小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『彼女の血が溶けてゆく』浦賀和宏

2013年05月28日 | ミステリ感想
~あらすじ~
新米ライターの銀次郎は、離婚した元妻で医師の聡美が引き起こした医療ミス事件の真相を探ることに。
患者の女性は、自然と血が溶ける溶血を発症、治療の甲斐なく原因不明のまま死亡していた。
血を溶かした原因は医師にあるのか、それとも患者にあるのか。真相を追う銀次郎は、裏に隠された秘密を暴いて行くうちに、信じがたい事実にたどり着く。

~感想~
デビュー作から長期継続中の「安藤直樹シリーズ」や一気に完結させた「松浦純菜シリーズ」ではぶっ飛んだSF設定を持ち込んだり、筆が暴走気味の作者だが、ノンシリーズでは正統派の良作をいくつもものしている。
今作は実に10年ぶりのノンシリーズ作品で、医学用語が飛び交う序盤を乗り切れば、地道な取材の過程で次々と浮かび上がる秘密によって二転三転する物語に引き込まれることだろう。
昨今流行の(完全ネタバレのため反転→)黒幕による操りの構図が明らかになる真相、そして全てを失いつつも希望を感じさせるラストまで実にそつなくも巧く、一発ネタやSF要素だけではない俺達の浦賀和宏の実力がいかんなく発揮されている。

世間が一般的にイメージするだろう(と言うほど売れてないのだが)浦賀作品とは一線を画すかなり地味なストーリー展開ながら、意外な事実とどんでん返しを積み重ねる手法で読み応え十分。ろくに文庫化されないことに定評のある浦賀作品の入門編としておすすめしやすい一作である。
『彼女は存在しない』がじわじわ売れている効果か、ノンシリーズだけだがようやく今年になってちらほら文庫化され始めたので、まさかのブレイクが来るか。俺達ファンはもう諦めてるけど。


13.5.26
評価:★★★☆ 7
コメント

今週のNXT #169

2013年05月27日 | 今週のNXT
ナタリヤ ×-○ サマー・レイ
(スクールガール)

ナタリヤはプロレス界に名高いハート一族の一人、ジム・ナイドハートの娘。笑うとパパ似。
団体屈指の技術を持つが台本に恵まれず、誰かと恋愛ストーリーが描かれてはいつの間にかボツにされたり、近年ではところかまわず放屁をするというあんまりなキャラ付けまでされた。それでも退団しない鉄のハートの持ち主である。
サマーはいちおう一軍に上がったが、単体ではなく猛プッシュ中のファンダンゴの相方どまり。それでも売り出し中には違いなく、今のナタリヤには勝ててしまう。
試合終盤、ナタリヤがシャープシューター(サソリ固め。ハート一族伝統の必殺技)を狙うも、ペイジが出てきて介入する前にサマーが自力で技を解き、ナタリヤはペイジと衝突。その隙を突いてサマーが丸め込んだ。ペイジとサマーの抗争を続けたいのはわかるがもうちょっと工夫して欲しい。


ブレイ・ワイアット ○-× ダニー・バーチ
(パーフェクトショット)

ワイアットはマスク(といっても鼻の防護用のような)を着けて登場し「マスク着けたからオレ人間じゃないし。怪物だし」と飛躍した論理を口にするが、それなら白無地のマスクじゃなくてもうちょい特徴的なのを選ぼうよ。下手に特徴をつけるとマンカインドになるけど。
ロンドン出身のバーチはこれがデビュー戦。しかし何もできないままワイアットに一方的にボコられて終了。ワイアットの決め技は今週は普通のパーフェクトショットに見えた。


コナー・オブライエン ○-× サカモト&ブライリー・ピアース
(Wフラップジャック)

先週のオブライエンの乱入を受けて1対2のハンディ戦。もちろんオブライエンが一方的にボコる展開。
オブライエンはNXTが若手育成リアリティ・ショーだった頃からの常連で、怪奇派に転向し一軍昇格目前だったものの、相棒がウェルネス・ポリシー(WWE独自の薬物使用規定)違反で解雇され、二軍に留まっている。体格に恵まれているし、動ける巨漢なのでがんばって欲しいものだ。
アメリカで最も手軽に客席を盛り上げられるはずの逆水平チョップを出しても無反応のサカモトは解雇もむべなるかな。
最後はオブライエンが二人同時にフラップジャックで沈めてみせた。試合後、勝ち誇るオブライエンを、ゴーグルをぶら下げた謎の男が見つめていたが新しい相方だろうか。グランマスタ・セクセイとかぶったりしないだろうか。


