小金沢ライブラリー

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今週のキン肉マン #348 知性の復讐!!

2021年05月31日 | 今週のキン肉マン
・マッスル・リベンジャー普通に炸裂!
・だがまさかのダイヤモンドパワー
・ダイヤモンドパワーまで使えるのかよ
・特に頭の硬さを誇ってないイデアマンが使えるなら、角の丈夫さを誇ってたバイコーンさんの立場ないじゃん
・それよりシルバーマンがビーム撃ってくるから早く逃げて
・三大奥義が完璧に決まったのでダメージ無くはない
・ノトーリアス冷静すぎる
・どこが狂気なんだお前
・この4人の中で一番狂気から遠いよ
・まだ振り回してもないのにミスミス鳴りかけるのはおかしい
・三半規管へのダメージを多めに配分?
・どうやって??
・ネメシスの「技の沸点を外した」より意味がわからない
・シルバーマン「三半規管へのダメージを重視したなら許すよ」
・ウメーはやめろww
・セイウチンみたいな牙でウメーは別の意味を持ちすぎる
・単行本では修正されてたウメーウメーに作者自ら突っ込むなww
・これも単行本で修正される天丼ボケ?
・ウメーウメーやった後に冷静にタッチを拒否
・絶対キャラ作ってるだろノトーリアス
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ミステリ感想-『僕の殺人』太田忠司

2021年05月29日 | ミステリ感想
~あらすじ~
山本裕司は幼い頃に母が父を植物状態にした上で自殺したという凄惨な事件で記憶を無くし、叔父一家の養子として引き取られた。
中学生に成長した彼の前に現れた、フリーライターを名乗る男は事件の真相は違うと言い、こう問いかける。
「山本裕司君。君はいったい誰なんだ?」

本格ベスト100 97位

~感想~
1987年の綾辻行人のデビューから始まったいわゆる「新本格ミステリ派」真っ只中の1990年にデビューしておきながら、不思議と新本格派として扱われることの少ない太田忠司のデビュー作。
そういえば2017年に新本格ミステリ30周年を記念して講談社ノベルスから出されたアンソロジー「7人の名探偵」に書き下ろした7人には新本格オリジナル・セブンという謎のパワーワードを冠されていたが、91年デビューの麻耶雄嵩が入る一方で、太田忠司や斎藤肇(88年デビュー)がハブられていた。二人ともその講談社ノベルスから新本格派の触れ込みで出版されたのに。

しかし本作は冒頭から「僕はこの事件の犠牲者であり、加害者であり、探偵であり、証人であり、またトリックでもあった」という趣向が明かされるザ・新本格ミステリと呼ぶほかない意欲作である。
シンプルでわかりやすい謎とストーリー、余計な表現のない筆致、中学生男子の葛藤と、直前に読んだ(自分史上最悪に近い読書体験だった)「屍者の帝国」との落差でもう読みやすいの面白いのなんのって。
トリックはもう一捻りあるかと思ったところでわりとそのまま着地してしまうし、話も一部曖昧になったまま純文学みたいな不透明決着を迎えてしまうが、一人四役+1の趣向は十全に満たしているし、読者の期待に過不足なく応えた佳作と言えるだろう。


21.5.25
評価:★★★ 6
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今週のキン肉マン #347 インテリジェンス・モンスターの真価!!

2021年05月24日 | 今週のキン肉マン
・必殺ツープラトンに普通に耐えてたゴッドセレクテッド
・「何を偉そうに」はフェニックスへのツッコミとして完璧すぎる
・そして次のコマでのツッコミ返しも完璧
・今シリーズは主に技をクリーンヒットさせない方にしか使われてない知性
・本家ではないとはいえ肉のカーテンがあっさり外される
・インテリジェンス・モンスターか…
・モンスターはよくわかるんだけど
・主にモラルの無さで
・ノトーリアスの牙と爪がお手軽に強すぎる
・ウォーズマンのベアークローなんてめったに機能しないのに
・調子乗ってたイデアマンの隙をつくフェニックス
・これは知性の神に見込まれた超人
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昨年5/20のNXT #563  試合を止めるな!

