脱自的な錬金術によってバランスする存在の形式──
全知、真理、客観、理想理念、最高善、絶対の正義、全体、神格。
あらゆる心的な経験の最上位に位置づけられ、
生の意味と価値を確定する観念の諸形式、いわば〝純金〟の観念の生成。
どんな批判も寄せ付けない超越項を分泌する人間的生の生理。
あらゆる個別の論理を劣位に従える(と信じられた)無謬的権威を帯びた「超越項」。
自然界に存在しない〝純金〟の生成を信じる観念の錬金術には、
人間という特殊な生の形式が要請する実践的な動機が秘められている。
あらゆるエラー、試行錯誤、学習と変化から無縁である(と信じられた)「全体包括的概念群」。
それらは厳格な因果的記述命題に従うクリスタルのように完結している。
第二法則的メタファーを用いれば、
つねにエントロピーの増大に晒されている(熱的死へ向かう)とも言える。
「関係のゲーム」における出来事として現象する。
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実存の未決性──〝ゆらぎ〟という本質的特性。
ためらい、迷い、とまどい、躊躇、はにかみ、はじらい。
存在を確定する記述命題からはみ出し、あふれ、こぼれ出る〝未決のゆらぎ〟。
つねに因果的な記述とすれちがう実存の本質的形式。
あるいは、生命/非生命をわける決定的な特性。
この領域でのみ現象する不連続な変化がある。
因-果の線形的記述に従わない現象、創発する〝意味と価値〟。
相即する新たなフォーメーションの可能性(存在可能)。
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「神の不在と空白」を埋めるように生成する「超越項」。
そのことの意味を、「関係のゲーム」の可能性という観点から、実存の本質から照らしだすこと。