よねの備忘録

お勉強問題が中心。
政治を語るときは、ネトウヨです。

エビデンスばか

2019-02-22 22:14:27 | 医療の話

(前略 引用開始)

医学的にも舌がんの情報は少ない

 舌がんに関する「記事数」が少ないというのは、医師でも同じだ。
専門家にとって「記事」とは学術論文のことを指す。学術論文を介して、
最新の情報をシェアする。

 アメリカ医学図書館のデータベースを用いて、検索したところ、
「舌がん」という単語をタイトルに含む論文は過去に695報しか発表されていない。
水泳の池江璃花子選手が発症して話題となった白血病については、
「白血病」という単語をタイトルに含む論文は11万8361報も報告されている。
実に170倍だ。
 舌がんに関する情報は、一般社会は勿論、医師の間でも
充分にシェアされているとは言いがたい。このような状況では、
しばしばミスや誤解が生じる。

 例えば、「堀さんの舌がんを医者が見逃した」という指摘だ。
確かに、堀さんのブログを読めば、そう解釈するかもしれない。

 彼女のブログによれば、最初に舌の裏側の口内炎に気づいたのは昨年の夏だ。
「病院で診ていただきまして、そのときは塗り薬や貼り薬、
ビタミン剤などを処方してもらいました」とある。

その後、11月になって堀さんはかかりつけの歯科医を受診する。
レーザー治療を受けたようだが、「それでも治らず、そのうちに、
舌の裏側だけではなく、左の側面にも、固いしこりができてしまいました」
という。この時点で舌の中のほかの場所に転移していたことになる。

 実は舌がんは転移しやすいことが知られている。
初診時に30~40%が転移を認めるという報告もある。

歯医者はがんの診察をしない

 読者の多くは歯科医なら口腔がんについて詳しいとお考えかもしれない。
「なぜ、このときに舌がんと診断しなかったのか」と思うのも当然だ。
ところが、それも難しい。

 歯科医の多くは日常診療でがんを扱わない。2016年の厚労省の
「医師・歯科医師・薬剤師調査」によれば、
開業している歯科医8万9166人中、口腔がんを扱う口腔外科専門医は
909人しかいない。わずか1%。病院勤務医でも9.5%である。
大部分の歯科医は学生時代や研修医時代に口腔がんについて学ぶが、
その後、診療する機会はない。

さらに、堀さんにとって不幸だったのは、関節リウマチで治療中だったことだ。
標準治療薬はメトトレキセート(商品名リウマトレックス)だ。
その添付文書によれば、服用者の20.1%に何らかの副作用が生じ、
肝機能障害と並んで多いのが口内炎で2.2%の患者に生じていた。
この数字は、臨床現場では「よく見かける副作用」と解釈される。

実は、筆者もかつて舌がんを見落としたことがある。
その患者は白血病を患っていた。骨髄移植を受けて白血病は治ったが、
移植後に慢性移植片対宿主病(GVHD)という免疫反応が起こり、
治療に苦慮していた。

 慢性GVHDの治療の最中に舌に違和感を訴え、口内炎ができた。
口内炎は慢性GVHDの症状の1つだ。筆者は舌がんの可能性などまったく考えず、
経過を観察した。痛みが伴わないことにもあまり注意を払わなかった。

 患者さんの多くは我慢強い。こちらから聞かないと「口内炎が痛いです」とは
言わない人もいる。筆者は「口内炎だから多少痛みはあるだろう」と
勝手に考えて、それ以上の質問はしなかった。
この結果、「痛みがない口内炎」を見逃した。

(後略 引用終了)
______________________________

この文章を書いたのは、腫瘍内科の先生のようです。

失礼ながら、「触診」を述べていない点で、
「頭頚部がん」(のどや口腔のがん)には疎いことがわかります。
「触診」をしていれば見つかっていたのは、
前のエントリーで述べました。
____________________________

よねが気にかかったのは、舌がんの論文が、白血病の論文より
少ないから、医師が舌がんについて慣れていないがごとく
書いている点です。

論文になる、というのは、何か新しい発見があった、
ということを意味します。

白血病の抗がん剤は、日進月歩。
次々、新薬が登場しています。
ですから、論文の数も増えます。

たいして、舌がんの治療の主体となる、手術や放射線治療は、
そうそう新しい発見があるわけではなく、
だから論文の数も少ない。

こういう「論文」を根拠に、ピントのずれた議論をするのを
個人的に「エビデンスば〇」と、よねは呼んでいます。
____________________________

ちなみに、よねは、舌がんは、100名ぐらいの
患者を診たことがありますよ。

コメント (3)
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触診は大事です。

2019-02-20 20:33:42 | 医療の話

(引用開始)

