読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

健康状態を監視する自動車-数年で実現する機能も

2012-11-30 08:43:00 | 健康
wsj日本版から

自動車が運転者のストレスや病変を感知できれば、事故を予防できるだろうか。自動車メーカー各社がこういった取り組みを強化している。 

 多くの大手自動車メーカーは、車にいわゆるバイオメトリックセンサーを搭載する研究を加速している。つまり、運転者の脈拍、呼吸、皮膚コンダクタンス(手のひらが汗をかいているかを示す)といったバイタルサイン(生命兆候)を監視するセンサー装置だ。車の安全システムを制御するコンピューターにこういった情報が与えられれば、走行中に遭遇する障害への反応を改善できるかもしれない。 

 この背景には、携帯可能な医学的監視技術が大きく進歩したことや、高齢の運転者や注意散漫な運転者への対応の必要性が増していることが挙げられる。 

 また多くの自動車メーカーが、自動運転車の開発に取り組んでいることもこうした動きを促している。自動運転車は「素晴らしい新世界」的な発想で、運転者が犯す可能性のある過ちをコンピューターによってほとんどすべて排除できる。その原因が気を散らせる電話の着信音でも血糖値の急低下だとしてもだ。 

 既に、トヨタの高級車ブランド「レクサス」の一部モデルには車内カメラが搭載されているほか、メルセデス・ベンツの一部モデルには居眠り運転を感知するセンサーがついている。これらの車は警告音を発したり、コーヒーカップ・アイコンを点滅させたりすることで、運転者に休息を促す。高級車ブランドはこういった事故回避技術がより安価な主力モデルとの差別化の一例だとうたっている。メルセデスのシステム「アテンション・アシスト」は、より小型のCクラスセダンから、高価で高機能のSクラスに至るまで、幅広いモデルで標準装備されている。 

 これとは別に、自動車メーカー各社と米国の連邦安全当局は、運転者が運転に適さないほど酒に酔っているかどうかを検知する車載システムの開発に取り組んでいる。 

 新たな監視システムは、運転上の危険が差し迫っていると思われる場合、自動車の安全システムを作動させ、ブレーキをかける、ラジオを消す、ないし携帯電話の着信音を鳴らさないようにするといったことを可能にするかもしれない。一部は3~5年で実現する可能性がある。しかし、そのほかは、研究者が車内で完璧に作動するバイオメトリックセンサーの開発という難題を解決できるかにかかっており、最大10年かかるとみられている。 

 例えばスポーツカーメーカーのフェラーリは、ある特許の申請を行った。それは運転席のヘッドレストにワイヤレスの電極を埋め込み、運転者の脳波を計測してストレスの度合いを監視する技術の導入を検討していることを示している。最大時速200マイル(約320キロ)で走行可能な車を運転する際に加わるストレスを測定するものだ。センサーで感知したデータに基づき、車はモーターへの電力供給を遮断したり、自動的に安定させたりして、運転者の危険を最小限にしようと試みる。フェラーリの研究チームが特許申請書で述べているように、「運転者には自己を見誤る傾向がある。ことに運転技術、さらには心理状態を過信する傾向があることは重大だ」からだ。 

 米フォード・モーターの研究チームは、シートベルトについた呼吸センサーやハンドルについた心拍センサーといった医療モニターから得た情報をダッシュボードにあるマルチメディアシステムにつなぐことを検討している。 

 自動車メーカー各社は、医療モニターを搭載した自動車が運転を続けたいと考えている高齢者に受け入れられることを期待している。 

 高齢者向けのイノベーションについて研究している米マサチューセッツ工科大学加齢研究所(AgeLab)の研究者ブライアン・ライマー氏は、「高齢者に運転を続けてもらいたいのであれば、彼らをサポートするシステムの統合が重要だ」と話した。

記者: Joseph B. White

ビデオゲームに興じることで人の脳は変化

2012-11-29 08:42:38 | 健康
ビデオゲームに興じることで人の脳は変化
wsj日本版から
ビデオゲームに興じることで人の脳は変化する。大学の研究者らによると、多くの場合、その変化は良い方向のものだという。

