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ミステリ感想-『四神金赤館銀青館不可能殺人』倉阪鬼一郎

2007年07月13日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「殺してやる。みんな殺してやる」館にこだまする女の怨言。2つの館が凄惨な連続殺人の舞台に。花輪家が所有する銀青館に招待されたミステリー作家屋形。嵐の夜、館主の部屋で起きた密室殺人、さらに連鎖する不可能殺人。対岸の四神家の金赤館では、女の「殺して!」という絶叫を合図に凄惨な連続殺人の幕が切って落される。両家の忌まわしい因縁が呼ぶ新たなる悲劇!鬼才が送る、驚天動地のトリック。
※コピペ


~感想~
袋小路と笑わば笑え。これも新本格だ!

↑は主人公のミステリ作家のセリフだが、この言葉が今作を最も良く表している。
この作家は「実は館ではなく潜水艦だった」というバカミスを書いているのだが、今作のトリックはそれをも上回るバカ……もとい大トリック。
短い分量ながらほとんど全編にわたって伏線が仕掛けられ、前述のバカ大トリックに、無意味な情熱を注いだ言葉遊び、さらに真相が明かされるや爆笑してしまったモノローグと盛りだくさんの内容。ネタとしか思えない著者近影といい、笑って読むのが正しい姿勢だろう。
いわゆる「バカミス」なのだが(だからこそか?)隅から隅まで手間をかけ、本格への愛を込めた傑作である。


07.7.11
評価:★★★★ 8

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