勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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ハート・ロッカー / The Hurt Locker

2010年03月07日 | 洋画(アメリカ系)
第82回アカデミー賞9部門(作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)、主演男優賞(ジェレミー・レナー)、脚本賞(マーク・ボール)、撮影賞、編集賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞)ノミネート。

監督が、この作品とアカデミー賞作品賞を争っている「アバター」のジェームズ・キャメロン監督の元妻で有ると言うこともさておきながら、プロデューサーがアカデミー会員に対して「ハート・ロッカー」への投票を呼び掛けるメールを送ってアカデミー賞授賞式への立ち入りを禁止された他、「自分がモデルで有る」と主張するアメリカ陸軍曹長から訴えられたりと、本来のところ以外でも話題を振りまいています。ちなみにアバターの制作費は3億ドルと言われていますが、こちらのハート・ロッカーの制作費は1500万ドルと言われています。20倍ほども制作費に差が有る作品同士がアカデミー賞を争っていると言うのは、中々興味深いです。

映画本来のところでの騒ぎは別にして、本家のアカデミー賞の前に英国アカデミー賞を授賞していますし、それ以外にも全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、サンフランシスコ映画批評家協会賞、ワシントンD.C.映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞、放送映画批評家協会賞・・・と、沢山の賞を授賞しています。実力は、十分と言うところでしょうか。

さて、映画の中身ですが、“リアル”と言う言葉が相応しいですね。作品にあまりイメージを抱かせないように、それほど有名ではない俳優を起用したと言うことですが、それが当たっていて、まるでドキュメンタリーであるかの様な作品に仕上がっています。もっとも、主演のジェレミー・レナーはこの作品では、命知らずのアウトローな役どころな訳ですが、彼は実は「S.W.A.T.」にも出ていて、こちらでもアウトローな人物の演技をしています。って言うか、「S.W.A.T.」では、本当のアウトローの役ですが(苦笑)。また、舞台は2004年のバグダットですが、撮影は当然バグダッドでは行えないので、となりのヨルダンで行われています。

この映画にまつわる逸話がもうひとつあるんですよね。この映画、実は2008年には完成していたんですが、中々配給が決まらず、アメリカでブッシュ政権からオバマ政権に政権が交代した途端に、配給が決まったと言う話もあります。政権交代と、この映画の配給の関係があるかどうかは判りませんが・・・。アメリカの保守派は、この映画を一般市民に見られて、ベトナム戦争の二の前になる事を恐れていたんでしょうか?

最後に。タイトルの「ハート・ロッカー / Hurt Locker」ですが、「行きたくない場所」と言う意味が有るそうです。

タイトル ハート・ロッカー / 原題 The Hurt Locker
日本公開年 2010年
製作年/製作国 2009年/アメリカ
監督・製作 キャスリン・ビグロー
脚本・製作 マーク・ボール
出演 ジェレミー・レナー(ウィリアム・ジェームズ二等軍曹)、アンソニー・マッキー(J・T・サンボーン軍曹)、ブライアン・ジェラティ(オーウェン・エルドリッジ技術兵)、レイフ・ファインズ(請負チームリーダー)、 ガイ・ピアース(マット・トンプソン軍曹)、デヴィッド・モース(リード大佐)

[2010/03/07]鑑賞・投稿


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2 コメント

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こんばんは。 (えい)
2010-03-07 21:26:28
>アメリカでブッシュ政権からオバマ政権に政権が交代した途端に、配給が決まった

うわあ。そうだったんですか。
知りませんでした。
ひとつ、得した気分。
返信する
TBありがとうございました (シムウナ)
2010-03-22 19:06:52
TB有難うございました。
ドキュメンタリー風の作品なので
ストーリー性は皆無でしたが、爆弾処理班から
戦争の日常が非常にリアルでした。

今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
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