読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

小乗と大乗

2009-08-30 14:52:04 | 宗教

仏教の目的は唯一つ、解脱である。初期仏教あるいは原始仏教は後に小乗仏教と言われるが自分の悟りのみを考える自利の立場の仏教であり、衆生を救うなどと言う事は考えなかった。それどころではない、取り敢えず自分が解脱しなければならなかった。大乗は紀元前後に仏教改革のような形で多くのグループが出来、その中に般若経典を保持するグループが有った。このグループは他者の救済を含む自利、利他の立場を取り菩薩の実践を主張した。この初期の大乗仏教において初めて仏が同時に多数出現するようになった。
末木文美士著「仏典をよむ」新潮社より

釈迦の葬儀

2009-08-29 09:38:29 | 宗教

法然は自分が死んだら遺体は加茂川にでも流せば良いと言ったらしいが、釈迦は「遊行経」によれば、自分の葬儀は在家の者に任せるがその葬儀の仕方については弟子の阿難に詳しく指示している。遺骸を木綿布で包み、五百枚の織布で包み、金の棺に入れ、それを鉄の槨(うわひつぎ)の中におき、栴壇香の槨に入れ火葬せよと言っている。さらに火葬後は遺骨(舎利)拾い塔廟を建てよとまで言う。「遊行経」は釈迦が入滅してから百数十年後に在家の大乗経として書かれたもので恐らく釈迦はそんな事は言っていないだろうと思うが。

聖徳太子に関する本が

2009-08-27 09:44:04 | 読書

どういう縁でか、聖徳太子に関する本が数冊、手元に集まってきた。古事記や日本書紀をから推理をした小説「崇峻天皇暗殺事件」、民間の表に出ない資料から書かれた「小説聖徳太子」、他に「法隆寺の向こう側」、「世界史の中の日本史」など、まだ全部を読んではいないがどんな太子像が共通して浮かんで来るのだろう。歴史の解釈の仕方によっては「聖徳太子は蘇我馬子の事である」とか「聖徳太子は二人居た」とか「聖徳太子はいなかった」などと言う本も有る。つかず離れずで読書して行こうと思っている。

文字の滅亡

2009-08-25 15:06:16 | 歴史

漢字を除き、世界の古代文字はその多くが滅び、死せる文字として古代研究の対象にされたに過ぎない。最も長い時代に行われた楔形文字やエジプト文字も紀元前後に姿を消し、使われなくなった。インダスの古代インド文字、バビロニアのエラム文字、クレタのミノアの聖刻文字などいずれも象形から音節となった文字であったが滅びた。このような文字が滅びた原因はその民族の文化の滅亡や断絶である。エジプトはヘレニズム文化に征服され自らの文字体系を放棄した。歴史と文化の断絶が文字の滅亡に繋がった。民族とその言葉は残っても、その民族の文字はその文化の敗北によって滅亡する。漢字だけが今もなお行きつづけている。

漢字の読み違い

2009-08-23 10:14:53 | 読書

麻生総理も漢字が読めない方らしいが、それとは別に漢字の読みを間違ったまま記憶してしまっている人は多いのではないかと思う。昔、国会の質問で追加予算を「おいか予算」と言った代議士が居たそうだし、私もラジオでニュース解説者が「・・・をししゅんしました。」と言っていたのを記憶している。示唆を「ししゅん」と読み間違えたのだとそのとき、直感した。遵守を「そんしゅ」と読み、それで漢字変換しょうとして出来なかった話は前にブログに書いた事がある。人は誰でも何か一つくらいは漢字の読みを間違えたまま記憶している事は有るのではないかと思う。

期日前投票に行ったが

2009-08-22 15:06:19 | Weblog

選挙があると仕事のため期日前投票をする事が最近多い。今日も午後、その投票に行って来たが裁判官の国民審査が今日は出来ないと係りに言われた。しまったと思ったがまた出直す事は出来ない。もう一度、投票所に来られない場合は裁判官の審査については棄権する事になりますと係りに言われた。国会議員選挙の期日前投票日と最高裁判所の裁判官国民審査との期日前投票の期日とが何故、一致しないのか、また、もう一度裁判官の審査だけに投票所へ来る事が出来るのか、出来なければ棄権することになりますと言う係員の言葉にも疑問が残った。それにもっと疑問に思った事は投票所内で係員と投票立会人が誰も投票に来ないからと言って投票所内のテレビで高校野球を見ていても良いのかなども気になった事だった。

弱冠

2009-08-21 14:38:21 | 読書

成人を18才とするかどうかが話題となっている。ところで弱冠と言う言葉は古代中国で元服を意味する言葉で男子の二十才の呼び名であった。最近は年の若いことを表す表現として一般に用いられている。弱年、弱輩より若年、若輩と書く事が多くなっている。従って弱冠も若冠だと思われているが弱冠が正しい。

住めば都の意味

2009-08-20 14:17:25 | 読書

転勤して行く若い人に「せっかくのチャンスだから、若いうちに色々な土地の暮らしを体験しておくのもいいのでは?」と言うと「東京とか大阪ぐらいならね。」と言う返事が来た。「どうして?」と訊くと、はやり「住めば都と言うから。」と言う答えだった。若い人達には「住めば都」と言う言葉の意味が「住むならはっぱり都会の方がいい」と言う意味で
使われているのだった。地方の住み、その環境に馴染み、その地の人と親しむ、これが住めば都と言う意味なのだが。

墓石のルーツ

2009-08-19 08:58:05 | 宗教

し前、仏壇屋さんから聞いた事がある。墓石を作る思想は仏教にはなく、それは神道のものだと。そうかもしれないと思った。以前に何かの本で読んだ事が有ったが、日本の国を作ったイザナギの命(みこと)の妻のイザナミの命(ミコト)が死に、地下の黄泉の国に行った。夫のイザナギは妻が忘れられず、黄泉の国の妻に逢いに行った。妻はそこにいたが黄泉の国から出てもいいかを黄泉の国の神に尋ねてくるので、その間に私を見ないようにして待っていて欲しいと約束をした。がイザナギは妻が戻るまで待ちきれずイザナミの体を見てしまった。妻の体には蛆が湧き醜い姿になっていた。これに驚いたイザナギは逃げ出すが約束を破ったことで追われる事になった。ヨモツヒラサカと言うところまで逃げて来たとき、そこに大きな石を置いて道を塞ぎ、更に逃げた。この時の大きな石が墓石のルーツだと言うのである。
そうすると墓石は先祖の霊がそこに宿っているのではなく、その霊が出られないようにする、つまり閉じ込めておくための重石と言う事になるのかと思った。


pとq

2009-08-18 08:44:02 | 新聞

アメリカでは「pとqに気をつけなさい。」と言う事を言うと昔聞いた事が有った。意味を考える事もなく、ただ、pはプリーズの事で「お願いします」を意味し、qは単純にサンキューを意味するものだと思い、プリーズとサンキューを言えるように子供達に諭した言葉だと勝手に思い込んでいた。ところが今朝の新聞でpとqは形が似ているので気をつけないと言う事だとかビールのグラスの大きさでパイントとクォーツの大きさに気を付ける意味だとかが書いて有った。私の誤解だったのかと思った。