2021年05月23日 | 今週のNXT
カリオン・クロス ◯-× リアム・グレイ
(胴締めスリーパー)

グレイは未契約。何もできずに投げられ絞められタップした。

試合後、襲撃されたトマソ・チャンパが絡んだ。


暫定クルーザー級王座決定リーグ戦 ブロックB
戸澤陽 ×-◯ エル・イホ・デル・ファンタズマ
(ハリケーンドライバー)

Bブロック代表決定戦。戸澤は2戦2勝だが、ここで負けるとファンタズマが2勝1敗で並び、対戦成績からファンタズマの勝ち抜けとなる。
トップロープ上の攻防からファンタズマに担がれ、そのままターンバックルに落とされた戸澤は腹部に大ダメージ。必殺のダイビングセントーンもダメージから遅れ、命中させるもフォールには至らず。
ファンタズマのハリケーンドライバーをいったんはオクトパスホールド(卍固め)に切り返しかけるが、これもダメージが深く踏ん張れず、投げ切られてしまった。
それにしても無観客戸澤は呼吸音だけでもうるさいww


ミア・イム ◯-× サンタナ・ギャレット
(プロテクト・ヤ・ネック)

サンタナは握手に応じるふりから不意打ちしペースを握りかけるが、ミアはドラゴンスープレックスで投げ飛ばし、あっさり必殺技で仕留めた。

そこへジョニー・ガルガノがキャンディス・レラエとともに絡むが、キース・リーが駆けつけると逃げていった。


デクスター・ルミス ×-◯ ロデリック・ストロング
(ロールアップ)

ルミスの強烈な打撃に苦しみながらもストロングは次々と技を決める。
最後はボストンクラブを見せ玉に、引っくり返して丸め込んだ。
ルミスはストロングを襲おうとしたが、アンディスピューテッド・エラが群がって阻止。だがそこへベルベティーン・ドリームも現れ、エラを蹴散らした。


・戸澤陽も襲われる

ファンタズマを駐車場まで見送り、健闘を称え合っていた戸澤を謎のマスクマン二人が襲撃。ファンタズマが車から降りると逃げていった。


オニー・ローキャン&ダニー・バーチ ◯-× エヴァーライズ(チェイス・パーカー&マット・マーテル)
(ハーフボストンクラブ)

バーチがパーカーを、ローキャンがマーテルを一方的に攻め続け、ほとんど何もさせずローキャンがパーカーをタップさせた。


暫定クルーザー級王座決定リーグ戦 ブロックA
KUSHIDA ×-◯ ドレイク・マーベリック
(ロールアップ)

勝てば決勝進出のKUSHIDAと、負ければWWEでのキャリアが終わるマーベリック。
マーベリックが勝てば決定戦へもつれ込むためジェイク・アトラスが応援に駆けつける。
KUSHIDAが圧倒的に試合を支配し、得意技を次々と決め、ホバーボードロックへの布石として左腕に狙いを定める。
スタンディングのホバーボードロックに捕らえられたマーベリックは「試合を止めるな!」と叫びながら耐え抜き、正調ホバーボードロックも崩して雪崩式のブルドッキングヘッドロックを仕掛けるが、空中で切り返され腕ひしぎ十字固めで落下。だが腕を絞め上げられたままKUSHIDAの両肩をマットに付け、フォールを奪った。

2勝1敗で並んだKUSHIDA、マーベリック、アトラスのによる三つ巴戦でAブロック代表が決まることとなった。


リア・リプリー △-△ 紫雷イオ
(シャーロット・フレアーの乱入によりノーコンテスト)

一回りでかいリアはイオを力ずくで子供のように振り回す。イオはスピードで対抗したいがそれもパワーで引き剥がされ苦戦するが、関節技と空中技に活路を見出す。
だが場外乱闘中に、冷やかしに来ていたシャーロット・フレアーにリアをぶつけてしまい、怒ったシャーロットはブートとスピアーで二人をなぎ倒し、試合をブチ壊してしまった。
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昨年5/13のNXT #562  サッチャー早くもヒールターン

2021年05月22日 | 今週のNXT
NXTタッグ王座戦
マット・リドル&ティモシー・サッチャー ×-◯ インペリウム(ファビアン・アイクナー&マーセル・バーセル)
(パワーボム+フライングアッパーカット)王座奪取

