小金沢ライブラリー

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オカルト三国志  巨大な宝石が現れる 1

2019年03月31日 | オカルト三国志
「魏氏春秋」に曰く。
235年、涼州張掖郡刪丹の金山にある川があふれ、中から3.86m×4.12mもの巨大な宝石が現れた。
宝石には7頭の白馬が彫られ、うち1頭に仙人がまたがり5頭は作りかけだった。
前方には「玉」と書かれた箱が置かれ、麒麟が東、鳳凰が南、白虎が西、生贄の牛が北に彫られていた。そして南に「上上三天王」の五文字と、「述大金、大いに曹を討ち、金は但だ之を取る。金は中に立ち、大金馬一匹中に在りて、大吉開寿、此馬は甲寅述水」という予言めいた言葉が書かれ、八卦や星座、彗星を描いたと思われる意匠もあった。
「世説新語」には鶏も描かれていたという。

(ちくま版1巻256P)
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ミステリ感想-『大聖堂の殺人』周木律

2019年03月30日 | ミステリ感想
~あらすじ~
宮司百合子と善知鳥神は、藤衛との対決のため全ての始まりの地である大聖堂へ赴く。
かつて藤衛が不可能殺人を犯した地で、再び惨劇の幕が開く。

堂シリーズ第7弾・完結編。


~感想~
超面白かった。が、小説としてとか、ミステリとして、ではなくツッコミどころが多すぎて矢野龍王的な超面白さだったので取扱い要注意。ツッコミのほとんどはラスボスで「藤天皇」の異名を取る世界一の数学者・藤衛に集まる。
(↓以下ネタバレ↓)

読めばわかるが数学者というかゴリゴリの体育会系で、知的な犯罪は全くできず、御年93とは思えない驚異的な体力で不可能を可能にするのでイメージは完全に黄忠。たぶん本業よりジムに通ってる時間のほうが多いはず。
そもそも本当に世界一の数学者なのかも不明で「リーマン予想を20年前に解いたキリッ」とのたまうがその証明は全くせず解けたと主張するだけで、「諸君はまだ解けないのかね?ニヤニヤ」と凡人を馬鹿にする一方で、解けそうな若手を殺して地位を守るというやってることは超小物で、数学者よりも話術に自信ニキにしか見えないのがネック。
またある事件で20年も収監されていたのだが、その間ずっと思索に勤しんでいたと「襤褸を纏えど心は錦」みたいなことをのたまうが、20年も超偉い数学者が臭い飯食って一斉に風呂に入り軽作業していたと考えると失笑物であり小物感はますます拭えない。そのやられ様もものすごい小物っぷりなので必見である。

藤天皇(笑)のことばかり話しているが、ストーリーも色々と雑で、被害者たちは石崎幸二マジリスペクトでレミングスのように淡々と殺されていき、そういえば孤島だし、例のトリックも少しだけ入っており、女子高生3人組と冴えない顧問がいないのが不思議なほど。いちおう理由はあるものの警戒心ゼロで殺されていく被害者はもちろん、他のメンバーもぼんやりしてるうちに被害者を増やしているので双方に問題がある。
トリックは超大掛かりだけどすげえどうでもいい奴と、十角館の殺人マジリスペクトな仕掛けが組み合わさったもので、沼四郎が関わっていないのだから当然ながら、せっかく天元突破なテッペリン城みたいなドリル形状の堂なのに一切回らないのも残念。

最後は館もろとも孤島が爆発炎上するのはもちろんのこと、マジで一行たりとも伏線はおろか説明無しで急に善知鳥神が不治の病(?)で倒れたり、十和田がリーマン予想が解けそうだからと孤島と運命をともにする怒涛のテンプレ展開なのだが、十和田が島に残る理由が「島の緯度と経度にヒントがある」と言い、それって帰ってググればわかりますよね?と読者を混乱に陥れる。
そしてラストは楽屋落ちに楽屋落ちを重ねるというメフィスト賞でもやらなかった前代未聞の構成で、解説を編集者が担当しむっちゃ褒めちぎるというマッチポンプにも程がある黒歴史を堂々と示し、あんなツッコミどころ満載のシリーズを天才数学者が描いていたというありえない設定に震えを禁じ得ない。
というか堂シリーズはこの編集者のせいで森博嗣になれなかったのだと確信に至った。