 ゲームに興じると創造力、決断力、認識力が伸びることを示唆する大学の研究結果が相次いでいる。具体的な利点は外科医の視覚と手の動きの連動性の向上から、夜間の運転能力向上に結びつく視力の変化まで、幅広い分野に及ぶ。

 研究によると、アクション系ゲームをした人の場合、正確さを失わずに決断するスピードが他者より25%早くなった。確かに、別の研究でも、熟練したゲーマーは1秒間に最高で6回、ものごとを選択した上で行動することができることがわかっている。これはほとんどの人より4倍早いという。さらに、ロチェスター大学の研究者らによると、熟達者は混乱することなしに同時に6つのことに注意を払うことができる。通常は4つまで注意を払うことができるという。これらの研究はゲームを販売する企業とは関係なく、独自に実施された。

中国朝鮮関係小史2

2012-11-28 08:53:42 | 歴史
中国朝鮮関係小史1からの続き

●朝鮮戦争出兵による影響

 この論争は、彭徳懐の失脚となるが、朝鮮戦争への参戦は、のちの毛
澤東の経済政策である『大躍進』の失敗と重なり、中国の経済に深刻な影響
を与える事となった。

 毛澤東は、この失敗により、国家主席の地位を劉少奇(リュウショウキ)
に譲った。

 柔軟な考えをもつ劉少奇は、これまでの政策を改めた。
 それは、毛澤東の目には、共産主義の否定を意味する。

 これ以後の毛澤東の闘争が、やがて『文化大革命』となる。

 『文化大革命』は文化を名目にしているが、実態は『政治闘争』であった。

 中国全土に、多くの損失、損害、打撃、悲劇、混乱、喪失、破壊、荒廃を
もたらし、中国の発展を10年は遅らせたと言われる。

 一説では、抗日戦争の人的、物的損失にも匹敵するといわれてもいる。

 
●大国のエゴ

 中国は、多くの犠牲を払いながら、朝鮮半島北部、つまり自国と国境を接
する地域に、共産主義の国家を存続することができた。

 では、なぜ、中国は、共産主義の国家を存続させようとしたのか。

 自分勝手なことだが、大国は、他の大国と境を接したくないのだ。

 歴史上の例を見てみよう。


●アフガニスタンの『ワハン回廊』

 世界地図で、中央アジアのアフガニスタンを見よう。

 アフガニスタンの国土が、パキスタンとタジキスタンをかきわけて、中国
に伸びている。

 この細長い地域を『ワハン回廊』と言う。

 この『ワッヘン回廊』の成り立ちは、いまから130年以上前に遡る。

 現在のインド、パキスタン、バングラディシュが、『インド帝国』として、
イギリスの統治下にあった時代である。

 同時に、帝政ロシアも伝統的な『南下政策』により、インドへの進出を図
っていた。

 イギリスとロシアの勢力が衝突する場所が、アフガニスタンである。

 大国は、表面では『対決』を呼号していますが、裏面では『話し合い』を
している。

 おそらく、この『ワハン回廊』も、イギリスとロシアの密約により、出来
上がったものだと考えられる。


●中国から見た北朝鮮の存在価値

 話を戻して、なぜ、中国が北朝鮮を残したかという問題。

 第一は、北朝鮮を自国防衛の防壁にすること。

 もし、朝鮮半島全体が韓国により統一されれば、国境の鴨緑江の対岸に
『星条旗』を見ることになる。

 鴨緑江で見るよりは、38度線で見るほうが、気分的には良いに違いない。

 核ミサイルがどんなに発達しても、『距離は最大の安全保障』と言える。
 第二が、直接にアメリカ、およびアメリカの影響力が及ぶ国と国境を接し
たくないという、大国の心理。


この心理を乱すものに対しては、中国は、いかなる手段も取る。

 その相手が、北朝鮮であってもである。

人工知能実現?

