熨斗(のし)

のし(熨斗)について、趣味について、色々なことを綴っていきます

経ヶ岳(2296.3)

2019-10-29 00:38:54 | 

経ヶ岳は木曽と伊那を結ぶ権兵衛峠の北側に位置し、中央アルプスの一角のようでありながら、独立した存在の山で、

登山口は伊那市の仲仙寺から登るコースと大泉所ダムから登るコースがある。

この日は大泉所ダムコースから登る事にした。

 

登山口から前日の雨に濡れながらも、紅葉が始まり色付いてきた木々を見ながら、賑やかに鳥が囀る登山道を歩き始めたのだが、

 

歩き始めてすぐ、台風19号による倒木の多さに驚く。

自然の力というのはこれほどの大きな力なのかと思い知らされる数の倒木を、跨いだり潜ったりしながら登山道を歩き、

これから登山道を整備するのは大変だろうなぁ・・と思っていたのが、

この倒木が帰りには「経ヶ岳友の会」の方の手によって、きれいに片付けられつつあった。

 

大泉所ダムコースと仲仙寺コースが合流する4合目。

5合目は静かな森の中にあり、キャンプ場にもなりそうな・・・。

紅葉がきれいだった。 

  

経ヶ岳の登山道は時々緩やかになりながらも、急登もあり、何より長い。

静かな森の中をなだらかに登りながら6合目を越え、

  

7合目に着くと南アルプスが見えた。

一数間ほど前に初冠雪となった甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳が目の前に、伊那市の街は雲の下にあった。

 

8合目は展望の良い開けた場所で、ここまででも十分と思えるくらいだった。(奥に見えるのが山頂)

8合目は美ケ原~八ケ岳~南アルプス全山と中央アルプス、伊那山地や小さな里山、天竜川の流れの周りに広がる伊那谷が一望できる。

 

ここは伊那谷育ちの人間にとって、いつまで見ていても飽きない風景だった。

 

長い長い雨の1年の中で、貴重な青空の1日。

知らない間に紅葉が進んでいた。

 

8合目から9合目までは植物も多いし、景色もいいし、お気に入りの場所だった。

 

9合目近くから山頂近くまでは、またまた倒木。

 

 

そして山頂はびっくりするほどの台風の傷跡。

 

それでも、こうした風倒木を一本一本細かく切り、安全な登山道にしてくれていた友の会の方。

ありがとうございました。

  

経ヶ岳だけで100本近い風倒木があったのだと聞きました。

黙々と木を刻みながら、今週中には全部きれいに片付けるよ・・と笑顔で言われたけど、もう夕暮れも近いのに・・・。


自然の美しさと厳しさ、人の優しさと厳しさ。

教えられる事のたくさんあった経ヶ岳登山でした。

 

晴れた日には8合目から、西側に御岳山。

東側には

八ケ岳全山と南アルプス全山(正面に甲斐駒ケ岳)伊那山地の端まで見え絶景です。

 

山を下りて見ると、この全部が経ヶ岳。

経ヶ岳は大きな山です。

 

 

 

 

 

 

 

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新穂高ロープウェイと高山祭

2019-10-13 19:56:22 | 風景

父が94歳、母が91歳になった。

いつも私が山に行った話を聞きながら、「そんな高い山にも道があるのか?俺も若ければ行くんだけ―どなぁ・・」と言う父。

一度北アルプスを見せてあげたいと思っていた、ちょうどそんな折、観光バスの日帰りツアーの募集が目についた。

「日本三大曳山祭 秋の高山祭と新穂高ロープウエイ紅葉満喫の旅」

高山祭もなかなか見ることができないし、新穂高のロープウエイに乗れば北アルプスを間近に見ることができるし、

これも最後のチャンスかもしれない。

来年はきっと無理だろう・・・・そんな事を思いながら参加申し込みをした。

秋雨前線と台風19号の間の貴重な快晴の日の事だった。

新穂高ロープウエイの乗り場までは、健康な人なら何でもない距離だが、障碍者や高齢者にはちょっと厳しい距離で、

それでも初めての北アルプスの風景を見る為に二人とも頑張った。

 西穂高口駅の屋上にある展望台からは360度の大パノラマが広がっていた。

正面に笠ヶ岳

   

西釜尾根から槍ヶ岳

 

西穂高岳と槍ヶ岳

  

テレビなどの映像で見るだけの北アルプスの絶景を目の前で見ながら、

「あの槍ヶ岳の頂上へ今も誰かが登っておるんだなぁ・・」と独り言を呟く父。

年を重ねながら、好奇心を持って初めての体験をすると言う事は、

本当に大切な事だと両親を見ていてそう思う。

 

新穂高ロープウエイから約1.5時間、飛騨高山に到着。

高山祭はもう始まっていた。

屋台曳き揃えー国の重要有形民俗文化財である屋台が曳き揃えられている表参道を通り、

 

櫻山八幡宮境内まで行くと からくり奉納 が行われていた。

精一杯身を乗り出すものの・・なかなか見えず、それでも日本三大曳山祭という貴重な祭典を体で感じ、

 

屋台引き廻しは、沿道から見学。

 

一日中歩き回ってくたくたになって帰宅した両親だったが、

 

「90過ぎて二人で行けて、初めて高山のお祭りと、北アルプスが見れて

こんな幸せな事はないなぁ・・」と帰りのバスの中で話す二人。

2人とも翌日、筋肉痛だという。

「90過ぎて筋肉痛になる人など殆どいないと思うよ」と、私も笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

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上清内路奉納煙火

2019-10-08 13:35:10 | 風景

300年の伝統を誇る、長野県無形民俗文化財の手造り煙火が阿智村清内路の上清内路諏訪神社で奉納された。

今年は天気も良く、日曜日と重なったことで大勢の観客に見守られての花火大会だった。

山間部にある上清内路の10月の夜は近隣の市街地より寒く暗い。

提灯を先頭に神輿が上清内路の家々の前を練り歩き、神社の前に到着した後、煙火奉納が始まった。

火薬の配合や作り方など秘伝と言われる青紫色のぶどう棚から始まるのだが、

明るかった神社や境内の電灯がすべて消され、点火と共にうっすらと真っ暗な空間に浮かび上がる紫色の幻想的な光の群れ。

これは(全国の花火を見た事はないけれど)全国一だと南信州人として思う。

 

そこからは、工夫を凝らした仕掛け花火で次々と観客を楽しませてくれる。

 

ピノキオやちびまる子ちゃんや回転木馬が火の粉の中で踊り、

山の上まで一気に突き抜けて行く蝶の鋼火など迫力のある花火が頭上を駆け抜ける。

他のどこでも見られない仕掛け花火への驚きと、この手作り花火の技術の高さや守り抜く伝統の尊さなど、いろんな事が入り混じって見ているだけで感動する。

  

ナイヤガラもきれいに流れ

      

回転木馬は頭上で光り輝いていた。

 

残念ながら大三国はうまく点火できずに中止となったが、

愛知県の団体の手筒花火も迫力があった。

   

今年も暑かった夏が終わり、秋が来た。

いつの間にか夜の涼しさが身に染みるようになっていた。

 

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