ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「成人愛」20231231

2023-12-31 | 参照

 

 

──マイクル・バリント『治療論からみた退行』中井久夫訳


(「第十三章 成人愛)
この、個人と、環界における最重要部分すなわち愛の対象間の神秘的合一、
調和的=相互浸透的渾然体の復元こそ全人類の願望である。
この成就のために、まず冷淡な対象あるいは潜在的・敵対的対象を、
私のいう〝わがものとする作業〟(work of conquest)を通じて
協力的なパートナーに変化させなければならない。

成人の生において、この究極目標に達する途がまだ別に二、三あるが、
かなりの技量と才能を必要とするものばかりである。
宗教的脱我恍惚状態と芸術創造における至高の瞬間、そして、
分析治療における退行期がそれである。

以上の状態においては個人は孤立しており、
ナルシシズム的撤退ではないかとの印象を与えるが、
全部に共通な基本特性として、不調和はすべて払い去られ、
ごく短期間ながら個人はくもりなき理解の中で、
完全なる調和的=相互浸透的渾然体において、
自己と自己の世界全体との合一を現実・真実に体験しているはずである。

 

 

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「New Beginning」20231230

2023-12-30 | 参照

 

 

──斎藤環×東畑開人『臨床のフリコラージュ──心の支援の現在地』青土社2023年


(斎藤)心理主義的な定型が、物語の自由な進展を阻害するんです。
先ほど述べた、定型が抑圧的に作用する典型です。

(東畑)その点で面白いのがアーレントです。
『全体主義の起源』でイデオロギーはAと言ったら、
その後BCDEと続く言葉が決まっていて、最後にZという絶対に
言ってはいけない言葉に辿り着いてしまうのだとアーレントは言っています。
言うまでもなくホロコーストのことです。
イデオロギーというのは一度組み込まれると逃れることができない定型なんですね。
だけど、アーレント曰く、人間であるとは「はじめる」ことであって、
HIJKと来ても、そこで突然別の「A!」を言い始めることなんだって言うんですね。

OPQRときてるのに、突然、別のAが並走し始める。
そのことで物語が複雑になり、深くなり、豊かになる。
これは臨床でもそうだと思います。別のAが始まることで、
STUVの配列が変わり、違った質感の物語になる。
こういうときに僕は「心がはじまる」感じがするし、
それが「心を自由にする仕事」の核心だと思っています。

これをマイクル・バリントは〝new beginning〟といい、
中井久夫は「新規まき直し」と訳したわけですが、
僕は「はじまりをはじめること」と訳したい気がします。

(斎藤)このあたりはほぼそのまま、
ナラティブ・セラピーにおけるトラウマの治療論そのものですね。
断片化した記憶であるトラウマを、その人の人生のナラティブに
統合することで回復を促すという。言い換えるならアーレントもラカンらと同様に、
この現実や歴史的な事実は本来、因果関係で接合できない断片の集積なのであり、
物語はそこにかりそめの因果関係や統合を与えるものである、と考えていたのでしょう。

 

 

 

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「連結パターン」20231230

2023-12-30 | Weblog

 

 

ひととひとを結あわせるパターン、連結、つながり、交流、連帯
呼び名はなんでもいい、としても
決定的に分岐するふた通りの連結形式がある

        *

「直列的連結」と「非直列的連結」
ふたつの結びあわせるパターンが別れる転轍点がある

連結部において、ひとりひとり、それぞれにおいて
それぞれの固有の作業スペースが確保されているか否か

(連結部における連結スペース、スキマがあるか否か)

つまり、ひとりひとりの思考、感情、感性が動き回るフリースペース
フリーハンドの固有のいとなみの展開域の有無
この固有の審議空間を承認しあって生きあえるかるかどうか

(自由の概念はこの位相空間に由来する)