2012-11-27 09:01:03 | 科学
wsj日本版から

IBMのコンピューター「ディープ・ブルー」が1997年にチェスの世界チャンピオンだったガルリ・カスパロフ氏に勝利したとき、チェスは論理のゲームにすぎない、だからディープ・ブルーの勝利は大きな意味のある成果とも、驚くべきこととも言えない、と識者らは論評した。比喩やだじゃれ、ユーモアなど人間の言語が持つ機微を習得する芸当はコンピューターには到底無理と思われていた。昨年、IBMが生み出した新たなコンピューター「ワトソン」はこうした課題を克服し、米人気クイズ番組「ジョパディ!」で勝利を収めた。人工知能が人間の能力と競い合う可能性についてそろそろ真剣に考える時期なのではないだろうか。

 発明家で未来学者のレイ・カーツワイル氏は新著「How to Create a Mind(知性の作り方)」の中でこの意見に賛成している。カーツワイル氏は人間の脳を完全に解明して、そっくりの人工知能を作れる時代は多くの人の予想よりはるかに近いと考えている。カーツワイル氏はこれまで技術の進歩を見事に言い当ててきた。したがって、カーツワイル氏の意見は傾聴に値する。

 「人間の脳はあまりにも入り組んでいるため、理論的に理解するのはほぼ不可能」という考え方が流行っている。例えば、マイクロソフトの共同創業者のポール・アレン氏は最近の記事で、IBMのワトソンとカーツワイル氏の両方を批判した。ワトソンの知識は不安定で、特定の領域に限定されており、カーツワイル氏は脳のあらゆる構造が「特定の物事を行うように進化によって精密に形成されてきた」ということを理解していない、というのがアレン氏の主張だ。アレン氏「複雑性というブレーキ」があるため、脳の働きを理解して複製を作ろうとしても、その試みは必然的に制限されると断定している。

 カーツワイル氏が新著の中で示した答えには説得力がある。まず第1に、脳は比較的小さく単純な情報量で構成されている。脳のゲノムは2500万バイトだ。脳の複雑性は秩序だった成長と精巧さに由来する。第2に、脳には大量の重複情報が含まれている。特定の基本パターン認識は脳のさまざまな領域でおそらく3億回繰り返されている。第3に、ハーバード大学医学大学院のバン・ウェディーン氏が同僚とともに最近の研究で発見したように、脳の大部分ではマンハッタンの街を走る通りとエレベーターのように、神経線維の束が横に並んでいて、その束がそれぞれ垂直につながっている。

 その上、人工知能システムの設計は人間の脳が発達してきた方法と一致している。カーツワイル氏は進化的アルゴリズム(手の込んだ試行錯誤、とでも言おう)を使って、今、私たちが当たり前に思っている音声認識ソフトを自ら開発した。

 カーツワイル氏は人間の脳を、認識パターンがどのように発展するかを予想することで機能する機械の集合体と考えており、この点でイノベーターから脳神経科学者に転向したジェフ・ホーキンス氏と一致している(ホーキンス氏は携帯情報端末「パームパイロット」を発明した人物だ)。われわれがある視覚イメージの断片を組み立てるとき、情報は基本的なパターン認識機能から取り入れられ、(神経線維のグリッドを通じて)高次の抽象認識に統合される。一方でまた、情報は抽象認識からパターン認識に下り、視覚イメージに欠けている部分や変化した部分についてパターンを予測することもある。予測がうまくいかないときは「驚き」として認識され、(グリッド状の神経線維を通じて)脳の高次の階層に運ばれ、意識的に分析される。

 この構図がおおむね正しければ、脳の複製は不可能ではない。技術者はかつて、回路の幅を5ミクロンにしようとしていたころは、1ミクロンにすることなどできないとばかにされていたが、今では0.022ミクロンを実現した。「人間の脳の構造を調べるプロジェクトは同じように進歩している」のだから、悲観的主義者は正しくない、とカーツワイル氏は言う。

 カーツワイル氏はさらに、脳は基本的にリニアな(線形の)組織で、連続して情報を処理していると主張している。だから、われわれは技術の進歩に生じる非線形の流行を把握するのが非常に難しいと感じるのかもしれない。ハードウエアとソフトウエアの両方が急激な変化を遂げるなかで、今後数十年の間に人間の脳がシリコン上に再現されることは絶対にないと言い張るのは、ばかげているし、賢明なことではない。

