大船渡高校の佐々木朗希くんの
高校野球岩手県予選における起用方法に関して
なかなか世論の賛否が止まらない。
サンデーモーニングでの球界の大御所の発言もあって
見るに耐えない罵詈雑言まで飛び出してきているようだ。
少し落ち着いてから話題にしようと思ったけど
せっかく今月の壁紙が野球なので(笑)
今月のうちに話題にしようと思う。
まず張本さんに反論。
カビが生えたような古い根性論は無視して良いが(笑)
「他の部員もみんな甲子園に出たいのに」という言葉は
朗希くん以外の部員のことを一見気遣っているように見えるが
実は気遣うどころかコケにしている。
朗希くん以外の部員の力では甲子園に行けない?
そんなん結果論だろう。
準々決勝の、朗希くん抜きで勝ち取ったBEST4を知らずに
勝手なことを言って欲しくはない。
あの決勝戦での先発メンバーは國保監督の深謀遠慮だ。
まず準決勝で朗希くんが投げなかったのは正解。
彼の怪我防止ということもあるし、
大船渡高校は朗希くんのワンマンチームでもない。
もともと部員全員で戦う姿勢を昨年から見せているのだから
この用兵は決勝戦だけの話ではないのだ。
まして相手は百戦錬磨の花巻東高校。
すでに投げた実績のある大和田くん、和田くんは
もう分析されていることだろう。
花巻東は2回戦で花巻北の軟投派投手に苦戦したこともあり
サイドハンドの柴田くんを先発させたのは間違いじゃない。
事実、途中交代まで、彼は花巻東打線を3安打に抑えたじゃないか。
(計算外だったのは、固かったはずの守備が乱れたこと)
それを決勝戦の、それも結果だけ見てなんだかんだ言うべきじゃない。
巷の人たちばかりじゃなく、張本さんもね。
要はみんな朗希くんを見たかったのに見られなくなったことで
自分の鬱憤を晴らしたいだけ。
朗希くん以外の大船渡ナインの力を見くびっている。
どうやら学校にまで苦情が殺到しているらしいけどお門違いだ。
負けて悔しいのは無関係の高校野球ファンじゃない。
監督はじめ、大船渡高校の野球部員たち自身だ。
高校野球の采配に関しては、よく保護者や外野がいろいろ言うが
3年間チームを見てきたのは監督やコーチ。
彼らのことを一番よく知り、彼らの気持ちもわかっている。
ひとりひとりの選手がどんなスキルを持ち、
何が得意で、どんなメンタルなのか知らない人間が
どうこう言うべきじゃない。
これは以前から思っていることだけどね。
この3年間の國保監督のプレッシャーたるや想像を絶する。
この素材を壊しちゃいけない。
一方で可愛い教え子たちを勝たせてあげたい。
そのバランスを考え抜いてのあの結果なのだから仕方ない。
國保さんは選手たちに「死ぬな」と言ったらしい。
それだけ外圧が厳しいことをちゃんとわかった上での作戦に
その決死の覚悟の作戦に、涙まで出てくる。
ただひとつだけ。
せめて最後の代打でも朗希くんを出してあげたかったな。
エースで4番が、試合に出ずに高校野球生活を終えることは
おそらく彼の中に悔いというか、釈然としないものが残ったはず。
どんなに仲間たちを信じていたとはいえ
燃え尽きることがなく、達成感も感じるられないだろう。
三振でもいいから、思い切りバットを振って
高校野球生活に区切りをつけて欲しかった気がする。
そこから初めて
次のステップに進むモチベーションが生まれる気がするんだ。