「個」のフリースペース、フリーハンドの展開域の相互承認
この相互性が支える信頼が人間的生の展開力、創発の源泉となること

直列的連結の位相では決して顕現しない、享受しえない自由の位相
生の展開可能性を相互に認めあう非直列的なスキマ、位相空間がある

この連結パターンが俺たちの展開可能性、享受可能性の原郷を構成する

 

 

 

 

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「全域性」20231229 20210728

2023-12-29 | Weblog

 

 


「生き延びること」
「蹴落とすこと」
「勝利すること」

現実論理、競争原理が示し求める主題がある
この主題の外に生は別の波形を描いてみせる

生の波形は競争のピッチ上に全域を描くことができない
ピッチに展開する生はその閉域性を受け入れながら
ピッチの外に駆けている別の作動と結ばれている

どれが〝真の作動〟とは云えない

ただ「生の全域」という理念が保たれているとき
一つの原理で生の全域を覆うことの不可能
全域を覆えば生は荒廃への道へ入ることになる

そのことの明晰な了解だけが導くことがある

すなわち、全域でありえないものの独裁
特定の原理の暴走、専制、一元化へ向かうものの棄却

そうしてはじめて、全域性にかなう生のかたち、
全域性にふさわしい関係原理への問いが立ち上がる

 

 

 

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「Ceasefire] 20231228

2023-12-28 | Weblog

 

停戦命令、武装解除、平和構築
──インターミッション

みずからそれが出来なければ絵空事になる
ステキな理念に、誰かに、お任せするのではない
日々、小さな戦場に出会って生きている
そのためのレッスンの場はいくらでもある

 

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「新しい視覚」20231227(20210606)

2023-12-27 | Weblog

 

 

状況が示す色指定、思考指定、感情指定
状況にまみれて生きながら、もう一つできることがある

   *

一つの音楽
一つの感情
一つの言葉
一つの記述

それだけで全域を満たすことはできない
そのことはだれでも知っている

知っていても知らないかのように
状況は生きられていく

それを交換するしかない
すれちがうこともわかっている

わかっていても状況は先行的に動いていく
状況は思考と感情を指定する

俺たちはそうして生きるしかない
ことばはいつも遅れてついていく

覚悟を決めて余すことなく交換する
できることをできるかぎり
誤魔化さずにそのつどきっちり

そのうえでもう一つ
遅れてついていくものだけにできることはある

一つの状況しか生きられない
この絶対条件の中で一つの工夫を凝らすことはできる

一つの音楽
一つの感情
一つの言葉
一つの記述

聞き切り
言い切り
吐き出し
つづり
経験し尽くす

一点も余すことなく味わい生きながら
そのうえでスペースを開けておく

トレースされメモリに格納されていく状況のすべて
時間化され積み重なっていく全地層
全時間、全経験、全感情、全状況が集う場所をあつらえておく

なんのためにそうするかは決まっている

この虚数空間から立ち上がる
新しい視覚を獲得するために

 

 

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「メディア中毒 Mediaholic」20231226

2023-12-26 | Weblog

 

 

正義感に浮かれるとまちがうよ
ほんとに見るべきものが見えなくなるよ

頭を冷やしたほうがいいな
ほんとは踊らされているだけなんだぜ

悔い改めよ、そう云いたいのかな
どこかの宣教師のつもりなのかな
云うだけなら勝手だから罪はない
罪はないけれど、誰かに罪を押しつけちゃいけません

グルなのは同じさ、例外はない
日々くらっている安酒をたくさんの涙が支えている

善はますます善く、悪はますます悪いって
どんな救いのない構図ですか、わかります?