記者: Matt Ridley

中国と朝鮮半島の関係小史1

2012-11-25 08:55:55 | 歴史
朝鮮半島の『三国時代』

 北朝鮮をめぐる問題の『キーパーソン』は中国である。

中国と朝鮮半島との関係は、紀元前2世紀に、前漢王朝による朝鮮半島北
部に置かれた楽浪郡に始まる。

 朝鮮半島の歴史には『三国』という時代があった。

 中国の『三国時代』は、魏、蜀、呉であるが、朝鮮半島では、新羅、百済、
そして高句麗である。

 百済は日本との関係が深く、仏教も百済から日本へ伝えられた。

 百済滅亡時に、多くの百済人が日本に渡来し、日本の文化に貢献した。


 高句麗は、三国では、最も広大な領域を国土としていた。

 その多くの領域が、現在の中国東北部にあった。

 三国の抗争の後、新羅が当時の超大国である唐の援助により、朝鮮半島を
統一した。

 新羅の後の高麗は、モンゴル族の元朝に従属を余儀なくされた。

 そして、フビライの命によって発進する日本遠征軍に加わり、日本の領土
に進攻した。

 朝鮮半島の国家は、『外敵』による軍事進攻に対しては、自力では対処で
きず、中国の支援によって、その独立を守ってきた。

 それは、16世紀末の秀吉の朝鮮出兵、20世紀の朝鮮戦争であった。

 秀吉の朝鮮進攻では、明朝の正規軍により、朝鮮戦争では、前年に成立し
た中華人民共和国の毛沢東が派遣した『抗米援朝義勇軍』により、救われた。

 明朝は、この援軍派遣による財政難により、滅亡が早まったといわれている。


●『抗米援朝』による朝鮮出兵

 『抗米援朝』は、美(中国語によるアメリカの略語)に対抗し、朝(北朝
鮮)を援助するという意味。

 名称は『義勇軍』ですが、実態は正規軍。

 朝鮮戦争で、朝鮮半島に派遣された『義勇軍』の指揮官は、1945年ま
で戦った日本軍とは、質量ともに桁違いに圧倒的なアメリカ軍の戦力を、い
やというほど見せられた。

 もはや、ゲリラを主体とする人民戦争の時代ではない、そう主張する代表
が、国防部長(国防相)の彭徳懐だった。

 この主張は、毛澤東の考えを否定するものだったため、共産主義中国の支配
体制の亀裂、崩壊にもつながるものだった。

電子メールの傍受を阻止する方法 WiFiでもこれなら安全

2012-11-24 08:34:21 | パソコン
wsj日本版から

電子メールを送信すると、インターネット接続業者(ISP)といくつものメールサーバーを経由して相手先のパーソナル・コンピューター(PC)に届くことになる。

 ネットワーク管理者やISP、もしくは警察などの法執行機関が、知らないうちに電子メールを傍受し、中身を読んでしまうことはできるだろうか。その可能性は低いが、それでも電子メールのプライバシーは望まれるほどには確保されていないかもしれない。そこで、電子メールの安全を確保する基本ステップのいくつかを挙げてみる。

 第1に、通信プロトコルに暗号化機能を追加した「HTTPS Everywhere」を使うことだ。HTTP通信をセキュア(安全)に行うHTTPSを使えば、PCとメールサーバー間のすべての通信が暗号化され、仮に傍受されたとしても意味不明な文字の羅列にしか見えない。

 第2に、例えばホテルのロビーなど、公共の場で無線LAN接続のWiFi(ワイファイ)を使って電子メールのアカウントにアクセスする際は、VPN(仮想閉域網)サービスを使用してサイトにアクセスするのが良いかもしれない。一部のサイトにしか使われていないHTTPSと違い、VPNサービスは個人のPCとインターネット間の通信をすべて暗号化し、WiFiからの傍受を防いでくれる。トンネルベアーは無料のVPNソフトウエアで、「ウィンドウズ」搭載のPCおよび米アップルの「Mac(マック)」で利用可能だ。設定は必要ない。ただ「ノブ」を「ON」にすれば保護される。

 次に、電子メールで極秘のメッセージを送信する際は、メッセージを暗号化することだ。ほとんどのユーザーにとって暗号化という言葉は複雑に聞こえるかもしれない。しかし、コンセプトの理解も実行も簡単だ。

