灘高・英語教師「きむたつ」先生のブログ
(前略)
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先生こんにちは。
最近になって先生のブログを拝見するようになったのですが、刺激となること
も多く、更新を楽しみにしています。
わたしは高3なのですが、英語の成績が伸び悩んでいて困っています。
1~2年のときは英語が好きで、国際系の学部を希望することに決めたのです
が、3年になってからはなんだか苦手意識が出てきました。
もちろん二次では英語の配点が高いので、すごく心配です。
文法問題はいいのですが、長文で点がとれません。読むのが遅いことも原因だ
と思うのですが、スピードをあげるには精読と速読、どちらを優先してどのように
対策すべきなのでしょうか?
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こういう質問が多かったので、代表してこの方の質問を取り上げさせて頂きます。
高3になってから成績が伸びないので、長文の勉強法を教えてほしいというもの。
他に「どういう問題集がいいと思うか」というものもありました。
でね、まずすべきなのは、どうして高3になって長文が読めなくなったのかを分析
することやと思うんよね。どうしてキミは読めないのか。
それにはいくつか原因がある。ちょっと列挙してみよう。
1.高3で使う教材に出てくるレベルの単語や熟語を知らない。
2.読むのに必要な文法的知識が不足している。
3.読書量が足りなくて、長い文章が読めない。
4.英語の長文を読む数が少ない。要するに英語長文に慣れていない。
まず1と2の場合、これは覚えるしかない。あるいは文法の場合、基本的なことを
理解した上で練習問題などを解いて覚えていくしかない。覚えることは大事。
単語を文脈から判断するってのも、もちろん大事ではあるが、しかしもうすでにある
程度の単語力がある人ならいいけど、そうじゃないなら先に覚えたほうがいい。
多読しながら単語を覚える方法は否定しないが、多読するためにはある程度基本
的な単語をしっかりと覚えていないと無理っていう矛盾点がある。
なので、単語と文法に関しては、とにかく徹底的に覚えることが大事。
そしてもちろんいろんなものを読みながら、知らない語や文法事項が出てきた時は
それをその都度覚えていくのだ。
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3の場合、
つまり「読書量が足りなくて、長い文章が読めない」という人の場合には
これはかなり厄介なことになる。
小さい頃から読書に親しんでこなかったわけだ。
だから例えば全訳を配られても読めない。理解できないという人がいる。
この人の場合は、英語だから読めないのではなく、その文章がその人にとっては
長過ぎるか難し過ぎるか、あるいは他の理由で、とにかく読めないのである。
この場合、その人はたぶん英語だけでなく、他の教科や科目もダメだろう。
なぜなら勉強の基本となる「読む・書く・計算する」のうちの1つがダメなのだから、
英語云々という問題ではないということになろう・
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しかしもしもそうではなく、4の場合。これならば救いがある。つまり「英語の長文を
読む数が少ない」という場合な。日本語の長い本なら読めるが、英語は無理という
パターンの生徒。これは今からでも十分間に合う。
(日本語で書かれた)文章は読める。
そして単語や文法はかなり頑張って覚えたとする。
そうしたら後は読むしかない。精読も速読もない。読書を楽しむつもりで、いろんな
文章を読むのだ。設問を解いたほうがやる気になるなら、問題集をやろう。
コツなどない。
知識的な荷物を頭に積んだら、後は出かけるしかないのだ。
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よね註
論説文(説明的文章)の読解力がなければ、中学だけではなく、
高校で、全科目の理解に多大な影響があります。