風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

失くしたものと得たもの

2019-05-31 | 風屋日記
10代の頃
フィジカルの柔軟性はなかったが、
文化部なのに運動部の同級生たちと肩を並べるほど
体育における身体的には自信があった。
残念ながら野球ボールを投げるにはイップスがあったけど
それ以外で体を動かすことに関しては何に違和感もなかった。
当たり前のことだけど、社会経験がないので
頭の中は子どもと同じ。
本だけは読んでいたので、知識だけで頭でっかちだった。

20代の頃
自分なりのウエイトトレーニングを積み、胸囲は120cm近く
背筋力にも自信があったし、フットワークも軽かったので
学生時代は都内を、社会人になってからはアメフトを初めてグランドを
とにかく走り回っていた。
学生時代終盤の暗黒時代を経験してきたせいか
現代ではブラックと言われかねないような会社での勤務も
全然苦にならず、抜擢もあってそれなりに楽しんでいた。

30代の頃
会社の草野球でも4番を打ち、
息子たちの野球のコーチでも一緒に走ったり、プレーしたり、
少々息は切れたものの、まだまだ体は動いた。
あちこちちょこちょこ不具合が出て病院のお世話になったこともあったが
御輿を担いだりして衰えそのものは全く感じていなかった。
反面仕事では転職し、物知らずや気遣い不足のために
かなり辛い立場に立たされたり、痛い目にも結構遭った気がする。
神経を病みながら、毎日必死に戦っていた。

40代の頃
まず目が衰えた。45歳ぐらいから遠視を自覚するようになる。
そのころから思うところあってジムに通い始めた。
走ることが面白くなり、どこかのレースにでようかと思ったこともある。
市内は自転車で走り回り、若い頃と違って筋肉よりしなやかさが欲しかった。
30代の辛さの経験により、自分なりの仕事の足元が固まり
仕事の上で目指すべき指針ができてきたのも(ようやく)この頃。
年々役割上の責任が増え、その立場でさまざまなことを見聞きできたことが
自分の内面を大きく成長させてくれた時期でもあった。
ただそのストレスは半端なく、
トレーニングを始める前には健康診断にひっかかりまくり。
人生MAX体重も40代前半のころだ。

50歳とともに東京へ単身赴任。
年齢のせいか、単身赴任生活のせいか
50代に入った途端にみるみる体の衰えを感じ始める。
2.0だった視力も落ち、とうとう遠近両用メガネを常用するようになった。
都内は歩くので足腰の筋力や体重は割にキープできたし
自炊の時は野菜中心の生活だったので検診結果も悪くなかったが
体型、頭髪、体のバランス、柔軟性はみるみる老化した時期。
東京でできたたくさんの友人たちに恵まれた反面
仕事の上ではやはり辛い立場だった。
特に会社の中では手探りと責任と気遣いで心はヘトヘト。
東京生活4年間を通じて睡眠障害にも悩まされた。
(特に東日本大震災後は顕著となった)
幸い仕事やプライベートを通じて知り合った各界の方々に
とても恵まれたおかげで、今がある。

55歳で花巻に帰ってきて会社を辞した。
体の衰えは相変わらず同じ角度で下降線を辿っていて
見た目もすっかりジジイになってしまったけれど、
独り暮らしや長距離通勤から解放され、リズムある生活によって
健康状態は年齢なりながら何事もなく今に至る。
いつ何時なにがあるかわからない歳ではあるけどね。
そして
20代の頃からの辛い経験と貴重な体験、そして経験から得た知識、
様々な方との人脈は今の自分の宝となっている。
歳とともに失ったものは大きいし、辛い経験真っ只中はしんどかったけど
逆にそれだけ年月を経て得たものも大きい。
もしかしたら体の衰えと経験や知識って、反比例するのかな。
フィジカル的な筋力やしなやかさを
頭脳の中の経験や考え方のしなやかさと取り替えた形。
ホントは両方兼ね備えるのが理想なんだろうけどね。

来年還暦。
これからは知力やメンタルの方も徐々に衰えていくのだろうか。
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第5話 クリエイターズセッション