 やり方はこうだ。電子メールをプレーンテキストで作成したら、暗号化プログラムが文字にスクランブルをかけ、解読不能にする。この暗号化されたメールを受け取る相手は、秘密のカギで解読し、元のメッセージを読むというわけだ。暗号化されたメッセージは、この秘密のカギがなければ意味不明なままだ。

 メッセージの暗号化するためのさまざまなアルゴリズムが存在する。最も人気があり、安全な暗号化ソフトはPGP(Pretty Good Privacy)だ。

 まず初めに、電子メールのアドレスと秘密のパスフレーズを入力する。PGPはこれを使って、入力者だけのパブリックキーとプライベートキーを作る。このパブリックキーを、暗号化されたメッセージを交換したい友人同士で共有するのだ。友人らも同じように自分だけのパブリックキーとプライベートキーを作り、パブリックキーを仲間で共有する。手続きは1度だ。

 あとは電子メールを通常通り作成し、送信ボタンを押す前に、PGPプログラムで友人のパブリックキーを用いてメッセージにスクランブルをかければいい。この暗号化されたメッセージを受け取る相手は、プライベートキーで簡単に暗号が解けるのだ。相手が返信をする場合も手順は同じだが、相手がメッセージを暗号化するのに使うのはこちらのパブリックキーだ。

 これがPGPの大まかな使い方だ。クロームの拡張機能「アドオン」で、暗号化・非暗号化機能をウェブメールに与える「Mailvelope」を使えば実行もシンプルだ。このアドオンが秘密のカギを作り、友人たちのカギを保管してくれる。何よりも素晴らしいのは、暗号化されたテキストを自動的に見つけ、クリック1つで暗号を解いてくれるところだ。

記者: Amit Agarwal

現代中国インドシナ関係小史2

2012-11-23 09:20:56 | 歴史

●北ベトナムに中国軍!