というわけで矢野龍王に勝るとも劣らないツッコミどころの山のおかげで非常に楽しく読めたし、シリーズをここまで追ってきたファンなら必読だが、改めて取り扱いは要注意だと言っておきたい。


19.3.27
評価:★★★ 6
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オカルト三国志  生き返った殉死者

2019年03月28日 | オカルト三国志
「啓蒙注」に曰く。
千年ほど前の(?)周王の墳墓を暴くと、女性の殉死者が一緒に埋葬されていた。
数日後、彼女は息を吹き返し、数ヶ月後には話せるようになった。
年の頃は20歳ほどで、都に送り届けると郭太后(かくたいこう)は彼女を気に入り養った。10年ほど後に太后が亡くなると、彼女は悲嘆に泣き暮れ、1年余りで後を追うように亡くなったという。

(ちくま版1巻251P)
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オカルト三国志  棺の中で30年生きた女

2019年03月27日 | オカルト三国志
「傅子」に曰く。
并州太原郡で墓を暴き棺を壊すと、中から生きた女性が出てきた。
なぜ棺の中にいたのか尋ねたが何も覚えておらず、墓の上に植えられた樹はゆうに30年ほど樹齢を重ねていた。
女は棺の中で30年生きていたのか、それとも墓を暴いた時にちょうど蘇生したのか、誰にもわからない。

(ちくま版1巻243P)
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オカルト三国志  350歳の男

2019年03月26日 | オカルト三国志
「三国志正史」に記されたオカルト話を紹介していきます。

・350歳の男

「世説新語」に曰く。
并州刺史の畢軌(ひつき)は鮮卑族の奴隷を得た。彼は300年ほど昔の、前漢の范明友(はんめいゆう)に仕えていたと言い、年齢は350歳だった。
しかし言葉遣いや飲み食いの量は現代人と変わらなかった。
彼は前漢の霍顕(かくけん)は霍光(かくこう)の妾から後妻になり、前妻の娘が范明友の妻になったのだと、誰も知らない人間関係を語ったという。

(ちくま版1巻243P)
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SCP-1751~1760

2019年03月23日 | SCP紹介
SCP-1751 - Event Perception
未翻訳

SCP-1752 - Helpline
未翻訳

SCP-1753 - Vertigo (めまい)
ヨセミテ国立公園のエル・キャピタンを描いた油絵。岩壁に書かれた"空を飛ぶ時"("time to fly")という言葉を読み、理解した人物は強いめまいを感じる。12~14時間後、その人物はあらゆる下りの段差を2000mの絶壁として知覚し、下ろうとすると実際に2000mの高度から飛び降りた時と同様の挙動を示す。ベースジャンプの装備をしていると無事に着地出来る

SCP-1754 - Unskulling Skull (頭蓋骨を抜く髑髏)
中心に人間の髑髏が備え付けられた石灰質の非知性体。付属肢の先端に付いた蟹の鋏で車輪を回して移動する。頭蓋骨は煙管をくわえており、1.5時間ごとに白煙を吐き、脊椎動物を包み込み頭蓋骨を抜き取る。髑髏は1960年代に生きていた男性と思われる声で一方的にしゃべるが、会話は成立せず知性は無いと思われる

SCP-1755 - Cotton Blight (綿花虫害)
細い繊維に似た蠕虫。主に綿で作られた衣服に曝されると、糸を食べるごとに同量の個体を生み出す。2週間で繊維を全てこの蠕虫に置き換え、3ヶ月の休眠を経て死亡し、衣服(に見える蠕虫の集合体)は崩壊する。また435~520キロヘルツの音も結合を解き崩壊させる。シェフィールド大学で発見され、ある学生が作成したと自首し、その目的を音波で狙った女子大生を裸にするためと語った

SCP-1756 - At the Movies (アット・ザ・ムービー)
DVDプレイヤー。再生するとアメリカの映画批評テレビ番組「Siskel and Ebert At the Movies」の形式で、記録内容を批評する。ゲームソフトや音楽CD、小説のテキスト等なんでも映画として捉える