NXT王座戦
ビッグ・E・ラングストン ○-× ダミアン・サンドウ
(ビッグ・エンディング)防衛成功

一軍では無口なヒール役のラングストンだが、NXTでは歓声を浴びるベビーフェイスで、サンドウのようなわかりやすいヒールと絡ませると良い味を出す。
観客にもフィニッシャーが定着しており、またボディスラムの体勢から簡単に移行できる技なので、それをめぐる攻防も盛り上げやすい。
試合も力で押し切るラングストンと、オーソドックスながらそつなく誰にでも合わせられるサンドウの相性は良く、好試合となった。
すでに一軍昇格したラングストンにとって、もはや足枷にしかならないベルトは近いうちに手放すことになるだろうが、今回はまだその時ではなかっただけと言ったところか。
コメント

2008私的このミスベスト20

2013年05月21日 | ミステリ私的ランキング
01.道尾秀介 カラスの親指  ★★★★★ 10
02.伊坂幸太郎 ゴールデンスランバー  ★★★★★ 10
03.辻村深月 名前探しの放課後  ★★★★★ 10
04.牧薩次 完全恋愛  ★★★★★ 10
05.三津田信三 山魔の如き嗤うもの  ★★★★☆ 9
06.東野圭吾 聖女の救済  ★★★★☆ 9
07.湊かなえ 告白  ★★★★☆ 9
08.道尾秀介 ラットマン  ★★★★☆ 9
09.飛鳥部勝則 堕天使拷問刑  ★★★★ 8
10.詠坂雄二 遠海事件  ★★★★ 8
11.多島斗志之 黒百合  ★★★★ 8
12.連城三紀彦 造花の蜜  ★★★★ 8
13.初野晴 1/2の騎士
14.佐々木譲 警官の紋章  ★★★★ 8
15.輪渡颯介 掘割で笑う女  ★★★★ 8
16.東川篤哉 もう誘拐なんてしない  ★★★★ 8
17.七河迦南 七つの海を照らす星  ★★★★ 8
18.初野晴 退出ゲーム  ★★★☆ 7
19.小島正樹 十三回忌  ★★★☆ 7
20.愛川晶 芝浜謎噺  ★★★☆ 7
コメント

2007私的このミスベスト20

2013年05月20日 | ミステリ私的ランキング
01.有栖川有栖 女王国の城  ★★★★★ 10
02.辻村深月 スロウハイツの神様  ★★★★★ 10
03.石崎幸二 首鳴き鬼の島  ★★★★★ 10
04.三津田信三 首無の如き祟るもの  ★★★★★ 10
05.京極夏彦 前巷説百物語  ★★★★☆ 9
06.佐々木譲 警官の血  ★★★★☆ 9
07.桜庭一樹 赤朽葉家の伝説  ★★★★☆ 9
08.道尾秀介 ソロモンの犬  ★★★★ 8
09.歌野晶午 舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵  ★★★★ 8
10.倉阪鬼一郎 四神金赤館銀青館不可能殺人  ★★★★ 8
11.今野敏 果断 隠蔽捜査2  ★★★★ 8
12.島田荘司 最後の一球  ★★★★ 8
13.島田荘司 リベルタスの寓話  ★★★☆ 7
14.近藤史恵 サクリファイス  ★★★☆ 7
15.柳広司 漱石先生の事件簿  ★★★☆ 7
16.米澤穂信 インシテミル  ★★★☆ 7
17.海堂尊 ジェネラル・ルージュの凱旋  ★★★☆ 7
18.宮部みゆき 楽園  ★★★☆ 7
19.海堂尊 螺鈿迷宮  ★★★☆ 7
コメント

今週のNXT #168

2013年05月19日 | 今週のNXT
バロン・コービン ×-○ ダミアン・サンドウ
(クロスアームボトム)

