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ニュージーランドが含まれている地域「ポリネシア」の伝統的なタトゥー

2022年10月06日 | 国際交流員から

キアオラ!(マオリ語で「こんにちは!」)
ニュージーランド(以下NZ)出身の国際交流員、トレースです。

南太平洋の方々の伝統的なタトゥー、見たことがありますか?あの強いラグビーチームの「オールブラックス」のラグビー選手たちや、ディズニー映画「モアナ」に出てくるキャラクターでよく見る、そう、それです!今回のブログでは、ポリネシアの伝統的なタトゥー(「tattoo」)です。

jeanfrancois beausejour from cannes, france, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

伝統的なタトゥーが入っている「オールブラックス」
(NZ代表のラグビーチーム)の選手たち
(jeanfrancois beausejour from cannes, france, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

「ポリネシア」とは、南太平洋の様々な島国がある地域です。その地域にはNZや、ハワイ、サモアなどおよそ1000以上の島が含まれています。NZはその中では一番大きい島国で、他の島から移民が多いです。島によって、それぞれ異なった先住民の文化がありますが、似たような部分もあります。ポリネシアの先住民のことは、まとめて「ポリネシアン」、または「パシフィカ」と呼ばれます。NZ先住民のマオリ族の文化をポリネシア全体と比べてみると、言葉や神話などの共通点がたくさんあります。

Map of Polynesia, Oceania, Hobe / Holger Behr
ポリネシアの地図

共通点の一つに伝統的なタトゥーの文化があります。マオリ語では「Tā Moko(タ・モコ)」と呼ばれます。サモア語やトンガ語で「Tatau(タ・トウー)」と呼ばれ、それを聞いたイギリス人が「Tattoo(タトゥー)」と呼び始め、その言い方が世界に広がりました。

伝統的なタトゥーのデザインはひとつひとつ異なります。パターンや、身体に入れる位置まで、それぞれ深い意味があります。例えば、身体の上半身が「天国」を表し、下半身が「地」、背中が「過去」、胸や腹が「将来」などです。その理由の一つは昔のポリネシアでは文字で書くより絵や口伝えで歴史を語った社会だったからです。何より、聖なるものとして世代を超えて受け継がれてきました。

伝統的な入れ方で使われる道具は骨で作られて、激しく痛みますが、その痛みを耐えることも成長の試練として見られます。現在はタトゥーガンが一般的ですが、今でも伝統的な方法で入れることもあります。

NZ Government Tourist Department (Wellington) :Portrait of unidentified Maori man

Tohunga tattooing a Maori woman
左:1880年代、マオリ人の男性の伝統的なタトゥー

右:1910年代、伝統的な道具でマオリ人の女性の顎にタトゥーを入れている
(左:New Zealand. Tourism Department. NZ Government Tourist Department (Wellington) :Portrait of unidentified Maori man. Ref: PA2-1204. Alexander Turnbull Library, Wellington, New Zealand. /records/23018565 , 右:Tohunga tattooing a Maori woman. Evening post (Newspaper. 1865-2002) :Photographic negatives and prints of the Evening Post newspaper. Ref: 1/4-021668-F. Alexander Turnbull Library, Wellington, New Zealand. /records/22741414 )

イギリスから人が来る前までは、ポリネシア社会ではタトゥーを入れていない人の方が少なく、2千年以上の歴史があるそうです。しかし現在の社会では、タトゥーには「危ない」とか「怖い」イメージをもたれることが多くあって、NZにもあります。

多くのポリネシア人の願いとは、伝統的なタトゥーを一般的なタトゥーと一緒にせずに、大事な文化の一つとして認めて欲しいということです。私もそう思います。その願いを込めて、伝統的なタトゥーが先住民の文化とともに復活するシンボルになっていて、受け入れが増えているように見えます。特にマオリ族の「Moko Kauae(モコ・カウアエ)」(女性の顎にある伝統的なタトゥー)は特徴的で、最近では有名な政治家やニュースキャスターがそれを入れてきました。

Profile photo of Hon Nanaia Mahuta - Labour candidate for Hauraki-Waikato in the 2020 New Zealand Election
顎に伝統的なタトゥーが入っているNZでの初めての
政治家「Nanaia Mahuta(ナナイア・マフータ)氏」
(New Zealand Labour Party., CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

一つ注意してほしい点がありますが、それはポリネシアの伝統的なタトゥーを真似しないでほしいです。上記のように、非常に大切な文化で、ポリネシア人以外の人が真似するのは、悪いことだと見られています。説明するとかなり難しいですが、ポリネシア人にとって、伝統的なタトゥーとは今まで経験された差別を乗り越え、祖先の霊を偲ぶものだからです。真似するより、ポリネシア人と相談したり応援したり、文化を学んでくれたらとても嬉しいです!

最後に、サモア人の友達の伝統的なタトゥーの意味について聞きましたので、読んでください。

「タトゥー全体で様々なことを表しています。自分の文化を守り続けることや、サモアの家庭で育って学んだ原則に従って生きることなどです。
大きな輪(A)が兄弟や家族、手首に近い輪(B)が母を示します。家族としていろんな目に遭い、特に母が家族のために払った犠牲が多くありました。腕を見ることで、私のルーツや、ここまで支えてくれた人々をいつでも思い出せます。」




それを聞いて、このブログで私が伝えたかった思いをまとめくれたように感じました。これからポリネシアの文化をもっと学びながら、皆さんに広げられるように頑張っていきます!ちなみに、先ほどのオールブラックス(NZ代表のラグビーチーム)対日本代表のチームの試合が今月29日、東京でありますので、興味があれば見に行ってください!多くのオールブラックスのメンバーが伝統的なタトゥーを入れている姿が見られます。試合を楽しむのはもちろんのこと、伝統的なタトゥーの歴史や意味を少しでも感じてくれたら嬉しいです!

他のブログに興味があれば、右上の「国際交流員から」のボタンを押すと、国際交流員の2人の毎月のブログが見られます。読んでくれたら嬉しいです!前NZから来たベラさんもマオリの神話について書いていましたので、是非読んでみてください!

それでは、カ・キテ!(マオリ語で「またね!」)


< なるほど、タトゥーは元々ポリネシアの言葉だモミ~!


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