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ミステリ感想-『火事と密室と、雨男のものがたり』浦賀和宏

2018年11月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
前作の事件から2ヶ月。八木剛士の通う学校で首吊り死体が発見される。
折しも町内では不審火が頻発しており、不思議な事件を追う松浦純菜は、火災に奇妙な共通点を見出す。

松浦純菜シリーズ第2弾。


~感想~
すげえ面白い。だが陰キャたちの心の叫びと痛々しさは半端なく、人によってはシャレにならないダメージを負うので取扱い注意。図太いおっさんになると酒の肴みたいなもので楽しく読めるのだが。
ミステリ的な面に目を向けると、前作ほど物語全体に張られたような伏線のキレは無いものの、前作ではほとんど意味のなかった時系列の組み換えが功を奏し、特殊設定ミステリとしての一面も顔を出してうれしい限り。最後のオチも決まっている。
シリーズはまだ7冊+αもあるのだが、この先も同程度のクオリティを期待しちゃってもいいのだろうか? 仮にミステリ的に駄目になって行っても、八木の心の叫びや物語自体の行く先が非常に興味深く、食わず嫌いだったのがもったいなく思えてきた。今の年齢だからこそ楽しめているのは確かなのだが。


18.11.7
評価:★★★☆ 7

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