宮城の農業普及現地活動情報

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いちごのクラウン温度制御技術成績検討会を開催

2011年02月22日 09時02分20秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

 栗原耕英地区の有限会社ファーム千葉において実施してきた,いちごのクラウン温度制御技術の現地実証試験の成績検討会を2月15日に開催しました。この試験はファーム千葉,JA栗っこ,農業・園芸総合研究所,栗原農業改良普及センターで構成する栗原地域農業研究・普及協議会が事業主体となり,平成21年度から2年間にわたり実施したものです。

 最初に農業・園芸総合研究所の担当者から試験成績について説明があり,その後に意見交換が行われました。平成22年は猛暑に見舞われましたが,温度制御を行ったハウスでは株元冷却による効果が顕著に表れ,夏場の花芽形成の安定化により特に9月から11月の収量が大きく増加しました。最終的な商品果収量も慣行ハウスの約1.8倍と目覚ましい成果となりました。一方,課題としては冷却チューブ周辺の結露により灰色かび病が出やすくなる傾向があるので,その防除対策を徹底する必要があります。また,最大の課題は10a当たり300万円近く要する温度制御設備の導入コストです。地下水の利用や設備の簡素化によってコストを下げられる可能性はあるので,その手法が今後の普及の鍵となりそうです。

 なお,本技術の現地実証試験については,協議会の事業として次年度も継続することとなりました。この技術は夏秋いちごの株元冷却に留まらず,促成いちごの保温にも活用できる可能性があり,普及センターでは引き続き導入効果の検証や技術のPRを進めていきます。

<連絡先>

宮城県栗原農業改良普及センター 先進技術班

TEL0228-22-9437       FAX0228-22-6144

 

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