他者としての自己──
世界の姿を告げる唯一の装置、自己
この他者に媒介されて世界は姿を現わす
ここから出て行く
ここから入ってくる
ただ一つのエントランス
すべてが経由するターミナル
出入りのたびにスイッチが入る
手に負えないシグナルが明滅する
かなしい
うれしい
たのしい
くるしい
手に負えないものを手に負えるものにしたい
手に負えるものにするように〝橋〟を架ける
どこに?
内なる他者へ差し向けるまなざし、ブリッジすることば
すなわち対話の位相、自己の内なる「共生関係」(アレント)
最初の他者、自己との共生関係が世界経験の原型をつくり
ここから、あらゆる関係を方向づけるように動いていく
世界経験のレッスン・ワン──
世界はこの共生関係と相関して姿を変幻させる
(サンプリング)
もっとも対峙するに値する人間の発見者、早熟の天才
「ぼくは一人の他者です」(アルチュール・ランボー)
ラディカルに方法化された文学的アバンギャルド
「おまえの敵はおまえだ」(石川淳)
もう少し洗練された自然体、21世紀的展開
「自分をサンプルと考えています」(大谷翔平)
「個」と「社会体」をブリッジする原基的起点
「思考=一者にして二者 two in one」(ハンナ・アレント)
自我の展開本質、絶えざる記述とその刷新可能性
「自己意識の無限性、すなわち対象記述の無限性」(ヘーゲル)
人間的生の関係本質が導く第三の記述領域(世界)の生成的本質
「And relationship is always a product of double description」(Bateson)
生の気圏、全域を照らす青い照明光としての覚悟と展開(宮沢賢治)、
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です