全国の地方都市における商店街と同様
花巻(特に旧花巻市街)の商店街は凋落している。
シャッター通りという言葉があるけれど
それならまだいい方で、建物そのものが無くなり
歯抜け状態の中にアーケードだけが残る。
休日なのに人っ子一人歩いていない。
まだ営業している店も、なぜか週末は休み(^^;
これじゃ人を呼び込もうにも行く目的が無い。
原因のひとつは商店街に人が住まなくなったこと。
老舗の経営者も郊外に瀟洒な家を建てて通っている。
当然コミュニティも無くなるわな。
でもそれより大きいのは車社会なのだと思う。
目的地に車で行き、目的を果たしたら車で帰る。
寄り道どころか、ウィンドウショッピングすらしない。
公共交通機関に乏しいから車を使わざるを得ないのだが、
せめて車を置いて商店街を散歩してみれば
気がつかなかった意外なものが見つかると思うのだ。
何より、歩くということはそれなりの格好が必要となる。
ジャージにサンダルで車に乗るのとは訳が違うから。
ちゃんと恥ずかしくない服装を選びたくなるよ。
おまけにこの季節は寒いし(^^;
散歩する人が増えれば服も売れると思うんだけどな。
ということで、昨日ふと思いついて上町商店街を歩いてみた。
生涯学習会館に車を停め、市役所から上町~御田屋町~仲町のコース。
10年ほど前に整備された大堰川プロムナードを歩いてみる。
改めて歩いてみると、なかなかいい景色の散歩コースだ。
マンションを背景にした古いお寺は専念寺。
宗教学者で有名な山折哲雄さんの実家だ。
蔵の白壁も小春日和の日差しに映えて美しい。
専念寺から道路に上がったところに喫茶店発見。
なんとウチの母ちゃんが高校時代にデートした店とのこと。
まだ残っていたことに感激してさっそくコーヒータイム。
「喫茶あれい」はもう41年も営業しているのだそうだ。
しかも朝7時半からの営業で年中無休。
コーヒーもココアも懐かしい味。
ところで、さっきからカウンターにいるマスター
どこかで見たことがある人だと思っていたら・・・
なんと息子達が小学校の頃にPTAで一緒だったお父さん。
えー!? この店やってる人だったの?笑
と、しばし懐かしい話に花が咲く。
「高校時代時々来ました」というお客さんも多い由。
こんな会話がコミュニティなんだねぇ。
店を出、上町~御田屋町~仲町へ。
古い、懐かしい建物や通りがまだまだ残っている。
ここはかつての医院。
教会と石倉。
ここもかつて個人医院だった家。
古い飲み屋長屋はもうどこも営業していないが
かつての賑わいの名残のようなものは感じた気がする。
今回はあまり長い時間の散歩じゃなかったけど
もっとゆっくり歩くとまだまだ新たな発見がありそう。
シャッター街だとか、寂れてしまったとか、昔日の面影が無いとか
昔と比較して批判する前に、一度ぶらぶら歩いてみようよ。
何かしら面白い発見があるはず。
次回は吹張町~末広町~駅前大通りを歩いてみようか。
興に乗ったら鍛冶町へ足を伸ばしてみるのもいい。