀そうな存在ではない

駆け引き、加点と減点、上昇と下降
そんなことになんの意味も見出さない
バカさ加減を知りつくす存在

おれにもおまえにとってもだれにとっても
この代えのきかない存在、それを友と呼ぼう

老若男女思想信条国籍宗教趣味嗜好を問わない
クソ野郎にもこのうえない生きる権利がある
知る以前に知り尽くして生きる存在がいる

それが本当の友さ

なにも偉そうなことじゃない
たったそれだけのことを知らなくてどうする

 

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「Non!」 20220127(20210618)

2022-01-27 | Weblog

 

 

ネガティブな資産(記述命題)をカウントする

敵との対峙における高揚ではない
高揚は戦線に依存し戦線を維持する

その先にどんなゲインも導かない
敵‐友の図式は世界を腐らせる

ルサンチマンの頽落した蝟集ではない
滅びの道を開く負のエネルギー

従属と自己放棄が構成するマスゲームではない
実存を捨象した全体客観を奉る惨劇の歴史

せん滅に向かう暴力のエロスではない
優位性を確証して手にする快ではない

削りあって決される正当性ではない
滅ぼすことで獲得されるパイではない

純化された価値のかたちを求めるかぎり
どこかに存在する真理への的中率を競うかぎり
ノイズとゴミは切断処理され廃棄され焼却される

順位序列を確定するパワーコードに従うかぎり
のさばらせるかぎり生の全域性は損なわれていく

実存の上位に位置づけられた〝解〟の呪い
超越項を戴く社会体の複数性多数性のアポリア

せめぎあう社会体と社会体、共同性と共同性の論理
このアポリアと出会う場所が思考のロドスになる

集合的な結集の強度を求める限り
どこかに専制を許すスイッチが生成する

スイッチを手にして操作するフリーハンド
透明なスイッチはあらゆる関係に潜在している

これらすべての共通本質──個の価値下落、価値剥奪
滅びの種は関係世界のいたるところに蒔かれている

スイッチ解除が必然化するハイコンテクスへ

 

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「コーディング」 20220126

2022-01-26 | Weblog

 

 


 First, we have to note that any object, event, or difference 
 in the so called 〝outside world〟can become a source of 
 information provided that it is incorporated into a circuit 
 with an appropriate network of flexible material 
 in which it can produce changes.


 最初におさえておくべきことは、
 いわゆる〝外界〟におけるいかなる物体も出来事も差異も、
 それらに応じて変化するだけの柔軟性をそなえた
 ネットワークの中に取り込まれさえすれば、
 情報の源(ソース)になりうる、ということだ。

     ──ベイトソン『精神と自然』(佐藤良明、2022年訳)

     *

情報の源(ソース)とするための固有の変換規則
身についたコーディングの仕方があって、
それらが個性や人格と呼ばれるものに当たっている

ひとりひとり、心的経験のプロセスにおいて
変換規則に従って次々に固有の記述命題が生成していく

推論、解釈、仮説、判断、理解、記述確定──
すなわち、生の試行的展開に必須の命題作成という根源的要請

一定の了解という心的な飽和点を過ぎたとき
記述はかならず確定された命題の作成へ向かう

このことの不可避性は、しかし、関係世界において
なんらかの保留、訂正、修正の契機に出会う

     *

ほんとうにそうであるならそうにちがいない
どんな反論の余地もない自明なことなのだろう

わかるけれど、ちょっと待て

ほんとうはよく知らないもの同士であっても
小さなインターフェイスを介して全部わかる
理解のポッケはスキマまなく充填された

かのように、向かいあって交わり
愛し合い憎み合い殺し合う

滑稽だ、けれど
現実がそれで動いていく
バカすぎる、けれど
生き死にが決していく
無残すぎる、けれど
手のほどこしようがなく
愚かすぎる、けれど

なんとかする方法を考えようか

資源化された情報は毒にも薬にもなる
滅ぼすためにも生かすためにも使われる

俺たちはみずからの〝柔軟性〟をまちがって使ってないか

変換規則、コーディングの仕方、作法について
もう少しましなものにできるかできないか
一緒に考えるテーブルを囲んで考えようか

 