サンドウは二軍の牢名主として計7~8年二軍暮らしを続け、一軍昇格→二軍降格→解雇→再契約→解雇→再契約の末にようやく一軍でブレイクした苦労人。
知の救世主を名乗り難解なトークと蛍光色のパンツを愛する嫌われ者で、苦労人だけに地味に上手い。
対するコービンはこれがデビュー戦。元NFLだそうで体格はまあまあいい。
でも解説のリーガル卿「コービンはこんな大観衆の前で戦うのも初めてだろう」ってこれ大学の体育館なんですけど。さすがにこの程度の観衆の前なら経験あるだろ……。
WWEの解説は何かにつけ「こんな恐ろしい(人・光景・出来事は)見たことがありません!」と大袈裟に言うのだが。と思っていると、いつもと違うフィニッシャーで決着。同系の技をフィニッシャーにしていたリーガル卿に遠慮したのか。以前は普通にいつもの技で決めていたし、二軍で違う技を試しただけだろうな。


ペイジ ○-× ベイリー
(ペイジ・ターナー)

白くてエロいペイジとなんか老けてるベイリーの一戦。
たぶん未勝利のベイリーは今回もサクッとやられたが、そんなことよりも問題は実況。どう見てもフィッシャーマンズスープレックスなのに「ペイジ・ターナーが炸裂です!」って。
ドSのリーガル卿も困って「見事なフィッシャーマンだった」とその件に触れないでいてあげてたぞ。だからお前は二軍なんだよ!


サカモト △-△ ブライリー・ピアース
(コナー・オブライエン乱入によりノーコンテスト)

サカモトはKAIENTAI-DOJOにいたKAZMA。渡米後すぐに一軍昇格したもののテンサイ(ジャイアント・バーナード)のマネージャー役で、一試合もしないまま二軍落ち。
そして先日には解雇されてしまった。撮り溜めされているNXTではもうしばらく勇姿が見られるだろう。
対するピアースは現世界王者ドルフ・ジグラーの弟。しかしこちらもサカモトと同時に解雇されている。なんだこのネタ試合は。
しかも結果は開始から2分弱でオブライエンが殴り込んできて、二人を一蹴してノーコンテスト。WWEではよくあることだが、後の解雇を暗示しているような扱いだった。
それにしてもサカモトの紹介で出てきた「彼は少年野球の逢阪と同じ東京出身です」の逢阪君って誰だろう。


カシアス・オーノ ○-× カマーチョ
(カシアス・クラッチ)

オーノはクリス・ヒーローの名で活躍したキャリア15年の試合巧者。大の日本びいきでヒーロー時代は日本語ブログまで手がけており、オーノの名も「大野」という日本名にちなんでいる。リーガル卿と抗争したりと期待されていて、何事もなければ一軍に上がるだろう。
一方のカマーチョはいちおう一軍だけど出てくるのはNXTばかり。試合もしょっぱく「二世レスラーでなかったら」「一軍の人数が多かったら」「数年前までのWWEだったら」のいずれかの要素が揃っていたらとっくに解雇されていたろう。
今回も一軍選手なのにオーノが入場した時にはもうリングに上ってて名前だけ紹介されるジョバー(やられ役)扱い。っていうかいまだにお前の必殺技がなんなのかもわからないのだが。
あと実況「カマーチョは貧困時代を忘れないためにタンクトップを着ています」って稲葉さんディスってんの?
こんなに長時間カマーチョを見たのは初めての気がする意外と長い試合の末に、オーノがたたみかけて勝利した。


NXTタッグ王座戦
エイドリアン・ネヴィル&ボー・ダラス ×-○ ルーク・ハーパー&エリック・ローワン
(ハーパーのローリングクローズライン)防衛失敗

ネヴィルの相方で本来のタッグ王者はオリバー・グレイなのだが死ぬほど地味だったため無かったことにされ故障中で、ダラスが代役で出場。
スピードとテクニックのある王者組と、巨漢のパワータイプの挑戦者組という良い顔合わせ。
大先輩のオーノのフィニッシャーを前半の痛め技でパクるあたりダラスはロッカールームでも嫌われてるんだろうな。
巨漢タッグがどちらもでかいだけではなく普通にプロレスできる人なので内容もまずまず。中盤にやること全部やってネヴィルがリタイアし、ダラスが3人くらいの女に声援を浴びながら反撃。ローワンとダラスがたがいの必殺技を雑にキックアウトし合って、残っていたハーパーが蹴りを付けた。
というわけでベルトは巨漢組(チーム名はワイアット・ファミリー)の手に。チーム・リーダーのブレイ・ワイアットがプッシュされているし、貴重な動ける巨漢ヒールのタッグなのでここらでタイトルを渡すのも妥当ではなかろうか。
コメント