2019-05-30 | 生活の風景


何かを「作っている人」を招き
ここに至る話や、ものづくりの上でのこだわりなど
他では聞けないぶっちゃけ話がコンセプトの第5弾!!
6月のクリエイターズセッションのゲストは
花巻温泉近くで100年以上も続く古窯台焼の5代目杉村峰秀氏。
閑静な環境の中で磁器が生み出される台焼窯元は
時間の流れが外とは違う感じがする不思議な空間です。
そんな場所でひとり製作に携わる杉村氏はどんな人なのか。
乞うご期待。
詳細および参加表明は下記へ。


なお、今回は
北東北を中心に楽しい活動をしている人や場所を
ホッピングして多拠点と関わっている東北ホッピングさんが
参加表明してくれました。
いつも以上に賑やかに、楽しくなりそう
コメント (4)
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朽ちないサクラ

2019-05-29 | 読書

岩手県出身のミステリー作家の作品。
自ら買ったものではなく(普段あまりミステリーは読まない)、
自宅にあったのでふと手に取ってみたものだ。
岩手出身ということで、この作家にもちょっと興味あったしね。

なかなかにして骨太で重厚な物語。
とてもご家庭の主婦(子育て後にデビュー)の作品とは思えない。
オウムを思わせる、テロを行う新興宗教団体や
栃木の事件を思わせるストーカー殺人事件などが絡み合い
警察内部の人間の葛藤などじっくりと読ませる。
現在は山形に住んでいるという著者なので
もしかしてイメージは違うのかもしれないけれど
岩手出身ということで、つい岩手◯報や岩手県警が頭に浮かぶ。
直接それらの場所をイメージしながら読むと
より具体的に入り込めたりするからだ。

正直言って、いろんな部分に小さなツッコミどころは感じたし、
1/3ぐらいのところで真相が分かっちゃったりはしたけれど
それでも本作によって考えさせられるものは色褪せない。
現政権周辺がちらほら漏らす「国家」のホンネみたいなものが
ところどころに垣間見えるからだ。
そのあたりを考えると、表4に書いてある内容の紹介文
「事件には思いも寄らぬ醜い闇が潜んでいた」は
ちょっと違和感を感じた。
果たしてこれは「醜い闇」なのだろうか。
ワタシが表現するなら
「この社会が内包する深い闇」あるいは
「一般市民は気づかない社会の暗い裏側」みたいな形にするだろう。

ネタバレ承知で、その部分をちょっとだけ引用する。
「無辜の人間の命を奪ってまでも、
  警察は国家の安全を追い求めなければいけないのですか?
  本末転倒ではありませんか?」
「きれいごとじゃあ、国は守れん」

「朽ちないサクラ」柚月裕子:著 徳間文庫
コメント (2)
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牡丹

2019-05-28 | 生活の風景


実家の牡丹の花が真っ盛り。
この色は一体誰がデザインしたものなのだろう。
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日本ワインフェスティバル 花巻大迫2019

2019-05-27 | 文化


5/25〜26の2日間、
大迫に北海道から関東甲信越までの40のワイナリーが集まり
日本ワインフェスティバルが開催された。
とにかくすごい人出(^^;
普段は静かな大迫の街がたくさんの人で埋め尽くされた。



30度を超える暑い日で、ワインクーラの中のボトルが涼しげに見え、
どんどん売れている様子。

このイベント、これだけの効果を生んでいるのだから
大迫のまちが本来持つ魅力をもっと活かせるよう
他にもいろんなイベントと組み合わせられないかな?
例えばワインフェスの会場以外の場所を使ったスタンプラリーや
「大迫の街写真コンクール」など。
そうすればもっとまち全体に効果が広がる気がする。

大迫のまちの魅力をアピールできれば
イベント後の交流人口増につながり、
ぶどう農家の後継者発掘にも結びつく気がするんだ。
でないと一過性のイベントで終わる懸念がある。
レトロな魅力を持つ大迫のまちをもっと生かしていきたいから。
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ここも昭和の痕跡、花巻駅

2019-05-26 | 生活の風景

この陸橋はおそらく昭和30年代に駅が建てられた当時のもの。
かつて正面の壁が無く、その向こうは花巻電鉄の駅だった。


ホームの反対側の1段高くなった石垣は
花巻電鉄のホームの跡?