 

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「鯛焼き@スーパー」 20220125

2022-01-25 | Weblog

 

 


「お先に失礼します」
「あ、おつかれさま。さようなら」
「私には鯛焼きないのかな」
「あ、マルイです」
「差し入れの鯛焼き」
「マルイの一階です」
「私のぶんの鯛焼きはないのかな」
「志木のマルイの一階にございます」
「ちがうだろ」
「お好きなだけ何匹でも、そこで。あんこも一杯です」
「バカヤロウ」
「ああおいしかった」
「覚えてやがれ」

 

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「ワタナベへ」 20220125

2022-01-25 | Weblog

 

 

余裕があればやさしくすることもできる

だったら余裕を確保しな
確保するミッションをおのれに課す

クソをクソだと名指して喜び合う真正のクソになるなよ
この教えだけで十分行けるはずだ

名ばかりの正義はすべて消える

言葉をプレスして析出すればそれだけが残る
たったそれだけのことだ

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「バカが偉そうに」 20210329

2022-01-24 | Weblog

                      (れん姫『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』)

 

 

くり返しくり返し刻んでおく
だれかのためではない、バカ野郎自身のために

数えきれない「あおぞら侍」がいて
数えきれない「れん姫」がいる

歴史につづられない人間のほんとうの歴史がある
つづられた歴史が一部でしかない人間が生きる場所
記述されない悲しみが流れている場所がある

いまも、これからも、ずっとそうにちがいない
生きることの原理、バカが偉そうにそう思う

ほんとうはそんな偉そうなことじゃない
愚かな蛇足にちがいない、けれど
絶対に覚えておけとバカがみずからに告げる

どんな状況にあっても決して忘れるな
偉そうにそう思うことがある

ただ一つのことだ

どんなじじいも、おばばも、生まれたての赤ん坊も
イケイケのトンマも、のぼせ上った正義のクソ野郎も
比較もなにもない、優も劣もない、平等に一線に並ぶ

生きることのただ一つ、本当の主題
つねに、ただ、〝ひとりにとって〟
ひとりひとり、それぞれに等しく目の前に現われている

「きょう、あす、これから、いまここで、どう生きるか」

おなじことだけど、言い直したほうがいいかもしれないな
どんなアホでもマヌケでも底なしのバカ野郎にとっても

(それはおれのことさ)

「どう迎え撃ち、どう戦い抜くか」

 

 

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「午前0:27 · 2017年2月21日 Mobile Web」

2022-01-23 | twitter

 

「温ったかいんだから~♪」の閉じた空間は、
「閉じ」ゆえのアンチミテと離れ難さの共同性がある。
おそらく「IS」にもあるはず。
「閉じ」と「開かれ」を分けるのは何か。
答えはみつからないが大問題であることは確か。

       *

答えはかんたんには確定できない。
しかし開かれるための必須の条件を考えることはできる。

「開く」ことで得られる生のエロスが「閉じ」を凌駕する地点、
あるいは無数の「閉じ」を相互に許し、共生可能にする関係の位相、
それがどこかに存在することの了解が訪れなければならない。

 

 

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「戦士たち」 20220123(20210120)

2022-01-23 | Weblog

 

 


   ──坂口安吾『ふるさとに寄する讃歌』

    私は蒼空を見た。蒼空は私に沁みた。
    私は瑠璃色の波に噎ぶ。私は蒼空の中を泳いだ。
    そして私は、もはや透明な波でしかなかった。
    私は磯の音を私の脊髄に聞いた。
    単調なリズムは、其処から、鈍い蠕動を空へ撒いた。

 