グラウンドで接触しているといつの間にか関節を取られるサッチャーに手を焼き、インペリウムはリドルを孤立させていたぶる。
再三にわたり交代を試みるが必死に阻止されたリドルがバーセルを巴投げすると、エプロンで待つサッチャーに当たってしまい、ブチギレたサッチャーは試合放棄。
本当に孤立したリドルはアイクナーのパワーボムにバーセルのアッパーカットを合わせるツープラトンに沈み、タイトルを失った。

さらにバックステージでリドルはサッチャーに殴りかかり乱闘となった。


ティーガン・ノックス ◯-× インディ・ハートウェル
(シャイニングウィザード)

シングルデビュー戦のオージーのインディは1月のバトルロイヤルでCM中に落とされて以来の登場。
パワーキャラのようだがスワンダイブ式プランチャをチョークスラムで返されお株を奪われ、シャイニングウィザードでとどめを刺された。


暫定クルーザー級王座決定リーグ戦 ブロックA
ジェイク・アトラス ◯-× トニー・ニース
(側転DDT)

2連敗し既に敗退が決まっているニースのモチベーションが危惧されるが、アトラスに挑発されて目を覚まし、ラフファイトでこめかみから流血させる。
アトラスもトップロープに座ったニースを蹴りつける荒業を返し、ニースはターンバックルに頭をぶつけながら落下。アトラスはロープ上を側転しながらDDTに捕らえ2勝目を挙げた。


・DXがNXTに

HHHとショーン・マイケルズが次回NXT特番の宣伝をした。


フィン・ベイラー ×-◯ キャメロン・グライムス
(ダミアン・プリーストが警棒で殴る→ケイヴイン)

グライムスはいつもの開幕ケイヴインを軽くかわされるも、見た目は荒々しいが技を綺麗に決めていく。互いに譲らず場外戦になると、そこへダミアン・プリーストが現れ、リングインしようとするフィンの足を警棒で殴りつける。ふらつくフィンをケイヴインで踏み潰し、グライムスが金星を上げた。

プリーストはフィンをイスの下敷きにしながら挑発し続けた。


暫定クルーザー級王座決定リーグ戦 ブロックB
アイザイア・スコット ×-◯ ジャック・ギャラハー
(ローリングエルボー)

スコットは入場中に脈絡もなくトニー・ニースに襲われ階段に叩きつけられてしまう。
ギャラハーはすかさず串刺しドロップキックで追い打ちするがスコットはロープに逃げる。
次第に回復してきたスコットは反撃するが、ブラックマジックで仕留められず、ギャラハーのローリングエルボーで沈められた。


ケイデン・カーター ◯-× アリーヤ
(裏足四の字固め)

故障したのか今回もヴァネッサ・ボーンは帯同せず。
アリーヤは反則殺法で優位に立つが、ロバート・ストーンが一人で現れて観戦を始めて気を取られる。ストーンに良いところを見せようとしたのか、ムーンサルトプレスに技を変えようとしてケイデンの回復を許し、痛そうな裏足四の字固めでタップさせられた。


マット・リドル ◯-× ティモシー・サッチャー
(ロールアップ)

前半はMMAさながらに立ち技と寝技の応酬を見せ、後半はプロレス技を繰り出し合う。
リドルはフローティングブロを剣山で返され、フジワラアームバーで固められるが、反転して餅つきパワーボムに切り返す。だが怒りの余り突きつけた指先を相棒ピート・ダンのようにつかまれて再び脇固めに捕らえられ、さらにヒールホールドに移行。長時間絞められたが、体勢を入れ替えて両肩をつけてフォールした。

しかしダメージの薄いサッチャーは報復に、放送終了まで脇固めを掛け続けた。
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非ミステリ感想-『屍者の帝国』伊藤計劃・円城塔

2021年05月21日 | ミステリ感想
~あらすじ~
屍者を蘇らせ使役する技術が一般化した19世紀。
医学生のジョン・ワトソンは調査機関の依頼を受け、屍者の帝国を築こうとしているというカラマーゾフを追いアフガニスタンへ渡る。

2012年このミス11位、文春4位、星雲賞、日本SF大賞特別賞、本屋大賞候補

~感想~
伊藤計劃がプロローグと草稿だけを遺して逝去後、同期デビューの芥川賞作家・円城塔が引き継いで完成させた異例の共著。
数多くの賞を射止め、ミステリ界でもこのミス・文春で上位ランクインし、アニメ映画化も果たした。
ワトソンやカラマーゾフの兄弟ら創作のキャラや、実在する歴史上の人物が数多く登場し、しかも史実に沿った物語が描かれ、いわゆる特殊設定ミステリの要素もあるという、今なら青崎有吾「アンデッドガール・マーダーファルス」を思い出させる、どう考えても自分好みの作品だが、作者の文章との相性が極めて悪く、1ミリも楽しむことができなかった。(※なおプロローグは問題なく読めたので主因は円城塔にあると思う)

