こんなネット記事が目に止まった。
読んでみたのだが、本質的なことが書かれておらず
(というか、知らないのかもしれない)
事実誤認や推測の基づいた論考が書かれているので
「ちょっと待った」という気持ちで今日の話題。
まぁ、現実そのものが本質とかけ離れつつあるんだけどね。
日本三大教育施策とも言われた「教育振興運動」が岩手にはある。
子、家庭、学校に加え、地域と行政が一緒になって教育を考え
ともに地域を作っていくという施策だ。
もっと簡単にいうと、家庭と学校と地域の三位一体教育。
だから岩手県内の小中学校には、PTAの他に
地域住民による教育振興協議会がある。
PTAと一緒になって長期休暇中の行事を行ったり
子ども達の安全対策を行ったりという団体だ。
残念ながら、当初理念を伝える仕組みがないために
形骸化してしまった地域もあるやに聞いているが
この教育振興運動の中心にPTAがある。
私はかつて、PTA役員を長いこと務め、会長も請け負った。
中学校のPTA会長時には、順繰り当番ながら市PTA連合会副会長も。
正直言って、はじめはPTAの理念すら知らず、
先輩に言われるまま引き受けていたのだったが、
何年か務めているうちに、だんだんPTAの重要性がわかってきた。
だから会長就任時の挨拶では、冗談半分に
「PTAが行うことで最も大事なのは飲み会でです」とぶち上げた(笑)
もちろんみなさん笑ってくれたが、実はその裏側に本質がある。
要は「教職員と親が繋がる」ことこそPTAの目的だと思うのだ。
子ども達はできるだけのびのびと自由に育てたい。
しかし学校を取り巻く環境にあるのはは「善」ばかりじゃない。
さまざまな「悪」や危険もたくさんある。
だから親と教職員が手を繋ぎ、大きな輪を作って
その中で思う存分走り回って欲しいというのがPTAだと思うのだ。
つなぐ手が多ければ多いほど、その輪は大きくなり
より広いスペースを伸び伸びと走り回ることができる。
もちろん例え話だけど、PTAはそんな目的を持った組織だと思う。
だから親も教職員も、できるだけ相互に仲良くなることこそ
PTAの理念に沿う形だと思う。
まぁそれを飲み会に例えるのもどうかと思うけど(笑)
先日のTV番組で「目的と手段」の話があった。
もちろん何事も目的のために手段がある。
しかし、残念ながら様々な事象に目的と手段が混在してしまっている。
PTAもその最たるもののひとつ。
役員決めも、行事も、総会も、飲み会(笑)も、↑に書いた目的のための手段。
しかし、現代においては手段が目的に好き変わっていないかい?
役員が決まらないから誰かに押し付ける、
例年行なっている行事だから今年もやらなくちゃいけない、
いつものことをどう今年もこなしていくか・・・などなど。
卒業記念品だって、絶対に贈呈しなくちゃいけないことじゃない。
PTA会員以外の子もいるなら、そんなもん止めたっていい。
今のPTAに否定的な考えを持っているなら
背を向けるのではなく、自分が役員になって変えていけばいい。
目的は「役員を決めること」じゃないんだから。
会費だって、問題になるぐらいなら徴収やめればいい。
目的はカネ集めじゃない。
PTAも、教育振興協議会も
すべては子どもたちのためにある。
その本質や理念を忘れてしまったら、そりゃ混乱もするわなぁ。
最後にPTA会長時代のエピソードをひとつ。
とある会合で、PTA役員就任から逃げ回っていたお母さんと話をした。
別に諭そうとか、説得しようとかしていたわけではなく
以前から知っていた人なので立ち話をしただけだ。
何かに話の折に彼女が
「私ボランティア活動したいんですよ。何かいい活動知りませんか?」
と笑顔で言ってきた。・・・思わず
「PTAは素晴らしいボランティア活動だと思うんですよねぇ」
彼女は無言で立ち去っていった。
エピソードついでにもうひとつ。
やはり、とある(PTAから逃げている)お母さんとの立ち話の中で
「ウチの子、学級委員したくないというんですよ。できると思うんだけど」
今回は「アナタの背を見てるとそりゃ逃げますよね」という言葉を
すんでのところで飲み込んだのだった。