勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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海難1890

2015年12月06日 | 邦画
1890年に起きたエルトゥールル遭難事故と、1985年のイラン・イラク戦争時のトルコによる邦人救援機派遣を描いた物語。

テヘラン邦人救援機に関しては、陸続きで脱出しようと思えば出来なくも無いという状況でありますが、戦地を通り抜けることになり容易ではありません。それでも、自国民を差し置いて、日本人を救出しようとしたトルコ共和国の温情には、言葉がありませんね。それに比べて、確かに戦争中ではありますが、同胞の救出を拒んだ当時の日本航空のヘタレぶりには怒りを覚えますね。今では政府専用機があるので、何とか出来るかもしれませんが・・・。

それにしても、事実をそのまま描いたというわけではないようですね。国際信号旗で国籍を確認したというのは、伝えられている事実ですが、エルトゥールル号当時の大島村の村長は、沖周(おき しゅう)と言う人物であり、“佐藤”などという極めて現代的な苗字を持つ人物ではありません。また、大島村に遊郭なんてあったのか?とか色々とツッコミたくなる所はたくさんあります。ちょっと劇映画風にしすぎた気がします。

それと、テヘラン救出編も同じ。上映時間は131分ですが、体感的にその7割はエルトゥールル号編に充てられ、テヘラン救出編は3割位の印象。そんな感じで時間が短いので、あまり物語は膨らみません。まぁ、もっとも実際に急を要する自体であって、それそのものが物語だったので、それ以外の物語なんて無いのかもしれませんが。逆に、実際の取組みが簡略化されすぎていたような気がします。テヘランでの活動のほか、

エンドロールの最後に、エルドアン大統領のメッセージが有りました。「なんか紋章みたいなものがスクリーンに出たな」と思ったら、大統領でした。あれは、トルコ共和国大統領の紋章なんですかね?

それにしても、テヘラン救出編は、物語は薄いんだけど、何故だか泣けてきました。トルコの様な親日国は大事にしないとダメだよね。

タイトル 海難1890

日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/日本・トルコ
監督 中光敏
出演 《エルトゥールル号編》内野聖陽(田村元貞)、ケナン・エジェ(ムスタファ/エルトゥールル号機関大尉)、忽那汐里(ハル/田村の助手)、アリジャン・ユジェソイ(ベキール/エルトゥールル号操機長)、夏川結衣(お雪/遊女)、小澤征悦(藤本源太郎/田村の友人)、大東駿介(信太郎/漁師)、渡部豪太(直一/漁師)、徳井優(平次)、小林綾子(トメ/平次の妻)、かたせ梨乃(サト/遊郭の女将)、竹中直人(工藤/医師)、笹野高史(佐藤/大島村村長)、三輪ひとみ(カツ)、斉藤とも子(ノブ)、みのすけ(武夫)、池谷のぶえ(キヨ/武夫の妻)、上田耕一(福島/村の長老)、ウール・ポラット(オスマン・パシャ/エルトゥールル号司令官)、メフメット・オズギュル(アリ・ベイ/エルトゥールル号艦長)、タメル・レベント(スレイマン/ムスタファの父)、メリス・ババダー(ハティージェ/べキールの妻)、メルト・アユギュン(アリ・エフェンディ/エルトゥールル号儀典係)、ジェム・ジュジェンオール(ナージ/エルトゥールル号楽隊員)、エルカン・ペクバイ(サルキス/エルトゥールル号機関員)、ハリト・ムズラクル(セリム/エルトゥールル号水兵)
《テヘラン救出編》ケナン・エジェ(ムラト/在テヘラントルコ大使館員)、忽那汐里(春海/テヘラン日本人学校教師)、永島敏行(野村豊/駐テヘラン日本大使)、金子昇(山元/大使秘書)、宅間孝行(木本/技術者)、螢雪次朗(竹下/テヘラン日本人学校校長)、デニズ・オラル(トゥルグト・オザル/トルコ共和国首相)、辻本祐樹(矢野/脱出希望者)、高田敏江(宮本/脱出希望者)、ハック・ハルック・ジョメルト(マフムート/脱出希望者)、エライ・アヤズ(ジャン/脱出希望者、マフムートの息子)


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
時代考証が酷い (あいうえお)
2015-12-14 12:00:46
エルトウールル号の生存者は、低体温症陥ったので、
人肌の体温で助けた、添い寝をして、というのが、
当時の治療でした。
それが、心マッサージ(昭和30年頃に普及)や
重症軽症患者の振り分け(平成になってから)など、
監督は何を考えとるんや?
遭難地の島に医者が二人もいたわけはないし、
ましてや、遊郭なんかがあったはずもない。
最後にトルコ大統領のメッセージの実写を
付けるなど、政治力のある監督なんでしょうが、
医学時代考証が出鱈目では、どうにもなりません。
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