あえて口の悪い言葉を使うと「スカしてやがる文章」がとにかく鼻についた。
たとえば「脳に記された真理(emeth)の語から先頭のeが拭われ、死(meth)へと書き換えられるまで、屍兵はただ闇雲に命令を遂行し続ける」のような、ゴーレムの倒し方をゴーレムという単語を使わずに用いる、教養のない読者を度外視するような比喩(共通点の多い屍者とゴーレムを並べてるのはわかるしゴーレムの倒し方も知ってるがとにかく鼻につく)や、ほんの10ページ足らずの間に「シラノ・ド・ベルジュラックが『月世界旅行記』の中で月の民衆に与えた身振り言語」だの「サウルが千を打つなら、ダビデは万を打つと言うだけ」だの「オノレ・フラゴナールの皮剥ぎ解剖学教本よろしく」だの聞いたこともない作家・学者の著作からの引用が次から次へと現れ、何度も何度も「誰の何!?」とやけくそでツッコみ続けた。
素朴な疑問なのだがこういう衒学の雨あられを楽しめる層は、「知らない引用だ!調べよう!」なのか「んほぉ~この衒学たまんねえ~」なのか、ただの雰囲気作りとして読み流しているのかどれなのだろう。

相性の悪い文章の韜晦や晦渋、ほのめかしはマジで意味が通じず、わけがわからないまま読み進め、数十ページ経ってようやく内容を理解することもしばしばで、終盤で明かされるある人物の正体も「そもそもこいつがこの時代の人物だと知らない」ため効果は無かった。
自分の思い描く「純文学の嫌いなところ」がそのまま具現化されたような悪夢の文章で、とにかく読むのが苦痛だった。個人的には人生で最悪の一冊に数えられる。
もちろんそれは全責任が自分にあり、これだけ多大な評価を集めているのだから、大半の読者にとっては面白い作品なのだろう。この文章を受け入れられ、物語を十全に楽しめる教養があれば、きっと面白いのだろうとも想像がつく。
なのでこんな罵詈雑言は気にせず、興味があればぜひ読んでいただきたい。

……それにしても、これが楽しめないとなると、ミステリ畑にも大評判が届いていた「三体」も興味があったが高確率で楽しめないんだろうなあ。


21.5.20
評価:なし 0
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ミステリ感想-『落下する緑』田中啓文

2021年05月20日 | ミステリ感想
~あらすじ~
若手サックス奏者の永見緋太郎は、天才肌だが音楽以外に興味がなく常識もない。
だがその飛躍的な発想はしばしば周囲で起こる事件の真相を言い当てる。

2016年このミス14位

~感想~
他ジャンルで活躍する作者がデビュー前に「本格推理」に投稿し、鮎川哲也に称賛された表題作を含む短編集。
作者唯一の(?)本格ミステリというのみならず、ジャズマンの探偵が音楽絡みの日常の謎を解くという、他に類例の無い作品でもある。またほんの一瞬だけ話題をさらった年間ベスト短編集「本格ミステリ06」に「砕け散る褐色」が収録されたため、覚えている読者もいるだろう。自分も読んだし面白かったと感想を書いていたが、内容は完全に忘れていた。

なにぶんジャズ知識が皆無のため、登場人物や曲名のどれがフィクションなのかすらわからないが、読むにあたって支障はない。作者おすすめの曲が豊富に紹介されているので、ジャズ好きならより楽しめるだろう。
ミステリとしての出来は普通に良いが、謎やトリックは一捻りくらいで終わっているため、出題と同時に答えがわかることもしばしば。
永見緋太郎のキャラも、メジャー曲や有名奏者を全然知らない一方でマイナー曲・奏者は知っていることが多いのも謎だが、細かいあげつらいだろう。
ジャズ好きなら迷わず、本格好きなら気軽に珍しいジャンルに触れられる佳作である。


21.5.11
評価:★★★ 6
コメント (2)

今週のキン肉マン #346 王位継承者の一言!!

