~あらすじ~
開いたばかりの探偵事務所に舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして──犬捜し専門(希望)25歳の私立探偵、最初の事件。
~感想~
米澤穂信が正面から探偵を描いた作品。
軽妙な描写と魅力あふれるキャラはさすがラノベ出身。軽妙なパートを本当に軽妙に描ける作家はそうはいない。
一見なんのつながりもない二つの依頼が微妙に交錯し、たがいがたがいの伏線として機能し始め、期待通りにつながっていく終盤までの盛り上げ方が見事。
……が、結末がちょっといただけない。導かれた真相は面白いのに、着地した地点がそれはちょっとと戸惑うところ。このあたり傑作になりそこねた「インシテミル」と同じ、ベタを嫌った(?)余計なねじれを感じてしまう。だがこのねじれこそが、作者の魅力ともとれるのだから始末に悪い。
ともあれどうやらシリーズ化するようなので、次回が楽しみである。
09.2.18
評価:★★★☆ 7
開いたばかりの探偵事務所に舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして──犬捜し専門(希望)25歳の私立探偵、最初の事件。
~感想~
米澤穂信が正面から探偵を描いた作品。
軽妙な描写と魅力あふれるキャラはさすがラノベ出身。軽妙なパートを本当に軽妙に描ける作家はそうはいない。
一見なんのつながりもない二つの依頼が微妙に交錯し、たがいがたがいの伏線として機能し始め、期待通りにつながっていく終盤までの盛り上げ方が見事。
……が、結末がちょっといただけない。導かれた真相は面白いのに、着地した地点がそれはちょっとと戸惑うところ。このあたり傑作になりそこねた「インシテミル」と同じ、ベタを嫌った(?)余計なねじれを感じてしまう。だがこのねじれこそが、作者の魅力ともとれるのだから始末に悪い。
ともあれどうやらシリーズ化するようなので、次回が楽しみである。
09.2.18
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