熨斗(のし)

のし(熨斗)について、趣味について、色々なことを綴っていきます

井戸の記憶

2011-02-26 21:43:34 | ひとりごと

御宝田遊水地には未だ現役の井戸がありました。

この井戸を見た途端、もう何十年も忘れていたはずの記憶が蘇って来ました。

 

子供の頃の私の家には井戸があり、この井戸だけが生活水の全てでした。

私が小学校1年生頃か、もっと小さかったのか・・・

ある日の夕方、近所の友達(おみちゃん)と、井戸水を汲み上げては

(何をして遊んでいたかは覚えていないのだけれど)遊んでいるうちに、水が出なくなってしまいました。

小さな私は思いました。

大事な水を遊んでいて枯らしてしまったから、絶対お母さんに怒られる。

それで、何度も何度も泣きそうになりながら井戸を押してみたのに・・・

水は出て来ないのです。

 

もうすぐ、お母さんが帰って来る。

夕ご飯の支度が始まる。

その時ふと思い出しました。

確か・・・

水が枯れた時はお隣の家に行って水をもらって来て入れると出るようになるんだった!!

呼び水って言ってたかな?

水を入れなくっちゃ!!

小さな私は水を探しました。

お隣にもらいに行くと、お隣のおばさんはきっとお母さんに話してしまうから・・

ぐるっと見回すと、雑巾バケツの中に水が少し入っているのが目に入りました。

やったぁ・・水だ!!

私とおみちゃんは急いでバケツの水を井戸に入れ、思いっきり押してみました。

じゃあじゃあと、又水が戻って来ました。

 

そして・・

何も知らないお母さんが夕飯の支度を始め、

その時から私の心は痛み始めました。

(井戸の中には汚れた水が入っている)・・・って言えずに、

その水で作ったご飯を、お父さんもお兄ちゃんもお母さんも食べ、

夕食後、一時間も経った頃には、

(バケツの水にはきっと毒が入っていたから、みんな死んでしまう)

小さな私の胸は張り裂けそうに苦しく、

言いたくても言えず・・・ただ涙がポロポロと流れ出しました。

でも早く言わなくちゃ、みんな死んでしまう。

お母さんの周りをうろうろ・・うろうろ。そして、

今でも思い出すくらいしゃくりあげて、泣きながら事の成り行きをお母さんに話しました。

 

「水なんてもう綺麗になっとるに」

母はさらっと、そんなような事を言った気がするのですが、その後の事はほとんど記憶に残っていません。

とりあえず、家族4人は死ななかったけど・・

今でもその時の光景と胸の痛みが蘇ってくるほど、小さな私の胸が張り裂けそうな出来事でした。

 

 

 

 


御宝田遊水地(流れ)

2011-02-26 13:28:04 | 旅行

橋の向こう側、北アルプスの見える池で白鳥達が遊び・・・この橋を渡ると・・

(橋の下の川も透明な綺麗な水です)

今まで見たこともないような美しい川の流れが、そこにありました。

 

少しでもこのきれいな水の流れが写真で現せるといいなぁ・・・としばらくカメラと格闘してみましたが・・・

まだまだ力不足で、感動の全てが表せず、残念です。

 

反対側の流れには、梅花藻という藻が、水中で花を咲かせていました。

  

ゆらゆらと揺れる水の中で、梅の花の様な白い小さな花が揺らめいています。

 

あまりの透明感に息を飲みました。

 

又、橋に戻ると、北アルプスと白鳥が目の前に拡がって来ました。

なんて贅沢なところなんだろう。

 


御宝田遊水地

2011-02-23 19:36:46 | 旅行

長野県という所は本当に素敵な県で、南の端、飯田から

南アルプスを右手に見ながらしばらく北に走ると、、南アルプスと中央アルプスとが左右に見えて来ます。

中央アルプスの木曽駒ケ岳が眼前に迫って来る駒ヶ根を抜けると、今度は遠く右前方に八ケ岳が現れて来ます。

絶える事ない山並みを見ながら、先日は松本の方に向かいました。

すぐに左手に北アルプスが見えて来ました。

3000m級の山々は真っ白で、今の時期、一際里山との雄大さの違いがはっきりしています。

 

私の大好きな安曇野に入ると、形のいい常念岳が凛凛しくー 

豊科インターで下りて北に少し走りました。

明科町にある御宝田遊水地には500羽もの白鳥や鴨が飛来していました。

    

白鷺が一羽 他の水鳥の群れから外れてじっとしています。

アルプスの見えるこんな美しい場所に、渡り鳥の飛来する池があり・・・・

     

この優雅な白鳥達、カモたちが、のんびりと泳いでいました。 

自分の住んでいる飯田の方が綺麗だと言いたいけれど・・・・

 

絶対無理です。

美しい山、白鳥、ワサビが作れるような綺麗な水と川ー全て備えた安曇野には負けるでしょう。

安曇野はいいなぁ・・・・。