エゾノクロクモソウ。ユキノシタ科ユキノシタ属。
山地谷沿いの湿った岩上に生える多年草、クロクモソウは「黒雲草」と書く。
ユキノシタ属の花には白っぽいものが多いが、クロクモソウは暗紫褐色の花をつけ、その花の色から雨を呼ぶ「黒雲」に見立ててクロクモソウと名付けたという。
エゾノクロクモソウの葉。
地中に根茎をはり、根生葉を束生させる。エゾノクロクモソウの葉には長い柄があり、葉身は腎円形で基部は心形。縁の鋸歯は形・大きさが揃う。
エゾノクロクモソウはクロクモソウの1変種とされるが、エゾノクロクモソウの方が母種だとする考え方もある。エゾノクロクモソウの葉はクロクモソウと比べて鋸歯の数が多い。
エゾノクロクモソウの花。
花茎の先に、大型でまばらな円錐花序をつける。
花の径は5mmほど、花弁と萼片は夫々5個、萼片は反り返る。
ユキノシタ属の花には左右相称のものが多いが、エゾノクロクモソウの花は放射相称。