ほんとに愛を語りたいならエリア限定じゃ話にならない

お仲間同士のラブコール、それを愛と呼ばないほうがいいな
向こう岸にいる連中も普通にそうしている普通のことだぜ
その種の愛はあなたこなた、世界中にあふれている
その種の愛と愛が出会ってせめぎあう、戦争を導く構図です

「愛より、ありふれた親切を少し多めに」

どう読もうが勝手だけれど、詩も読めてないな
だれかのための「飾りじゃないのよ、涙は」

 

 

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「沈黙」20231226

2023-12-26 | Weblog

 

 

ことばが踏み入るほど遠ざかっていく
ことばが結審するほど壊れていく
ことばが届かない経験の位相があって

この感知に襲われたとき

それをそれとして生きることを守り抜くように動く
語り出すことを禁じる原理的作動、沈黙がある

 

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「アトリエ、二十歳」 20231225

2023-12-25 | Weblog

 

 

油絵とは無縁の場所にいながら
ひそかに描きたいテーマを抱いていた

はじめから上品なサロンに加わるつもりはなかった
滅びたほうがいいとも思っていた

サロンとは無縁の若いケモノの匂いがそこにあった
匂いに誘われるように足を踏み入れた

      *   

おのれの視線の貧しさを照らし出すように
上手い下手の評定が消えるエリアがそこに隠れていた

がさつな人間にしかみえない男が描く絵は繊細だった
おとなしく控えめな印象だけの女性が炎に燃えている
見た目どおりの絵にもそれだけで終わらない意志がある

それをどう行使すればよいかわからないまま
おのれの視線を解体する視線が降りてきた

 

 

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「絵の先行」 20231224 20230923

2023-12-24 | Weblog

 

 

薄っぺらとか濃厚とか、知性とか反知性とか
「科学」の看板を掲げながら科学の思考からほど遠い
わけ知り面のとっつぁんどもの言説群のはるか圏外

(どれほどバカに囲まれても賢明の証にはならないんだぜ)

ことばに全権を移譲することはできない
ことばに修正を求めるものはことばの外にいる

「よくできました」

とぼけたセリフを吐くしたり顔の頓馬どもは気づかない
まちがい探し、答え合わせにいきり立つ閉域の外
黙るしかない絵が生まれてくる場所がある

テンプレート化した思考、感情、クリシェの応酬
のぼせた知のフレームにけっして収まらない
無垢無知を慰みもの、囲い込むことしか知らないボケナスの圏外

一切の計算を外してアクセス可能になる地平

新しいことばがそこに宿り芽吹いてゆく
絵筆の思考だけが赴くことができる
ことばに先行して生きられている肥沃な地平がある

そこに身を置いて筆を握ることを知っているだろう
そう勝手に思ったからそう提案したということです

 

 

 

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「共有された地平」20231224 20230908

2023-12-24 | Weblog

 

 

12月、友と再会してなにかのスイッチが入った
メモリのページをめくりながら
新しくそこに加えるべきものを探し始めている

     *

直列しない、透明なへだたり
ふたりが合流する地平のかたわらに
フリースペースが同伴している

子犬のように、思考、感情が動き回る
そのままに遊ばせておく

ことばを探し、表現し、交換する
それぞれの作業スペースは保たれている

開口部にあつらえられたアトリエ
そこにたたずみ、迎え入れる

ふくらみ、ゆとり、奥ゆき、やわらぎ
第三領域、勝手にそう名づけてみる

どう呼んでもいい、お気に召すままに

エールの交換がそこで可能になる
展開本質を生きあうことができる
そんな領域があると信じあえたらいい

 

 

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「展開域」20231223

2023-12-23 | Weblog

                                                                       [FULL] Naruto ED 2 -『Harumonia』- Original/English (youtube.com)

 

 


 光が生まれ 闇が生まれた
 二つは一つ
      (RYTHEM「ハルモニア」)

    *

妄想、それでいい
たっぷり使いましょう

人間だけに許された特別のエリアがある

正気と狂気、この境界を溶かして
未踏のエリア、無明の圏域へ抜ける

「全集中」(竈門炭治郎)

それもいいけれど別のやりかたもある
すべてのリンクを外すようにね

「全脱力」

重力をしばりを無力化して涯まで行く
かぎりなくルートは開かれている

使わないでどうするのですか
帰り道を気にしないでね

世界視線の照射が及ばない
未規定、不確実のシグナルが瞬く
創発だけが現象する広大な展開域へ

この世にはなやぎを導くふるさとがある
この時空をたずさえ十全に行使して生きる

「ステキ」

そうつぶやくにちがいない繊細で少し野蛮なひとがいた
いまもそうして生きているならうれしい

 

