風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

意外に

2007-11-24 | 風屋日記
昨日の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を思い出し
「1作目はノスタルジーと雰囲気を楽しむ映画だったけど
 今度のはテーマが違うな。
 広い意味での『コミュニティー』を描きたかったのかな?
 地域から疑似家族まで・・・」
と考えていたら、
ふと数日前に読み終えた
「サグラダ・ファミリア(聖家族)」中山可穂 著 集英社文庫
を思い出していた。
映画の中の「鈴木オート家」は
明らかに「失われつつある古き良き日本の家族」を体現していたが
小説家茶川と孤児の竜之介、そして流浪の女ヒロミの疑似家族は
「サグラダ・ファミリア」の中のガリと照ちゃんと桐人の
まったく、文字どおり「関係を持てない」疑似家族と
どこか重なって思えたのだ。
もちろん映画のそれと小説のそれとは
それら「家族」の間に流れる愛情の質は違う。
でもね、血が繋がっていない同士が体温を通わせるという関係は
私にはとても似たもののように感じられた。
「ノスタルジーの映画」には違いないんだけど、
「続」は案外新しいテーマを内包しているのかも知れない。


米軍再編に協力的な自治体への手厚い交付金についてと
反対した自治体への補助金カットのニュースがあった。
いちいちこんな話題をここに書くのも億劫ななほど、
権力と札束を振り回す、嫌らしくて陰湿な国のやり方には
すっかり呆れ返ってしまったけれど、
このやり方をどこかで見たことがある。
そっか、徳川家康が諸大名を巧みに抱え込んだ手法だ。
アメとムチ。
グローバルな視野に立ち、
より現代的な諸問題にあたる現政権やキャリア官僚のやり方は
案外古きを尋ねて新しきを知った伝統的な手法なのかも知れない。
コメント
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