 この『北爆期』に、北ベトナムには、外国である中国の軍隊が駐留していた。

 これらの中国軍は、防空部隊として、対空ミサイル、高射砲により、アメ
リカ軍機を迎え撃っていた。

 中国軍の将兵は、北ベトナム正規軍の軍服を着用していた。

 北ベトナム国民や外国人の目から、中国軍の存在を隠すためであった。

 戦時下の北ベトナムに負担をかけないため、そして中国軍将兵と北ベトナ
ム国民を接触させないため、必要物資は、すべて中国から送っていた。


戦場でない後方の防空戦闘でも、死傷者も出ていたはずである。

 しかし、『戦死者』の記録には、『北ベトナムで戦死』の文字はないであろう。

数は少ないながら、中国もベトナム戦争では、犠牲をだしている。


●戦い終わって、新たな戦い

 ベトナム戦争が終わり、共通の敵がなくなると、かつての盟友同士が争い
を始めた。

 最初は、ベトナムとカンボジアである。

 両国の仲の悪さは、数百年の歴史が示している。

 そのカンボジアの背後には、中国が存在する。

 ベトナムはそれに対抗するため、ソ連に接近した。

 インドシナ半島では、ベトナムとカンボジアによる、ソ連と中国の代理戦
争がやがて始まる。

 統一されたベトナム国内では、経済の実権を握っている、中国系国民の迫
害が始まり、多くの難民が発生した。


1978年12月、ベトナムは、反ベトナム政策のポルポト政権を打倒す
るため、カンボジアへ侵攻した。

 翌1979年1月、親ベトナムのヘン・サムリン政権が、プノンペンに成
立した。

 ポルポト政権は、タイ国境に移転し、ベトナム軍との戦闘を続けた。

 カンボジア国民の苦難は、終らなかったのである。

 この状況を見た中国は、『ベトナムに教訓を与える』を名目にした『ベト
ナム懲罰』の軍事行動を起こした。

  いわゆる『中越戦争』です。

 当時、ベトナム軍の精鋭部隊はカンボジアに向けられており、中国との国
境には、ニ級の正規軍と地方軍だけが駐留していた。

 ところが、中国軍は、それらのベトナム軍の抵抗のため、甚大な損害をだ
して、作戦を終了していた。

 この教訓が、以後の中国の『四つの現代化』政策の中の『軍の現代化』に
つながるのである。

路上生活の男児5人がごみ箱内で死亡、中国社会-格差社会に怒り

2012-11-22 09:15:35 | 経済
wsj日本版から

5人の少年たちが遺体で発見されたごみ箱
中国南西部の貴州省畢節(ひっせつ)市で大型ごみ箱の中で暖をとろうとしていたホームレスの男児5人が死亡する事故が発生した。中国社会に衝撃を与え、インターネット上では国内の貧富の格差に対する怒りの声が広がっている。 国営新華社通信が20日、警察当局の話として報じたところによると、死んだのは9歳から13歳までのストリート・チルドレン(路上で暮らす子どもたち)で、寒さから身を守るためにごみ箱の中で火を付けた。そして、一酸化炭素中毒にかかって死亡したとみられている。5人の遺体は16日に発見された。

 マッチで暖を取ろうとして、大みそかに亡くなる貧乏な少女を描いたハンス・アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」をほうふつさせる事故で、ショッキングなニュースとして報じられている。子どもたちが住んでいた畢節市は炭鉱が豊富にあるものの、貧しく、汚職がまん延している都市として有名。住民の多くは出稼ぎに出て、子供の養育を祖父母や親戚に委ねているケースが少なくない。

 この事故のニュースは、ミニブログの「微博」で注目ニュースのトップ近くになった。あるブロガーは「マッチ売りの少女の話は資本主義社会だけで起きるものだと思っていた。中国の社会制度は優越感をもたらすものなのだろうか」とつぶやいた。

 子どもたちの死亡のニュースは、中国共産党大会が開催され、退任した胡錦濤党総書記が演説で「共産党の指導で、人民は貧困から脱し繁栄を享受するようになった」と胸を張っただけに、演説と現実との落差を際立たせるものとなった。

 新たに総書記に就任した習近平氏にとって、貧富の格差はさまざまな問題のうち最優先課題のうちの1つで、米テキサスA&M大学のガン・リー教授賀が最近実施した調査によると、中国の所得層上位10%が所得全体の56%を占め、貧富の格差は一部のアフリカ諸国以上に広がっている。中国が経済改革に着手した1978年には、ほとんどの世帯の所得はほぼ同水準だった。

 ネット上では、政府よりも死んだ男児の親を非難する書き込みもあったが、多くの怒りの矛先は政府に向かっている。あるブロガーは「都合が悪い時は最初に指導者が逃げ出すような社会で、誰が貧困層やホームレス、孤児のことを考えるのか」と、政府を批判した。しかし、このコメントはしばらくして削除された。

記者: Josh Chin

グーグル、iPhone向け地図アプリを準備

2012-11-19 16:23:29 | パソコン
wsj日本版から

グランドキャニオンで地図ソフト用画像を収集するグーグルプロダクトマネジャーのライアン フェラー氏
アップル AAPL +0.39% とグーグル GOOG -0.01% が携帯端末向け地図アプリケーションをめぐり、直接対決を繰り広げる日が近づいている。

 グーグルは、アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)iPhone(アイフォーン)向けの新しい地図アプリケーションのテスト版を社外の一部の人々に配布している。これについて直接知る人物が明らかにした。グーグルはアップルのiTunes(アイチューンズ)ストアへの申請を前に、アプリの最終調整を行っている。ただし申請の正確な時期は明らかでないという。グーグルの新しい地図アプリは、アイチューンズストアでの配信が認められれば、アップルの携帯端末にプレインストールされている新しい地図アプリと直接対決することになる。

 アップルの広報担当者は、承認申請されていないアプリについてのコメントはしない方針だと述べた。アップルは最近、グーグルの新しいアプリやアップデート版をいくつか承認している。

 グーグルの広報担当者は、「グーグルマップが世界で最も包括的で、正確で、使いやすい地図だと信じている。グーグルの目標は、どの端末、ブラウザー、基本ソフト(OS)を使用していても、希望する人すべてがグーグルマップを使えるようにすることだ」と話した。

 両社は最近、地図アプリをめぐって争っており、携帯端末からデジタルメディアの販売に至るあらゆる分野で対決姿勢を強めている。地図は端末使用の将来において最も重要な要素の一つだと考えられている。地図は行き先や買い物場所を見つけやすくするためなどに使う次世代アプリの下地となるからだ。