いま花巻電鉄跡はサイクリングロードになっている。


このホームの陸橋より北側には
昔電車の形をした待合室とそば屋があった。
客車がまだ6〜8両だったころのこと。
待合室の湾曲した両端と、上げ下げして開ける窓が
小さい頃はお気に入りだった。


今は客車ではなく都会のような電車型。
しかも2〜4両だから、かつての待合室付近には停まらない。
長いホームも、今使われているのはほんの一部だ。

普段見慣れた場所にも
よく見ると昭和の名残が残っている。
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ホットケーキ

2019-05-25 | 食べ物・お店
パンケーキってなんだよ。
オシャレな店なんて腹の足しにはならない。
見た目のきれいさなんて関係ない。
昭和な喫茶店あれいさんの「ホットケーキ」の迫力を見よ!


銅板で焼いた香ばしさと溶けていくバター。
決して軽い食べ口ではなく、ずっしりとした存在感。
欲を言えばもっとトロっとしたメイプルシロップがいいけど・・・


実はこれは小倉ホットケーキで、たっぷりのあんだから、
逆にあっさりしたシロップがよく合っている。
これぞ、The ホットケーキ!
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フェアプレー

2019-05-24 | スポーツ
昨年の今ごろ、日大アメフト部のラフプレーが大きな社会問題になった。
選手単独のラフプレーであるなら何をか言わんやだが、
指導者からの有無を言わさぬ指示の元で・・・というのが問題となった。
「反論できないのはおかしい」とか
「自分の意思を持たないで指示に従うのは人間じゃなく機械」とか
「じゃぁ人を殺せと言われれば殺すのか」とか
ものすごい炎上の仕方をした。
もちろん指導者に対してもさらに激しい言葉があったわけだ。
日大経営陣にもそれは飛び火し、今もくすぶり続けている。

アメフトはコンタクトスポーツなので
1歩間違えれば大怪我どころか、命の危険すらあるから、
もちろんあのようなことがあってはならない。
・・・が、しかし、QBのパスからタックルまでの間がもう0.1秒でも早ければ
果たして問題になっただろうか。
パスを投じた跡を狙ってタックルしたものか、
正当な(とはいえ遅いからペナルティーではある)タックルだったかは
見た目では紙一重であり、当人にしかわからないこと。
最大の問題は指導者からの逆らえない指示があったかどうかだろう。

ところで↓のような記事を読んだ。


ここに書かれている、新人だった上原に対するベンチの指示と
日大の当時のアメフト部監督の指示は、全く別物だろうか。
もちろん危険を伴うかどうかという大きな違いはあるけれど
それではMLBでよく見受けられる、報復デッドボールはどうだろう。
最近は高校野球におけるサイン盗み問題も語られているが、
これらの問題に共通するのは、指導者の「フェアプレー」の精神だろう。

何をやっても勝てば良いのか?
そういう考え方は、結果「儲かれば何をやっても良い」という
大人の姿勢につながっていないか?
「うまいことやって得した」ことが勝ち組と言われる
現代の悪しき価値観がスポーツの世界にも蔓延していると言えないか?
ことは日大アメフト部や高校野球の世界だけのことではない。
彼らの姿は、ある意味社会を映す鏡なのかもしれない。
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盛岡レトロ発見散歩

2019-05-23 | 散歩

先日の日曜日は
「もりおか中津川まち歩きスタンプラリー」に便乗し、
肴町、紺屋町、本町、上の橋通あたりの古くからのまちを歩いて、
レトロな建物や、モノを探してみた。
他にも中央通りにある古い写真館や
大通裏路地にもレトロな建物あるのは知ってるけど
今回は時間の関係もあり。












おなじみの場所もあるけど、
案外見逃してしまいがちなところに古いものが残っている。
これは花巻も同じだねぇ。


とにかく良い天気で散歩日和、
風がとても気持ちよかった。
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2019-05-22 | 文化


先日、花巻の䑓焼窯元にお邪魔した時
「ちょっと染付やってみる?」と言われて初体験。
モチーフは「風」
出来はいかがでしょう?
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花巻の魅力