 

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「サークルゲーム」20231222

2023-12-22 | Weblog

 

 

すべてはお仲間限定のことばだったのですね
サークルゲーム内の表出と考えればすべて了解可能です

(ゲームを盛り上げることばの洗練が主題になる)

はじめからおわりまでそこにはいなかったけれど
もうちょっと何かあるのかなと思ってましたけれど
身勝手なないものねだりにすぎませんでした

いつか「手慣れている」とか、そんな云い方で文章を纏められたとき
ほんとうはすみやかに最初に気づくべきでした
おのれに引きつけ過ぎてかんちがいしていたアンポンです

求心性のわきあいあい、楽しくすごす親和の引力圏

じつは、それってほんとうは好きではありません
それ自体がどうのこうのというのではなくてですね
むしろ、こどもにとってはなくてはならないもの
人生のはじまりに深く体験として刻むべき大切な地平にちがいありません

ただ、おとなとしてのわたくしにとって、という意味においては別の意味をもちます
圏外へ向かう野蛮さ、いい加減さがどこにも見当たらない完結性はとてもマズイ
結局、確定された真理・正義・理想・ほんとうの中心に世界を配置することになる
そのことが好きではないこと以上にきわめてマズイことだ
そのようにいつもそう考えて生きているアンポンがいるということです

(自明性の破れ、という素敵なことばもあります)

ガキのころからずっとずっとそうなのでした
それは、一番そうしたくないことの内なる世界代表です

どう、いいでしょ、仲間にならない?
(万が一、そう問われたら恐縮ながら躊躇いなくパスです)

ほんとにほんとに身勝手なかんちがい野郎だと思います
おっしゃるとおりのままです、だれのせいでもありません
いまごろになってやっとのことですけれど
おつむが足りないドアホがようやく気づいたことです

信じてもらえないかもしれませんが
基本的にひとの生き方に文句を垂れる趣味はありません
ただひとつ、それが誰かの不幸を踏み台にしないかぎりね

文句をつける筋合いはどこにも、微塵もありません
ひととひとが仲良く幸せに暮らすことそれ自体にどんな否定もいりません
ちゃちゃを入れたり、皮肉を投げることにどんな意味もありません
つまり、そのことがほかの誰かの不幸を導かないかぎりそれは善です

名残りを惜しむ時間はありませんが、あらためてかんちがい野郎のひと言だけ
本当にありがとうございました

 

 

 

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「月のうさぎ」20231222

2023-12-22 | Weblog

 

                                                                          【ASMR・本人生歌】月のウサギ-RYTHEM (youtube.com)

 

 

ことばを紡ぐ以前に深く交わりながら
いつかどこかで合流する場所がある
そういう直観のなかにありながら

追い越していくリアルに席を譲る

列車の窓の外に背中だけが見える
手を振る以外ない、そんなことがある

はかり知れない感情の乱流

引き返せない地点を過ぎて、あらためて
いまここの出来事として深く教えてもらった

しかしそれでおしまいではない

     * 

かたちなく意味に染まり
いつも情動に濡れている

せき止められない世界の訪れ

ことばはとどくことができない
とどきたい心がそうつぶやく

ひとりの月
ひとりの空

先回りできない
底知れないいざない

心は泡立ち
光が駆け出し 
月と空を照らす

俺たちは世界に魅入られている

世界の何に?
わからない

ここにない 
どこにもない
 
うしなったものではない
はじめから手もとにはない

たとえば?

