熨斗(のし)

のし(熨斗)について、趣味について、色々なことを綴っていきます

ひとりごと(冬の日差しの中で見た物)

2019-02-19 22:08:39 | ひとりごと

信州の冬は寒い。

今年は雪が少ないとはいえ、外に出ると寒さが身に染みる。

それでも、一日一日と春に近づき、梅の花も咲き始めたこの頃、

実家に立ち寄ると人の気配がない・・・

ちょっと心配になって家の周りを探してみた。

 

父が一人、次第に厚みを帯びてきた日差しの中で彫刻をしていた。

 

最近、孫に二人目の子供が産まれ、

かわいいひ孫がお兄ちゃんになった。

そんな・・・遠くに住む孫とひ孫を思い描きながら、

彫刻に向かっていたのだろう。

母が赤ちゃんを抱き、母の足元から赤ちゃんを覗き込んでいるお兄ちゃんを、

母の眼差しが優しく包みこんでいる。

 

それは、父の孫とひ孫の姿かと思えば、

そうでもあり、

60年前の自分の妻と子供の姿かと思えば、

そうでもあり、

90年前の自分の母と妹の姿かと思えば、

そうでもあるように見える。

 

父の姿はいつしか私の祖父にも見え、

囲炉裏の周りで縄を編んでいた祖父の姿と重なる。

 

人の生きる道の中には、どれほど時代が変わろうが、

100年の歳月を越えようが、

変わらないものと、変わってはいけないものと、

変わらない心と、変わってはいけない心がある。

 

まだ春遠い、冬の日差しの中で見たものは

形になったそんな心。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上高地ー2019冬

2019-02-09 16:11:27 | 

冬の上高地は歩いてしか入れない・・・そこは生活の場とは別世界。

2年前、初めて友達に連れて行ってもらって以来、

再びこの釜トンネルを抜けて、冬の上高地へ足を踏み入れたいと願っていた。

約40分、なだらかな上りのトンネルの中を歩き、抜けた先は真っ白な雪。

   

それでも、今年は雪が少なく暖かい。

スノーシューも用意はしていったものの使うことなく、歩き始めから約1時間で大正池に到着。

大正池から約1時間と少しで河童橋。

夏の河童橋は人ばかりだけれど、さすがに冬は人が少ない。。

この日の上高地は、それまで天気が良かったものの午後から崩れ、夜には雪ではなく雨が降り出した。

 

河童橋からは穂高岳と明神岳、焼岳が白い空にくっきりと見えていた。

この時期、きれいに見えるだけでラッキー!!

  

河童橋を後にして明神池に向かう。

河童橋から先に行く人はぐっと少なくなり、冬山登山者に時々会うくらいで、雪も少し多くなります。

 

この日の宿泊は明神池畔の「ひだや」さん。

 

今年は明神池の雪も氷も少ない気がします。

 

 宿には電気は通っておらず、もちろんエアコンなどはありません。

ランプと薪ストーブの熱でゆらゆら揺れる空気の中で、外の景色を見ながら夜を迎え、

ゆったりと流れる時間を友人や宿のご主人、奥さんと話しながら過ごす。

 

この時間を持つために日々の生活を頑張っていると言っても過言ではなく・・・・

一晩で一年分の鋭気をもらった。

 

次の朝、夜中続いた雨と風は止み、

  

もう一度河童橋から霧の向こうの穂高岳に別れを告げ、歩き出すと、

前夜の時期外れの大雨と風で、雪崩が起き道を塞いでいた。

自然の恐ろしさも目の当たりにしながら、

又釜トンネルを抜けて、現実生活に戻る。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする