読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

中国と朝鮮半島の関係小史1

2012-11-25 08:55:55 | 歴史
朝鮮半島の『三国時代』

 北朝鮮をめぐる問題の『キーパーソン』は中国である。

中国と朝鮮半島との関係は、紀元前2世紀に、前漢王朝による朝鮮半島北
部に置かれた楽浪郡に始まる。

 朝鮮半島の歴史には『三国』という時代があった。

 中国の『三国時代』は、魏、蜀、呉であるが、朝鮮半島では、新羅、百済、
そして高句麗である。

 百済は日本との関係が深く、仏教も百済から日本へ伝えられた。

 百済滅亡時に、多くの百済人が日本に渡来し、日本の文化に貢献した。


 高句麗は、三国では、最も広大な領域を国土としていた。

 その多くの領域が、現在の中国東北部にあった。

 三国の抗争の後、新羅が当時の超大国である唐の援助により、朝鮮半島を
統一した。

 新羅の後の高麗は、モンゴル族の元朝に従属を余儀なくされた。

 そして、フビライの命によって発進する日本遠征軍に加わり、日本の領土
に進攻した。

 朝鮮半島の国家は、『外敵』による軍事進攻に対しては、自力では対処で
きず、中国の支援によって、その独立を守ってきた。

 それは、16世紀末の秀吉の朝鮮出兵、20世紀の朝鮮戦争であった。

 秀吉の朝鮮進攻では、明朝の正規軍により、朝鮮戦争では、前年に成立し
た中華人民共和国の毛沢東が派遣した『抗米援朝義勇軍』により、救われた。

 明朝は、この援軍派遣による財政難により、滅亡が早まったといわれている。


●『抗米援朝』による朝鮮出兵

 『抗米援朝』は、美(中国語によるアメリカの略語)に対抗し、朝(北朝
鮮)を援助するという意味。

 名称は『義勇軍』ですが、実態は正規軍。

 朝鮮戦争で、朝鮮半島に派遣された『義勇軍』の指揮官は、1945年ま
で戦った日本軍とは、質量ともに桁違いに圧倒的なアメリカ軍の戦力を、い
やというほど見せられた。

 もはや、ゲリラを主体とする人民戦争の時代ではない、そう主張する代表
が、国防部長(国防相)の彭徳懐だった。

 この主張は、毛澤東の考えを否定するものだったため、共産主義中国の支配
体制の亀裂、崩壊にもつながるものだった。


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