小金沢ライブラリー

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いらすとやミステリ表紙当てクイズ-3 答え

2007年10月21日 | ミステリ界隈
第十一問




第十二問

 


第十三問

 


第十四問

 


第十五問

 
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いらすとやミステリ表紙当てクイズ-2 答え

2007年10月20日 | ミステリ界隈
それぞれこのミステリのタイトルは?

第五問




第六問




第七問

 


第八問

 


第九問




第十問

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このミス08 傾向と対策

2007年10月20日 | ミステリ界隈
今年も「このミス」の時期が迫ってきたので、対象となる昨年11月から今年10月までのミステリ業界の話題をざっと振り返ってみましょう。


~~06年11月~~

◆講談社BOX創刊
丸1年が経とうとしている今でも「ボッタクリレーベル」としか思えないのはどういうことか。
どうも最近は「西尾維新を骨までしゃぶりつくそうレーベル」「西尾維新で稼げるだけ稼いどこうレーベル」になってきた気もするが。

◆柄刀一『時を巡る肖像』
本格ミステリ大賞候補。

◆島田荘司『最後の一球』
そういえば御手洗シリーズ。


~~06年12月~~

◆桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
日本推理作家協会賞を受賞。吉川英治文学新人賞、直木賞の候補にもなった。


~~07年1月~~

◆歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り』

◆辻村深月『スロウ・ハイツの神様』

◆伊園旬『ブレイクスルー・トライアル』
このミス大賞。

◆北村薫『ひとがた流し』
直木賞候補。


~~07年2月~~

特になし


~~07年3月~~

◆吉川英治文学賞
宮部みゆき『名もなき毒』
獲れる賞は獲りつくしたかと思ったが、まだ残っていた。

◆理論社ミステリーYA!創刊

◆海野碧『水上のパッサカリア』
ミステリー文学大賞新人賞。

◆佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』
三島由紀夫賞。


~~07年4月~~

◆深水黎一郎『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』
メフィスト賞。

◆今野敏『果断 隠蔽捜査2』

◆京極夏彦『前巷説百物語』

◆戸板康二 中村雅楽シリーズ刊行開始


~~07年5月~~

◆本格ミステリ大賞 道尾秀介『シャドウ』
他の候補は 石持浅海『顔のない敵』・京極夏彦『邪魅の雫』・鳥飼否宇『樹霊』・柄刀一『時を巡る肖像』


~~07年6月~~

◆大村友貴美『首挽村の殺人』・桂美人『ロスト・チャイルド』
横溝正史賞。


~~07年7月~~

◆西澤保彦『収穫祭』

◆柄刀一『密室キングダム』

◆石崎幸二『首鳴き鬼の島』


~~07年8月~~

◆宮部みゆき『楽園』
模倣犯の続編。

◆講談社ノベルス復刊シリーズ スタート

◆曽根圭介『沈底魚』
江戸川乱歩賞。

◆詠坂雄二『リロ・グラ・シスタ』
カッパワン登龍門。

◆米澤穂信『インシテミル』


~~07年9月~~

◆有栖川有栖『女王国の城』

◆佐々木譲『警官の血』


~~07年10月~~

◆島田荘司『リベルタスの寓話』

◆山口芳宏『雲上都市の冒険』
鮎川哲也賞
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いらすとやミステリ表紙当てクイズ 答え

2007年10月19日 | ミステリ界隈
それぞれこのミステリのタイトルは?

第一問

  



第二問

  



第三問

  



第四問

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ミステリ感想-『不気味で素朴な囲われた世界』西尾維新

2007年10月16日 | ミステリ感想
~あらすじ~
退屈な“日常”はいらない。 欲しいのは、“異常”――。時計塔が修理されない上総園学園の2学期の音楽室。そこから始まった病院坂迷路と串中弔士の関係。歪な均衡を保つ学園の奇人三人衆、串中小串、童野黒理、崖村牢弥。そして起こってしまった殺人事件。迷路と弔士による探偵ごっこの犯人捜しが始まり、崩れたバランスがさらに崩れていく……。これぞ世界に囲われた「きみとぼく」のための本格ミステリ。
※コピペ


~感想~
維新節とでもいうべき軽妙な会話。ぶっ飛んだキャラ造型。独自の世界観。
それらのおかげで作品としては成立しているが、ミステリに関してはもう、維新は枯れたと結論づけてしまっていいだろう。

トリック・動機・真相・ミスディレクション、全てが予想の範疇にとどまり、驚ける部分がない。ことに『クビシメロマンチスト』や前作『きみとぼくの壊れた世界』であれだけ見せてくれた、裏で進行している異常を日常で覆い隠す腕が、完全に衰えている。同じことをやっているだけになおさら劣化が強調されてしまった。
少しネタバレすると、流行りの「操りの犯罪」なのだが、ただ「実は操ってました」「実は黒幕でした」というだけで、黒幕が「具体的になにを仕掛けたのか」「どう操ったのか」がさっぱり見えてこない。
これでは普通にライトノベルを書いて、後付けで裏設定を足したのと大差ない。

果たされることのなかった維新は、ただただ風化していくのみ。とにかく残念である。


07.10.14
評価:★☆ 3
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ミステリ感想-『リベルタスの寓話』島田荘司