2006私的このミスベスト20

2013年05月18日 | ミステリ私的ランキング
01.辻村深月 凍りのくじら  ★★★★★ 10
02.道尾秀介 シャドウ  ★★★★★ 10
03.道尾秀介 骸の爪  ★★★★★ 10
04.三津田信三 厭魅の如き憑くもの  ★★★★☆ 9
05.佐々木譲 制服捜査  ★★★★☆ 9
06.鯨統一郎 パラドックス学園  ★★★★ 8
07.海堂尊 チーム・バチスタの栄光  ★★★★ 8
08.島田荘司 帝都衛星軌道  ★★★★ 8
09.宮部みゆき 名もなき毒  ★★★★ 8
10.蒼井上鷹 二枚舌は極楽へ行く  ★★★★ 8
11.法月綸太郎 怪盗グリフィン、絶体絶命  ★★★☆ 7
12.西尾維新 DEATH NOTE ANOTHER NOTE  ★★★☆ 7
13.道尾秀介 向日葵の咲かない夏  ★★★☆ 7
14.島田荘司 犬坊里美の冒険  ★★★☆ 7
15.海堂尊 ナイチンゲールの沈黙  ★★★☆ 7
16.東野圭吾 赤い指  ★★★☆ 7
17.島田荘司 UFO大通り  ★★★☆ 7
18.石持浅海 顔のない敵  ★★★☆ 7
19.米澤穂信 ボトルネック  ★★★☆ 7
20.佐々木譲 警察庁から来た男  ★★★☆ 7
コメント

2005私的このミスベスト20

2013年05月17日 | ミステリ私的ランキング
01.東川篤哉 交換殺人には向かない夜  ★★★★☆ 9
02.辻村深月 子どもたちは夜と遊ぶ  ★★★★☆ 9
03.北山猛邦 『ギロチン城』殺人事件  ★★★★ 8
04.道尾秀介 背の眼  ★★★★ 8
05.東川篤哉 館島  ★★★★ 8
06.ジャック・カーリイ 百番目の男  ★★★★ 8
07.飛鳥部勝則 誰のための綾織  ★★★☆ 7
08.霞流一 羊の秘  ★★★☆ 7
09.佐々木俊介 模造殺人事件  ★★★☆ 7
10.米澤穂信 クドリャフカの順番  ★★★☆ 7
11.米澤穂信 春期限定いちごタルト事件  ★★★☆ 7
12.佐々木譲 わらう警官  ★★★☆ 7
13.今野敏 隠蔽捜査  ★★★☆ 7
14.島田荘司 摩天楼の怪人  ★★★☆ 7
15.米澤穂信 犬はどこだ  ★★★☆ 7
16.東野圭吾 容疑者Xの献身  ★★★☆ 7
17.浦賀和宏 火事と密室と、雨男のものがたり  ★★★☆ 7
18.光原百合 最後の願い  ★★★☆ 7
19.泡坂妻夫 蚊取湖殺人事件  ★★★☆ 7
コメント

2004私的このミスベスト20

2013年05月16日 | ミステリ私的ランキング
01.乾くるみ イニシエーション・ラブ  ★★★★★ 10
02.辻村深月 冷たい校舎の時は止まる  ★★★★★ 10
03.麻耶雄嵩   ★★★★☆ 9
04.石持浅海 水の迷宮  ★★★★☆ 9
05.麻耶雄嵩 名探偵木更津悠也  ★★★★☆ 9
06.綾辻行人 暗黒館の殺人  ★★★★☆ 9
07.乾くるみ リピート  ★★★★☆ 9
08.島田荘司 龍臥亭幻想  ★★★★☆ 9
09.西尾維新 きみとぼくの壊れた世界  ★★★★ 8
10.京極夏彦 百器徒然袋-風  ★★★★ 8
11.芦辺拓 紅楼夢の殺人  ★★★★ 8
12.伊坂幸太郎 チルドレン  ★★★★ 8
13.伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー  ★★★☆ 7
14.法月綸太郎 生首に聞いてみろ  ★★★★ 8
15.伯方雪日 誰もわたしを倒せない  ★★★☆ 7
16.大山誠一郎 アルファベット・パズラーズ  ★★★☆ 7
17.横山秀夫 看守眼  ★★★☆ 7
18.伊坂幸太郎 グラスホッパー  ★★★☆ 7
19.西尾維新 零崎双識の人間試験  ★★★☆ 7
20.貴志祐介 硝子のハンマー  ★★★☆ 7
コメント