ふたりの月
ふたりの空

たずねられたら
そう答えることがあるかもしれない

けれど、そう答えた途端に
そうではないものが動いていく

かたちを定めることができない
ただそうとしかいえない

問いの方向を修正したほうがいいな
ことばの用法をまちがえないように

「なに?」と問えばかたちが定まってしまう

有形のものには有形を
無形のものには無形を

なに、ではなく

かたちのないものへ
なぜ、俺たちは唇を向けるのか

この問いになら答えることができる
そして、その本質は取り出すことはできる

俺たちはかたちあるものに
かたちないものを重ねている

世界はかたちのないものに溶けている
かたちのないものは汲み尽くせない

取り出すことができるのは
ただそれをそれとして生きる
俺たちの心のかたちだけだ

かたちのないものにかたちを与えようとする
そのたえざる試行──
それが俺たちの生の波形をつくっていく

たえざる試行
つねに未決の波形を描いていくもの

すべては心の泡立ちを起源として
世界に魅入られ、さまざまな試行へ向かう

なぜか?
答えは、そう生きることを心が望むから

(それ以上の答えはない)

どこへ向かうのか未規定だ、そして
この試行にピリオドを打つことはできない

心に決めておくべきことがある

この試行にピリオドが打たれないために
俺たちの生の本質を決して見失わないために

ただ一つのことだ

どんな思考においても、どんなふるまいにおいても
最終解、確定項から逆算して出力される世界記述
俺たちの試行を殺すこの経路を完全に断っておこう

俺たちはそうしてはじめて
未決の合流地点へ向かうことができる

抽象的?
観念的?

そう云わないほうがいい
俺たちはあまりにも具象の世界にたぶらかされている

 

 

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「Ceasefire──停戦命令」 20231221 20230408

2023-12-21 | Weblog

                                                                                                      (青木繁「海の幸」アーティゾン美術館蔵)

 

 


「愛がなければ通り過ぎよ」(ニーチェ)

すべてこの格率どおりに生きることはできない
通り過ぎれない状況、通り過ぎれない関係
のっぴきならない生活世界に生きている

見渡すまでもなく逃れようのない状況がひしめいている
生かすちからと滅ぼすちからとせめぎあっている

せめぎあい、駆り立てられ、焦燥し、動き回りながら
四六時中、〝決済〟を求める怒号に呑み込まれる

勝つか負けるか、生きるか死ぬか
ひと皮めくれば獰猛さを競いあうゲームのなかにいる

ずっとそれでやってきた
いまも歴史を駆動する中心にあるものだ
このことは明晰に認識したほうがいい

そのうえで、通り過ぎれない心が自らに告げる

この状況に〝人間の知恵〟を連結しなければならない
状況の本質をえぐり出して修正の方角を定めなければならない

現実を受けいれ耐えること
示され与えられ強いられる状況の渦中にあって
あきらめて歯を食いしばって生きる

この既定のルートにはどんな救いもない
生も死も、正義も悪も、愛も憎も
すべてはゲームプランの内側で進行する

享楽と荒廃のカップリング
全体収支は荒廃へ向かっている

たくさんのものがこぼれ落ちていく
不幸を加算しつづけるゲーム展開がある

そうではなく

生きるに値しないものを生きるに値するものに変換する
現実は甘くないに決まっている
甘くないものを甘いものに作り変えていく

愛がなければそのまま通り過ぎればいい
通り過ぎれない心がみずからに告げる

「ceasefire」(一人の哲学者はエポケーと呼んだ)

みずからに向かって停戦命令を下す
そうしてはじめて気づくことができる
ゲームが教えない未踏の展開ルートがある

どんなにすさんだ風が吹き荒れても
すさみをすさみとして感じる心がいる

そうではなく生き、生きあいたい

そう感じる心が生きる場所がどこにもいなければ
のっぺらぼうのまま既読のルートを歩むほかない

この明晰な了解と覚悟において
感じる心に思考し生きる値するスペースをあつらえる
そうしてはじめて人間の知恵が芽吹く地平が確保される

状況がけっして教えない合流点をつくることはできる
ちょっと道草しようか、俺はいつでもオーケーだ

 

 

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