 アップルは9月半ば、アイフォーンと多機能端末iPad(アイパッド)向けの最新ソフトであるiOS6を発表し、端末にプレインストールされていたグーグルマップをアップル独自の地図アプリに入れ替えた。アップルはグーグルの動画サービス「ユーチューブ」のアプリも排除した。このアプリも地図アプリと同様、全ての端末にプレインストールされていた。プレインストールされていたグーグルのアプリはともに、グーグルのデータを基にアップルが作成したものだった。

 しかし、アップルのグーグルマップを排除する動きは裏目に出た。多数の消費者からアップルのアプリのデータに不正確な点が多すぎるとの不満の声が上がったからだ。騒動を受け、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は公式に謝罪した。アイフォーン向けソフトの責任者、スコット・フォーストール氏は公式に謝罪するのを拒否した。これはフォーストール氏と他のアップル幹部との長年にわたる対立を際立たせるきっかけになり、クックCEOは先月、フォールストール氏を同社から追い出す決定を下した。

 アップルは引き続き地図ソフトのバグの修正に取り組んでいる。地図チームは現在、エディー・キュー上級副社長(インターネットソフトウエア・サービス担当)の指揮下にある。関係者によれば、キュー氏は地図チームと直接関わり、ソフト改善のための定例の会合にも参加している。

 関係者によると、新しいアイフォーン向けのグーグルマップアプリには、ターンバイターン方式のナビゲーション機能が含まれるとみられている。これは運転中、携帯端末をGPS機器のように使えるようにする機能だ。これまでのアップル端末向けソフトにはターンバイターン・ナビ機能が入っていなかった。このソフトの他の側面をめぐり、両社の意見にさまざまな食い違いがあったことが一因だった。

 ナビゲーションは、グーグルのOSであるアンドロイドを搭載する携帯端末向けのグーグルマップで最も人気の機能の一つだ。アンドロイド端末には、検索エンジン、電子メールのGメール、それにユーチューブといった他のグーグルのサービスと一緒に、グーグルマップがプレインストールされている。

 さらに、グーグルは新しいアイフォーン向けアプリからより多くの収益を上げられる可能性がある。地域企業の広告をより多く表示させたり、収益を生むグーグルの他のサービスと連携させたりすることが可能になるからだ。

 グーグルは、より信頼できる地図サービスを提供することによって、アップルの地図アプリの現況に不満を持つ一部のアップル製端末ユーザーの心を新たにつかめる可能性がある。

 これと同様に、アップルのユーチューブを外すという決定は、グーグルにかなりの収益増をもたらすとみられている。

 アップルがアイフォーンとアイパッド向けの最新ソフトへのアップデート版を提供する前であったにもかかわらず、グーグルは9月にダウンロード可能なアイフォーン向けユーチューブアプリを公開している。アイパッド向けも現在開発中だ。アップルが承認して以降、アイフォーン向けユーチューブアプリはアイチューンズストアでダウンロード可能な無償アプリの中で最も人気のあるものの一つになっている。

 アップルにコントロールされていた古いユーチューブアプリと違い、新しいアプリには収益性の高い動画広告が入っている。こういった広告は、ユーチューブがグーグルにとって数十億ドル事業に育つ推進力になってきた。

記者: Amir Efrati、Jessica E. Lessin

スマホ料金、米家計を浸食中

2012-11-17 09:15:59 | 暮らしの中で
wsj日本版から
ステフェンさん夫妻は故郷のサウスダコタ州ミルバンクに近い湖を一望できるレストラン、ソダック・ショアーズでほとんど毎週、ステーキを食べていた。ところが二人が米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)」を持つようになってから、柔らかなリブアイステーキにお目にかかれる機会がめっきり減った。

 妻のハイジさんは「毎週末、私たちは何かしらのことをしていた」と話す。「今はだいたいひと月か、ふた月に1度外出するだけだ」と正看護師のハイジさんは言う。夫はタイヤショップで働いている。