ミステリ感想-『昨日まで不思議の校舎』似鳥鶏

2013年05月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
超自然現象研究会が特集した市立七不思議。
その一つ、「カシマレイコ」が校内放送で呼び出された。
後を追うように「口裂け女」、「トイレの花子さん」まで姿を現した!?
調査を進める葉山たちは、七不思議のうち実現した3つが「市立三怪」と呼ばれていたことを突き止め……。

~感想~
個人的にひいきにしているシリーズの第五弾。だがちょっとこちらの期待が大きすぎた。
前作「いわゆる天使の文化祭」がシリーズとしての面白さはもちろん、ミステリとしても素晴らしかっただけに、どちらの面でも明らかに見劣りしてしまう。
まずトリックは言われてみれば当然の、しかしどうしても小粒な物の寄せ集めで、とても長編を支えられる強度はない。
「市立三怪」の謎が解かれ、後に残された「不思議」はどう考えてもミステリを離れ、ホラーの範疇に収まっていくのは意表を突かれたが、それ以上の効果は挙げられなかった。
もともと笛を吹けば現れるどこかの安楽椅子探偵のように超然としていた探偵役の伊神さんが、ますます人外の境地に立ち入りつつあるのは面白かったが。

そうなると青春学園物としての一面も持つこのシリーズだけに、表紙でヒロイン顔負けのかわいさを見せるMMK(モテてモテて困っちゃう)葉山君の動向や柳瀬さんとの仲の進展に目が向くが、MMK葉山君の快進撃はもう次回作では人妻や実妹あたりも籠絡するんじゃないかというくらいのToLOVEるっぷりで、留まるところを知らないものの、柳瀬さん絡みでは……などとネタを割ってもしかたないので、そのあたりは実際に読んでいただきたい。

なお書き遅れたがデビュー作「理由あって冬に出る」のネタバレがあるので未読の方は要注意。
デビュー作まで取り込んで綺麗に幕を下ろしてしまい、ひょっとして最終回ではと危ぶんだが、例によって必要以上に熱気あふれたあとがきで、はっきりとシリーズ続行を明言してくれたので一安心。
次回作での巻き返しを期待したい。


13.5.14
評価:★★★ 6
コメント (2)

2003私的このミスベスト20

2013年05月14日 | ミステリ私的ランキング
01.福井晴敏 終戦のローレライ  ★★★★★ 10
02.歌野晶午 葉桜の季節に君を想うということ  ★★★★★ 10
03.横山秀夫 クライマーズ・ハイ  ★★★★★ 10
04.島田荘司 ネジ式ザゼツキー  ★★★★★ 10
05.横山秀夫 第三の時効  ★★★★★ 10
06.舞城王太郎 九十九十九  ★★★★★ 10?
07.歌野晶午 家守  ★★★★☆ 9
08.西尾維新 サイコロジカル  ★★★★ 8
09.島田荘司 吉敷竹史の肖像  ★★★★ 8
10.島田荘司 上高地の切り裂きジャック  ★★★★ 8
11.加納朋子 コッペリア  ★★★★ 8
12.浦賀和宏 透明人間  ★★★☆ 7
13.折原一 模倣密室  ★★★☆ 7
14.西澤保彦 神のロジック 人間のマジック  ★★★☆ 7
15.浦賀和宏 ファントムの夜明け  ★★★☆ 7
16.東川篤哉 完全犯罪に猫は何匹必要か?  ★★★☆ 7
17.三津田信三 百蛇堂  ★★★☆ 7
18.横山秀夫 真相  ★★★☆ 7
19.黒田研二 クレイジー・クレーマー  ★★★☆ 7
20.乾くるみ 林真紅郎と五つの謎  ★★★☆ 7
コメント