①最初は昨年夏頃に、
 舌の裏側に小さい口内炎ができました。

 治りが遅いので、
 病院で診ていただきまして、
 その時は塗り薬や貼り薬、
 ビタミン剤などを処方して貰いました。

 
②しかし11月になっても、
 少しも良くならず、
 酷くなる一方。
 
 痛みも増して辛くなり、
 掛かりつけの歯科医院に行き、
 診察を受けました。
 
 そして何度かレーザーで、
 焼いて貰ったりもしました。
 
③それでも治らず、
 そのうちに、
 舌の裏側だけではなく、
 左の側面にも、
 固いしこりができてしまいました。
 
 私は2016年にリウマチなど、
 二つの病気を患っており、
 薬を飲みながらの治療中でした。
 
 その科の定期検診の際にも、
 主治医に相談したところ、
 
「飲んでいる薬の副作用の1つに
 口内炎の症状が出る事もよくあるので
 薬を暫くストップして様子を見ましょう」
 
 との事でした。
 
 次の診察は翌年の2月となっており、
 それまでには徐々に良くなると、
 信じていました。
 
④ところが年が明けても、
 良くなるどころか、
 酷くなる一方で、
 しこりも増え続け、
 左側の舌に激痛が走り、
 やがて食べ物が沁み、
 喋るのが辛くなり、
 眠っていても痛みで、
 夜中に目が覚めてしまうように、
 なってしまったのです。
 
 さすがにこれは口内炎ではないと…
 最悪は舌癌かも知れないと…
 
 自分でスマホで、
 舌癌を検索してみたところ、
 私の舌の症状と同じような画像が、
 たくさん出てきました。
 
 朝になり主人に相談して、
 急いで大学病院に行きました。
 
 それが1月21日の事です。
 
 主人は仕事がありましたので、
 一人で病院へ行きました。
 
 主治医の先生の所見で、
 悪性の舌癌の可能性が高いという診断。

(後略 引用終了)

堀ちえみさんのブログから引用しました。

①~④の番号は、よねが振ったものです。
_________________________

よねが不思議に思いましたのは、
なぜ、①~③のどこかで、医師は触診をしないのか、
という点でした。

がん、というのは正常な舌や筋肉に違い、
硬いしこりとなって触れることができます。

乳がんでも、乳房にしこりを自分でさわり、
その段階で早期がんが見つかるケースは、
相当に多いです。

ましてや、舌は上下から挟むことができますので、
触診をすれば、しこりを触れるはずです。

今日、耳鼻科、口腔外科の先生方とカンファレンスが
ありましたので、①~③で触診をすれば分かりますよね、
と話しを振ったら、

「治りが悪い口内炎を見つけたら触診しますけどね。」
とのことでした。

市内の開業する歯科医の先生に啓蒙すべき申し上げたところ、
「ちゃんと早期で送ってくださる先生が多いですよ。」
とのことでした。
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上小阿仁村

2019-02-15 11:30:10 | 医療の話

上小阿仁村のことをよねが知ったのは、
ネット上の評判を見たからです。

あるベテラン女医さんが「いじめ」で辞めた。

 ・診療中に休憩して昼食替わりのパンを買いにいったら、
  「患者を待たせるのか」と非難された。
 ・夜間に来る患者さんのために
  自費で照明を設置したら、税金の無駄づかいと非難
 ・お盆も診察して、8月17日に代休をとったら
  平日にさぼるのかと非難

(引用開始)

「D先生は本当に献身的に村のために頑張ってくれた方なんですよ。
辞意表明をされたとき、村民から600以上の署名が集まり慰留されたほど。
いじめをしていたのは5、6人らしいですが、
先生は犯人が誰かを明かさなかったので、みんな真相を知らない。
あといたずら電話も頻繁にあったみたいです。でも、辞めた後に
いじめくらいで辞めるなんて、これだから女は』と
いう厳しい声もありました。この村は男尊女卑の激しい地域。
女医というだけでやりづらかったと思います」(村に住む60代女性)

(引用終了)

これが7年か8年前のお話。

そして・・・

(引用開始)

医師不在で処方箋発行、上小阿仁村

秋田県上小阿仁村国保診療所が5日から7日までの3日間、
内科医の柳一雄所長(80)が不在で患者を診察していない
にもかかわらず、処方箋を発行していたことが8日分かった。
無診察での処方箋の発行は医師法に抵触する行為。
県北秋田地域振興局鷹巣阿仁福祉環境部が詳しく調べている。


 診療所を運営する村によると、柳所長がインフルエンザに感染したため、
診療所の内科は5日から8日まで休診だった。
ところが、同じ薬を定期的に処方してもらっている複数の患者が
訪れたことから、看護師が柳所長と連絡を取り合い、
3日間で計44人に処方箋を発行したという。

(後略 引用終了)


いつも処方されている薬を、そのまま出すのは、
よくあることです。

病院によっては、受付画面に、診察の他に
薬のみ、のボタンがある場合もあります。

住民の誰かが「ご注進」をしない限り、
問題になることもないのですが・・

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