2019-05-21 | 散歩

かつて、仕事やプライベートで
世界あちこちに行ってきた東京出身の人から聞いた言葉。
「今まで見てきた中で一番キレイだった景色はイタリア。
  東側のアドリア海を望む景色は本当にキレイだった。
  でも住むならフィンランドか岩手がいいと思った。
  いろいろ考えた結果、岩手に移住した」
その魅力に、岩手在住の方は気づいているだろうか。




花巻は、どこを切り取っても美しい景色ばかり。
何を食べても美味しいものばかり。
この魅力を、昔から花巻に住んでいる人たちに気づいてもらい
誇って欲しいと思っているのだ。
コメント (2)
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思考の仕方

2019-05-20 | 文化

ちょっと前の毎日新聞のコラムが面白かった。
本稿のテーマである後半についてはいうべき言葉を持たない。
自分のことしか考えずに、
世界を混乱に巻き込んでいるトランプについては
もう呆れて顔を見るのも勘弁だから。

面白いと思ったのは米国人と中国人の思考の違い。
分類と関係性かー。
なるほどそれは面白い。
その違いがどこからきたものなのかとか、
他の国の人たちはどうなのかとか、
もっと知りたいな。
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見えない危機

2019-05-19 | 世界・平和

これがアベノミクスの正体。
実は日本の歴史の中で
同じようなことが行われていた時代があった。
戦前、中国大陸で戦火が激しさを増した時代だった。
軍部は際限のない軍備増強のために
世界恐慌から脱するべく経済立て直しを図っていた
高橋是清蔵相を2.26事件で暗殺。
国の財政を握った軍部はガンガン財政出動を始めた。
その結果が戦中戦後の国家経済破綻と物不足だ。
今の状況はその時に極似している。

今世界経済に悪影響を及ぼしている米中経済摩擦もだが
ポピュリズムは世界的な和平を危機に陥れ、
経済を疲弊、破綻させ、構成にも大きな傷跡を残す。
「自分さえ儲かれば」「自分が選挙に勝ちさえすれば」というのは
ポピュリズムなーんていう耳障りの良い言葉に変換されているが
実は、はっきり言ってエゴイズム。
そのために国家財政破綻への道を突き進むのは
およそ為政者のやることではない。
日本でも、アメリカでも、フランスでも、チェコでも・・・

先日、当時維新所属の議員が北方領土に関して
戦争云々という発言をして問題となったが
東大卒なのに、政治家なのに、あまりにも物知らず。
「戦争」という行為そのものが憲法違反であり、
現代に生きる人間として言語道断であることはもちろんだが、
仮に小競り合いなどあった日にゃ
首の皮1枚でかろうじてつながっているような日本経済は
信用不安であっという間に崩壊してしまうだろう。
(もしかしたら今回の発言だけでも影響があるかもしれない)
そんなこともわからずに酒のせいにして撤回し
いけしゃあしゃあと議員を続ける無神経さこそポピュリズムの悪癖。
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生きてきた道、生きていく道

2019-05-18 | 文化


人生の、特に若い頃、
寄り道と思っていたことも今何かしらで生きる。
無駄なことは何もなかったなぁ。

事業で必要なのは利益ではなく理念。
地方にいてもグローバルな仕事ができる・・・というか
ある意味アドバンテージにすらなり得る。

35年来の友人と久しぶりに会い
ブレない、変わらぬ想いを共有できた。
お互い、頑張ろうぜ。
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今日はコレ

2019-05-17 | 世界・平和

考え方の柔軟性と新しいビジネスの芽を見つける嗅覚、
そして何よりもしっかりと持った自分なりの理念とこだわりが
他に類を見ない傑物であり、リスペクトする高橋和良氏。
アウトバーンを疾走するスポーツカーのように
20代から疾走し続けてきた氏の話は驚きとともに面白さ間違いなし。
普段講演などはしておらず、人前で話すのも最後とのこと。
滅多に聞けないぶっちゃけ話が満載のクリエイターズセッション。
お楽しみに。

18:30より ゲストハウスmeinnにて。
参加費は1000円(1ドリンク付き)
セッション終了後に、氏を囲んでの交流会もあります(別会計)
参加申し込みは↓こちらから。


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