SCP-1757 - Recorded Curio (記録された好奇心)
VHSテープ。濃いアイライナーを引いた男性の映像が96分12秒記録されており、その男性やテープの起源に好奇心を抱くと、男性が視聴者を認識し反応し始める。やがて尾行されている感覚を覚え、テープに執着し、ついには何者かによって身体を切り刻まれ死亡する

SCP-1758 - O Mio Babbino Caro
未翻訳

SCP-1759 - "Lovely Lucy" (「ラブリー・ルーシー」)
1942年型の爆撃機。機体の左側面に描かれ「ラブリー・ルーシー」と記された女性のイラストに触れた人物は操縦することを求める。知識や経験がなくとも基本的な操縦技術が身につき、飛行中はルーシーと呼ぶ見えない女性と会話をする。32km飛行すると引き返すが、操縦者はいつの間にか機銃掃射を浴びて死亡している

SCP-1760 - Casket Garden (棺の庭)
ベラルーシ共和国ミンスク郊外の森林地帯で毎年11月15日の午後に地面から現れる15基の棺。内部には防腐処理を施されたばかりの死体が入っており、5日後に棺は埋没し中の死体は消失する。棺を領域外に出すと異常性は失われ新たな棺が現れ、死体は急速に腐敗する。死体に発信機を付けて棺に戻すと、埋没後に国内のいずれかの死体に発信機は移動する。また6年ごとにこのSCPの成立に関わったと思われる人物の棺が1基だけ現れ、中身は調べるたびに異なる
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SCP-1741~1750

2019年03月22日 | SCP紹介
SCP-1741 - A Boat Ride (貸しボート)
ルイジアナ州の貸しボート屋。管理人に3ドル払うと破損していた貸しボートが修復され、異次元の異常な島々へ渡れる

SCP-1742 - A Squalid Development (発育する不潔)
伝染する汚れ。土や油、糞便等で構成され、触れた物体に急速に拡散する。生物に付着したものは洗い落とせるが、無生物に付着すれば決して除去出来ない。例えばこの汚れをタオルで拭くとタオルが汚染され、それを洗濯すると周囲の洗い物はおろか洗濯機まで汚染される

SCP-1743 - A Situation Comedy
未翻訳

SCP-1744 - Shell Secrets (貝殻の秘密)
ある浅い池。定期的にアメリカフクロガイの貝殻が現れ、自然と粉々に砕け散る。その際に何者かの話し声が聴こえ、聴いた者になんらかの心理的な影響を与えると考えられる

SCP-1745 - Phantom Helicopter (幻影のヘリコプター)
実体を持たないソ連製のヘリコプター。人工的な無線通信に引き付けられ、半径300m以内の電子機器を故障させる。もし収容に失敗すればテクノロジー崩壊による世界終焉の危険すらある。元々はホタルのような姿だったが、ヘリで移送中に墜落し、現在の姿になったと思われる

SCP-1746 - Anomalous Weather Pattern (異常気象パターン)
落雷やハリケーンを伴う異常な程に強力な嵐。破壊的な被害をもたらすがある特定の状況を再現することで消滅させられる。その手順は服装から所持品、行動まで細かく指定され非常に複雑だが、偶然テレビ撮影されていたため、正確に再現出来た。財団は嵐の発生に備えいつでも再現出来るように人員を待機させている

SCP-1747 - The Shovel
未翻訳

SCP-1748 - The Dragon's Legacy (ドラゴンの置土産)
ゲオルギー・スヴィリードフ作曲の「冬の道」の音声記録に現れる現象。曲の1:56~1:59の部分を聴く人数が一定以下になると次の再生時に音量が4~7%強化される。強化されるごとに必要人数は増えて行き、258.23dBを超えると世界人口を上回るため世界終焉に至ると推測される

SCP-1749 - Trans-American Murder Messengers (殺人メッセンジャー全米を駆ける)
コントロールパッド。メッセージを入力し送信すると、全米各地に拳銃と自殺用カプセルを所持したメッセンジャーが出現し、近くの人物を射殺し即座に自殺する。出現地点を線で繋ぐとメッセージが浮かび上がる

SCP-1750 - Jurassic Park (ジュラシック駐車)
石油動力の乗り物が自発的に動き始める現象。ワニや鳥に類似した行動をし、燃料切れで停止する。除霊も有効なため、石油に動物霊が取り憑いたと推測される
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今週のキン肉マン #278 神々の遊び!!