2021年05月10日 | 今週のキン肉マン
・テーマだったはずのセコンドは重要がここでも
・例によってミートではなくスグルが
・フェニックスの言うことはいつだって正しい……?
・マンモスマンたちに頭を下げたことを察するスグルすごい
・フェニックスはスグルの最大の理解者だが、スグルもよくフェニックスを理解している
・これは王の器
・王位争奪編を経てのフェニックスのスグルへの思いは最高だなあ
・スグルがカメハメ師匠の言葉を思い出していつも反省するように、フェニックスにとってのカメハメはスグル
・ビッグボディのパワーにフェニックスの知性を合わせたツープラトン
・なんと一話足らずで和解
・このためのスグルだったのか
・ビッグボディの笑顔かわいい
・しかし反撃は一瞬でハーキュリーズのとんでもないツープラトンが炸裂
・三人分の体重が乗ってるイデアマンのダメージもすごそう
・マッスルドッキングの下敷きになったくらいのダメージあるはず
・だがこの展開からフェニックス組の負けは無いだろう
・本気を出してやると爪を舐めておいて爪を使わないツープラトン出すノトーリアスなんなんだという指摘に笑ったww
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ミステリ感想-『アンデッドガール・マーダーファルス 3』青崎有吾

2021年05月09日 | ミステリ感想
~あらすじ~
鳥籠使い、夜宴、ロイズの三者はドイツの人狼村へ向かう。
ほど近い人里では、決まって雨の晩に少女がさらわれ、人狼に殺されていた。
鳥籠使いの到着前にも、村人から崇められる少女が誘拐されていたが、状況が食い違うことに輪堂鴉夜は気づく。


~感想~
実に4年半ぶりの新作。他作品からのオールスター物だけに「一八先生」みたいにどこかから怒られたのかと危惧していたが、続いてくれてよかった。
前作では後半丸々を三つ巴バトルに費やし、本作でももちろん激しいバトルが繰り広げられるが、主題はいわゆる特殊設定ミステリで、豊富な伏線と明快な推理、そして人狼が存在する世界ならではのトリックが描かれる。
これが非常に良くできていて、今年の本格ミステリの収穫どころか、歴代の特殊設定ミステリの中でも上位にランクインされるだろう、大胆かつ緻密なものである。
物語はさらなる広がりを見せ、某超有名怪物がナレ死したり、こいつがいるならパワーバランスが崩壊するだろと思う某有名キャラがそれに関わったりと、もったいぶらずに話はエスカレートし続ける。
待たせただけはある、期待に応えるシリーズ最新作だったが、次は4年半もかからずに出して欲しいと切に思う。


21.5.5
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『マリアビートル』伊坂幸太郎

2021年05月04日 | ミステリ感想
~あらすじ~
裏稼業の元締めの息子を、誘拐犯から奪回した蜜柑と檸檬。
その身代金の奪取を依頼された七尾。
息子に重傷を負わせた中学生への復讐を狙う木村。
東北新幹線に乗り合わせた殺し屋たちの意志と目的が交錯する。

2010年このミス6位、文春3位


~感想~
「グラスホッパー」の続編と銘打たれるが、どちらかというと後日談。だが前作を読んでいればより楽しめる趣向なので、できれば先に「グラスホッパー」に当たっていただきたい。

一癖も二癖もある殺し屋たちの立場や目的が次第に明らかになっていき、延々とトラブルが起こり続け、作者らしい伏線回収の手練手管が凝らされる。こんなの面白いに決まっている。
登場人物はいずれも漫画的に個性豊かだが、特に良い味出してるのが●●●で、その正体が明かされるとともに始まる逆転劇は痛快の一言。読者全員好きでしょあの●●●。
「伊坂幸太郎が描く殺し屋だらけの密室劇」から想像する全てが期待通りに詰まった快作であり、他に説明はいらないだろう。

余談だが途中であるキャラが「僕はただみんなに絶望して欲しいだけなんだ」とかモノクマみたいなことを言い出したため、大山のぶ代の声に変換されて困った。
あとネタバレ要注意だが「グラスホッパー」のwikiのあらすじが、中学生が夏休みの宿題で書いたのかと疑うくらい低クオリティで笑ったので、既読の方にはぜひ見てもらいたい。


21.4.24
評価:★★★★ 8
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