Bloomberg
 携帯電話を所有する米国人の半数超はアイフォーンのようなスマートフォンを持っている。これが米国中の家計を不安定にした原因だ。政府統計によると、過去4年間、米国民の支払う電話料金は増え続けた。一方、外食費や衣服費や娯楽費が削られた。レストランやアパレル、映画などの各業界でそれは顕著に表れている。

 この綱引きは激しさを増すばかりだ。携帯電話サービス会社は新しい通信網による高速サービスの提供と利用量に応じた料金プランにより、さらに高い料金を支払わせることができると踏んでいる。携帯電話所有者は、生活に欠かせないものや欲しい物への出費と新しい技術に対する興味のせめぎ合いで、どこまで支払えるのかを試されている。

 これまでのところ通信事業会社の勝ちだ。米労働省が25日に発表したデータによると、米国民が昨年電話会社に支払った料金は前の年より4%以上増えた。2005年以降で最大の伸び率だ。リセッション(景気後退)の最中と後、消費者は幅広い項目で支出を減らした。

 しかし、ますます多くの人が200ドル(約1万5500円)のスマホと、月約100ドルの電話料金を支払うようになり、平均的な世帯が年間に使う電話関連費用は1226ドルとなった。初めてアイフォーンが販売された07年は1110ドルだった。

 スマホが2台以上ある世帯ではすでに平均よりはるかに多い費用――年間4000ドルを越える場合も――を支払っている。ケーブルテレビや家庭でのインターネット代を優にしのいでいる。

 この傾向はベライゾン・ワイヤレスやAT&Tのような通信事業者にとって恩恵となってきた。スイス金融大手UBSの複数のアナリストによると、無線通信業者は07年に、携帯メールやウェブの閲覧といったサービスから220億ドルの売り上げを得た。これが11年には590億ドルへと急伸した。UBSは17年までに、無線通信業者の売り上げが年間でさらに500億ドル増えることになるのではないかと予測している。

 ただ問題は、家計の他の部分の切り詰めが耐えがたいものになるまで、携帯業界がどこまで請求書の額を増やせるかだ。

 カリフォルニア州レッドランズの高校で経理を担当するメリンダ・ツアーズさんは家族で4台のスマホにすでに月300ドル近い料金を支払っていると言う。ツアーズさん夫妻は以前より増えた電話料金を支払うため、外食や特別な行事、コンサートなどを控えることになったという。

米国の家計に占める支出タイプの割合の変化
 ツアーズさん一家の電話料金はさらに膨らむかもしれない。スマホの契約のうち2つはデータ通信無制限の料金プランだ。そのためツアーズさんは、テレビドラマも毎日、スマホでみている。そろそろ新しいスマホが欲しいのだが、彼女が契約している通信業者のベライゾンは今夏、新しいスマホを補助金付きで買った場合、データ通信無制限の料金体系を使えないことにしてしまったのだ。

 もし新しいスマホで毎日30分テレビを見ると、ほかに何もしなくとも電話料金は月120ドルになる。

 だが、ここでいくつかの疑問が生じる。増えた電話料金はどこからねん出されているのだろうか。労働省によると、米国人はの電話料金は11年に07年より年間で116ドル増えた。同じ期間、世帯の総支出はわずか67ドル増えただけだ。

 一方、外食費は48ドル減少し、被服費は141ドルの減少、娯楽費は126ドル減った。いずれもインフレ率は調整されていない。

 また、米国人が固定電話に支払う料金は減っているため、電話サービス全体への支払いが増えているということは、携帯電話の支払い増がもっと大きいことを表している。

 携帯電話業界の幹部や投資家らが期待する売り上げの増加は、高収入の世帯から得られる可能性が高い。しかし、低収入のユーザーからも業界は多くの収益を得ている。

 調査会社ピュー・リサーチ・センターによると、米国人の10人のうち9人近くは携帯電話を所有している。労働省によると、中間所得層は11年、電話サービスへの支払額を59ドル増やした。上から20%の所得層が増やした64ドルにほぼ匹敵する。

 ただ、携帯電話の料金が増えるにつれて、ほかの家計項目による相殺は苦しくなる。いずれどこかの時点で消費者による支出増が脅かされるか、もしくは減速されることになろう。

記者: Anton Troianovski