2019年03月18日 | 今週のキン肉マン
・モンスターエンジンじゃないかw
・確かに知性の神にはモンスターエンジンのコントの神感ある
・↓アリステラさんが説明されずに察したこと↓
・なんかフェニックスが異常に隙だらけだけど攻撃しないほうが良さそう
・俺には見えないし聞こえないけど知性の神が来てる
・知性の神が力を貸してやろうと言ってる
・たぶんフェニックスは受け入れる
・受け入れた
・1億パワーを取り戻した

・察しの良すぎるアリステラ
・インテリジェンスモンスターパワークラッシュwwwww
・技名から知性が感じられない
・知性の神を名乗ってるのに超人強度にしかブーストかかってない
・チチチと指を振り余裕の解説からのフォゴボは笑うわww
・マリポーサはもともと飛翔だしゼブラもたぶん技巧派、ストロングマンは言うまでもないしソルジャーマンもたぶん残虐
・邪悪の神々って全員パワー上げるだけで、知性の(強い超人に憑依する)神って意味なのか
・そう考えると強力の神を名乗っておいて他4柱と同じパワーのあいつなんなの?
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ミステリ感想-『魔眼の匣の殺人』今村昌弘

2019年03月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
紫湛荘の事件から数ヶ月、新たにつかんだ斑目機関の情報を探るため、剣崎比留子と葉村譲は、研究所があったという山奥の村へ。
そこでは予知能力を持つ巫女サキミが村人から恐れられており、折しも「男女2人ずつが死ぬ」という予言を出したところだった。


~感想~
デビュー作「屍人荘の殺人」は、「容疑者Xの献身」以来の三冠馬として、たった一作しか無いのに漫画化・実写映画化と過剰に持ち上げられ、本作も数ヶ月前からあらすじと書影が公開されと、ものすごいプレッシャーが掛かっていたが、冗長な面や荒い点もあるにせよ、前作よりはるかに良く出来ているし、期待通りに前作のような特殊設定も上手く活かしてくれた。ゾンビに目を付けただけの一発屋の可能性も少しは危惧していたので、この普通に良く出来た、いやさ非常に良く出来た、早くもランキング上位は確実と思える堂々たる本格ミステリぶりには恐れ入った。

そして内容よりも気になったのが、いろいろ話題になったとはいえ、こんなごくごく普通の(特殊設定が絡んではいるが)超が付くほど正統派の本格ミステリがあっという間に10数万部も売れ、一般層にそんなに受け入れられるなら、本格ミステリの未来は明るいという希望が抱けた。一般層に受け入れられたのがうれしいのではない。良い作家がちゃんと儲かる未来が見えたのがうれしいのだ。

破格のデビュー作一冊限りで力を使い果たした作家も多い中、二作目できちんと前作を超え、何よりこの王道を歩み、そこに特殊設定を上手いこと織り交ぜた、端正なTHE・本格ミステリを見る限り、作者にはもうなんの心配もいるまい。
出版社は久々の大型新人として持ち上げたいのはわかるが、あまり余計なことはせず粛々と見守ってもらいたい。


19.3.11
評価:★★★★☆ 9
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今週のキン肉マン #277 埋めきれない差!!

2019年03月11日 | 今週のキン肉マン
・アリステラは一回決まった技を連発する癖がある
・そしてことごとく返される癖もある
・マッスルリベンジャーのセットアップは無印の方がかっこよかった
・回想含めて何回ちんぐり返しされてんだよアリステラは
・オメガハンドがあればたいていの落下技を阻止できる(2回目)
・オメガハンドで固定してのショルダーネックブリーカーかっこいい
・弟はこんなに優れたハンドをカタストロフドロップの固定くらいにしか使ってなかった気が
・兄より優れた弟など存在しない!
・リベンジャーさえ決まれば勝てるというフェニックスの判断も大概だけどな
・知性の神来ちゃった
・1億パワーを受け入れるわけがない。そんなふうに考えていた時期が俺にもありました
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