青空を見上げなくても
きみにはとどいていたでしょう

夜は夢に濡れ
星はきらめき
孤独の底に
獣たちの息がこだまし
呼ぶ声が聞こえ
高揚は走り
暁の光に洗われ
戦士たちが駆け出していく

新しい地平を開くように
季節を貫いてことづてを運ぶ
きみの戦士たちがいる

戦士はひとりではない

懐かしさと勇気が溶けあう地点
そこに集うものたちがいる

やさしさと
戦う意志と
許すこころと

希望が訪れるように駆けている
きみの精鋭たちがいる

心を決めるよりはやく
世界が滅びの道を歩み出すまえに
翔け上がり、遠い気圏を駆け
きみと世界の姿を照らす

呼びかけられるよりはやく
心は染まり、応答の光を放つ

空はどこまでも青く
雲は白く
光は水に溶け 
緑はきらめき
澄んだ風に洗われ
大地の楽譜は高鳴り

きみは風景に透きとおり

願うこと思うことよりはやく
唇を向けるより先に
光に染まり、遠い気圏に視線を凝らし
心は誘われ青空に翔けていく

 

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「コード」20220122

2022-01-22 | Weblog

 

 

だまされたと思ってこのコード使ってみたらいい
おれも使ってみた、悪くない、ちょっとびっくりした
きみに合うかどうかわからないが、試してみる価値があると思う

コードはかぎりなく存在する
ある意味、生き物の数だけ、それ以上あると言える

それぞれにとって眠ったままの無尽蔵の資源とも言える

資源を活かし切るにはたった一つ条件がある
おのれのコードをいったん解除する意志とスキル

スキルを身につけるには多少の野蛮さが必要だ

新しいコードを次々に試しながら生きる連中がいる
連中とはだれか、その代表選手は幼い子どもさ

ほかにもいる、〝不良〟と呼ばれることもある
定番のコードに飽き足らないという意味ではそうにちがいない

しかし不良のコードも固定されると不良は不良ではなくなる
展開形の本質を生き抜くには単に不良であるだけではだめだ
つねに不良として再生しつづけなければならない

 

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「音楽」20210121

2022-01-21 | Weblog

                      松任谷由実 - 永遠が見える日(Short ver.) - YouTube

 

悲しみの共有

そういう存在、そういう関係を求めていたのかもしれない
音楽がその代わりをつとめる
そういうことがあるかもしれない

10代の夢

一緒に音楽を聴ける人と出会うこと
変わっていないかもしれない

そう言いたい特定のだれかではない
だれでもない世界に言っておきたい

黙ってろ
話はそのあとだ

そのつど状況が示す色指定、感情指定
そのとおりに生きながら、もう一つある

一つの音楽
一つの感情
一つの言葉
一つの記述

それだけで全域を満たすことはできない
そのことはだれでも知っている

知っていても知らないかのように
状況は生きられていく

わかっていても状況は先行的に動いていく
状況は一つのふるまいを指定する

それを交換するしかない
すれちがうこともわかっている

おれたちはそうして生きるしかない
言葉はいつも遅れてついていく

覚悟を決めて余すことなく交換する
できることをできるかぎり
誤魔化さずにそのつどきっちり

そのうえでもう一つ
遅れてついていくものだけにできることはある

一つの状況しか生きられない
絶対条件のなかに一つの工夫を凝らすことはできる

一つの音楽
一つの感情
一つの言葉
一つの記述

聞き切り
言い切り
吐き出し
つづり
味わい尽くす

一点も残すことなく味わい生きながら
そのうえでスペースを開く

トレースされメモリに格納された状況のすべて
時間化され積み重なっていくすべて
全時間、全経験、全状況、全感情が集う場所を開く

なんのためにそうするかは決まっている

時間に濡れた世界をスコープに収める
この虚数空間から立ち上がる
新しい音楽を手にするために

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「バックルーム@スーパー」20220121

2022-01-21 | Weblog

 

 


「戦が上手ですなあ」
「いくさ、ですか?」
「はい。関心しちゃう」
「単なる仕事ですけど」
「戦上手」
「ひょっとしてお侍さん?」
「じつは幕臣の系譜なんですよ、ぼく」
「ほんとですか。賊軍だ」
「言いますね」
「ハラキリ。斬り捨て御免」
「無礼者」
「許してちょんまげ」
「ほんとにお上手なんだから」
「それほどでも。おおきに」
「まいど」
「大阪でっか」
「東京でんがな」
「わいもやで」

 

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