2007年10月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
民族紛争の深い傷痕が残るボスニア・ヘルツェゴビナで、心臓以外の臓器をすべてガラクタと入れ替えられた惨殺死体が発見された。
事件は中世の自由都市を救った機械人間「リベルタス」と奇妙な暗合を見せ……。(リベルタスの寓話)

クロアチアから日本を訪れた二人の俳人が奇妙な死を遂げた。一人は金庫のような密室でピラニアに顔と手を食われ絶命、もう一人は車にひかれ爆死。
捜査を依頼された石岡和巳はスウェーデンの御手洗潔に助けを求めるが……。(クロアチア人の手)


~感想~
御大の提唱する「21世紀本格」の模範を御大自らの手で示した中編が2本。どちらも無理なく長編にできるのに、分量を濃縮しての大盤振る舞い。贅沢な望みだが、大長編でじっくりと書き上げてくれても面白かったろうに。
トリックはぶっちゃけると「こんな科学反応があります」系の、難しい言葉でいうと二階堂黎人・藤木稟的トリックなのだが、単なる物理化学の応用授業ではなく、調理の仕方で平易かつ興趣深く読ませてくれる。よく考えると、氏の持ち味のひとつは豪快な物理トリックであり、それに21世紀の現実的な解釈や最新知識を加えたのだから、やっていることは同じだともいえる。
なによりも語りの巧みさは言うまでもなく、『リベルタスの寓話』では、事件現場で手掛かりを探している時、中世の物語とつながる物品が出てきて、いよいよ寓話と現代がつながると盛り上がった瞬間に、御手洗がそんなものに全く取り合わず、なんの手掛かりにもなりそうもない、ただの軽口の中から決定的な証拠を見つけるあたりなど、実に巧い。
21世紀本格、21世紀御手洗の電話探偵ぶりと、21世紀島田荘司の魅力が凝縮された秀作集である。


07.10.14
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『留美のために』倉阪鬼一郎

2007年10月13日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大学のサークル「アルゴークラブ」は、赤田留美、羽根木透という二人の死者を出して、活動に幕を下ろす。
その最後の会合は、羽根木の遺稿「紅玉の祈り」の朗読会となった。羽根木の赤田への思いが描かれているようなのだが、実はそこに二人の死にまつわる「重要な真実」が記されているのだという。メンバーは遺稿に秘められた「それ」に気づくのだが…。


~感想~
ひさびさにメタらしいメタミステリに出会った。
それこそ全ページにわたって張りめぐらされた伏線の山、虚実を取り込み巻き込んで、地平の彼方へと飛んでいくメタ仕掛け。受け付けない人は全く受け付けないだろう。
いわゆるフィニッシング・ストローク(最後の一撃)にもできただろうトリックだが、よりメタを深める方向へと行ったのは、幻想・ホラーでもならす作者ならではというところか。
ここのところ精力的に新作を連発しているが、これも倉阪鬼一郎にしか書きえない異色作である。


07.10.9
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『心臓と左手』石持浅海

2007年10月05日 | ミステリ感想
~収録作品~
貧者の軍隊
心臓と左手
罠の名前
水際で防ぐ
地下のビール工場
沖縄心中
再会


~感想~
『月の扉』の続編、だが大きなネタバレはしていないので前作を読んでいなくても問題はない。
いわゆる倉知淳『猫丸先輩シリーズ』のような、探偵が聞いた謎を元に推論を語るという趣向だが、目新しいのは、事件はその時点で全て終わっているという点。既に閉じられている物語を開き直し、新たなる解釈を加えて再び閉じる、という大技である。が、それにいまいち乗りきれない。
なぜ楽しめないのか、その理由は末尾の『再会』で解った。
(↓以下ややネタバレ↓)
『再会』は『月の扉』の後日談であり、ハイジャック事件の被害者の家族が、事件を解決した探偵役である座間味くんを「あなたが立ち上がったせいで、立ち上がれなかった人々は劣等感を抱いた」というあんまりな理由で告発するという、すでにその時点でかなりイタイ話なのだが、それに応じる座間味くんがもう最低。
名探偵のジレンマに悩むでもなく「あなたの話にはおかしな点がある」と淡々と告発の矛盾をつきやがるのだ。反省しろ謝罪しろとは言わないが、この冷徹な視点はいったいなんなのだろうか。しかも座間味くんは結論として、苦しむ被害者の父親をおとしめ、さらには直接触れることなく母親をもおとしめてしまう。「父親は責任転嫁している」というが、そういう座間味くん自体が責任転嫁の権化に見えてしまうのだ。なのになのに被害者はそんな座間味くんの論理に救われてしまうというあんまりな大団円を迎えるのだからもうたまらない。お前ら全員そろってアレか!


この不快感はただごとではない。狙ってやっているとしたら作者は天才である。ここまで端的に言ってむかついた小説も珍しい。
僕にはもはや座間味くんのセリフはニュータイプ優生論を語るシャアのそれとして響いた。誰かアムロの声で一喝してくれ。

「シャア(座間味)! 人を測るな!!」

って。


07.10.5
評価:★☆ 3
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