Creative thought must always contain a randam component.(Bateson)
新しい秩序の生成には、ランダムな動き、いまだコミットしていない
代替群（エントロピー）の卓越が必要だ、というものである。
生物が新しい突然変異を集めるのはランダムな世界からであり、
ストカスティックな［試行錯誤による］学習が
解を集めるのもランダムな世界からである。
これ以上の文化の可能性が尽きた生態学的飽和をもって
進化は終局相を迎える。学習は精神の飽和へと至る。
いかなるシステムも（コンピュータも有機体も）内部に
何らかのランダム源を抱えていなければ、
これまでとは違う新たなものを生み出すことはできない。
コンピュータでは、乱数発生の機能がこのランダム源にあたる。
コンピュータに、検索その他の〝試行錯誤的〟な動きがとれるのは、
乱数を活用して、集合内のすべての可能性に当たっているからである。
──G.ベイトソン『精神と自然』佐藤良明訳
