熨斗(のし)

のし(熨斗)について、趣味について、色々なことを綴っていきます

バレンタインデー💛のラッピングに手造り熨斗を付けてみました。

2017-02-09 12:00:13 | 熨斗

もうすぐバレンタインデーですね。

昨日、社員の女の子がこんなかわいい手造りラッピングのチョコレートを見せてくれました。

手造りでもただ小さな袋に入れただけではちょっと寂しいけど、

小さな熨斗を付けるだけで(大切な贈り物)だという気持ちと誠実な感じが伝わるから面白いものです。

「この小さな熨斗も手造りなんですよー」って言うので、よく見てみると

今、百円ショップで売っているマスキングテープを使ったもの。

本物の熨斗は折り方もちょっと難しかったり、ピンセットを使わないとうまく折れなかったりするけど、

ここは、とにかく気持ちだけでも熨斗に込めて、

略式で行っちゃいましょー!!

 

用意するものはコピー用紙と好きな色のマスキングテープ、

帯と大切な芯の部分に使う金色のマスキングテープ。

コピー用紙は正方形に切ります。(この写真では2cm×2cm)

正方形の紙の角の部分を左と右から三画に折ります。(左を先に右を後からかぶせます。)

表面に出る部分だけマスキングテープを貼り、はみ出した部分をはさみで切ります。

金色のマスキングテープを細く切り、真ん中に芯と着物の帯のように、帯を貼ります。

これだけで小さな熨斗が出来上がりです。

たったこれだけで、かわいい熨斗付きのラッピングができますよ。

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古書に見る「熨斗」ー②

2016-12-17 18:51:15 | 熨斗

1978年(昭和53年)に出版された江戸絵噺いせ辰12か月という本の箱絵に江戸時代の熨斗の絵が書かれていて

解説がありました。

「絵美良図譜」より

江戸末期に用いられた種々の(のし)を集め、のし尽くしと申して千代紙ふうに仕立てたもの。

大小の区別が少々曖昧ですが、たばねのしと説明にあるものは、引幕にも用いられたものですし、玄魚のしは十二センチくらいの寸法が使いごろ。

蓬莱掛のしは正月の床、又は床柱にかけられるもので、長さ五尺くらいあり、松葉のしは松の葉を採集して、生のまま使っているものでございます。

のしの原型はとれたてのアワビを長く平らに裂いて干したもので、干した栗を勝ち栗としたように、出陣の儀式など縁起の良いものとされた必需品です。

神前では海の幸の代表として神様にささげられ、その後、贈り物に添えられ敬意を表したものです。

 

江戸時代に使われていた(のし)を見る事ができる貴重な資料です。

「折りのし」は現在でも、基本は同じ形で折られています。

 

 

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古書に見る「熨斗」ー①

2016-12-16 20:40:02 | 熨斗

大掃除の時期になりあちこち掃除をしていたら、1冊の本を見つけました。

「日本の紙芸」著者ー広瀬辰五郎 1969年出版の古書です。

きっと先代の社長が買った本だと思います。

その中に「熨斗」について書かれたページを見つけました。

ちょっと長いけれど、書き写してみようと思います。

興味のある方はご覧ください。

 

「熨斗」

【熨斗の語源も、水引と同様はっきりしたものはないようです。

これは「鮑」を使わなければ意味がない。

立雛のような形の熨斗の紙の中央に、干しかためて延ばした鮑が入っている。これも昨今は絵になったので、中央の鮑がなんであるか、

知る人も少なくなりました。

この鮑の長いのを束ね、下の方を長く模様のように広げた引幕を劇場で見た方もあるでしょう。

それは鮑だけで熨斗の面白さはない。熨斗の由来の第一は、昔武士が出陣の時は、するめ、勝栗、鮑を備えて祝宴を張る。

凱旋の時も目出度いというので、鮑を細く切って使ったといいます。

婚礼の時には、同じ目出度くても、鮑をつかっては片思いになるから縁起が悪いといって、栄螺(さざえ)をつかったという事を聞きますが、

これは言葉のあやのようだ。

三代目伊勢辰が話しているところでは、

「のしの種類、というと、これが昔からたくさんあります。私の持っているなかで、主だったものから申しますと、

百五十年位(昭和15年より)前のものらしいんですが、長さが三寸五分、外が草色模様、うちが赤模様を重ねてありますもの。

むろんこれは使った人が自分で折ったものですね。中には鮑を細かく切って貼った跡があります。これに水引がかけてありますが、

どうも熨斗ははじめは水引をかけたもので、これが本式らしいですね。

千代紙一枚の折りっぱなし、色紙で帯手がかけたもの・・・


お大名になると、御家用の熨斗は、みんなお女中衆が折った。だから熨斗を見れば、これは、どこそこのだと、すぐ判った位のものです。

紀州家の熨斗で、折り上げ三寸、紙は白、二枚重ねだが、中も外も白で、帯手が赤、鮑がちょっと入っています。

以前、私の所で作って三井さんに収めたもので、外が檀紙の本金砂粉で、中の紙は赤、帯手が金紙で、折上げ二寸、一寸五分、一寸の三種(三代目自慢の熨斗であった)

のしは主に、麹町の旗本御家人の奥様とか、お嬢さんとかが、手内職に折ったもののようです。仕事が上品ですし、趣味もあるし恰好の手芸として喜ばれたのでしょう。

それに、のしはどうしても手で折らねば出来ません。

機械の発達した現代のことで、いろいろ機械化しようと工夫したが、できないそうです。

むろん大掛かりに金をかければできない事もないでしょうが、沢山生産しても仕方のないものでしょう。

だから上流階級の手芸となっていました。】

・・・・と、まだまだ続くのですが、ここまで原文のまま書いてみました。

のしの歴史を垣間見ることのできる面白い文章です。

この本は1969年(昭和44年)発行の本ですが、この文章の中に

『機械化しようと工夫したが、できないそうです。』

という一文がありますが、

現在、上田屋のし店では日本で唯一 、一部、機械化しております。

それでも、特殊な熨斗や(文章に書かれているような)折り上げ二寸、三寸、最も大きな四寸のしや、一番小さな五分のしなどや、

いろいろな会社や商店に卸しているオリジナル熨斗などは、

この本の中に書かれている江戸時代の旗本の御家人の奥様やお嬢さんのように、一枚一枚手内職で折っているもの、

又は社内で一枚一枚手折りされているものです。

 

 




 

 

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「家庭日用婦女寶鑑」の中の熨斗と水引

2016-04-15 00:28:36 | 熨斗

明治44年に出版された「家庭日用婦女寶鑑」・・という本は調べてみると日本中の大学や県立図書館にも

それほど沢山は所蔵されていない本なのですが、

先代の社長の母の持ち物であったこの本を開いてみると、ありとあらゆる当時の女性が知っておくべき事が記されています。

その中の「包括法」・・・というページを読んでみると、この時代、全ての物を紙と水引で包んだことが分かります。

(興味のある方は読んでみて下さい)

熨斗もまた、「のし鮑の包み方」として折り方が記されています。

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熨斗(のし)の話ー4

2016-01-07 15:15:09 | 熨斗

まだ、「あけましておめでとうございます」って挨拶しているのに、

飯田では紅梅の花と梅の花が咲き始めました。

桜が咲いてしまうのではないかと心配です。

 

こんな暖かな午前中、近くのかわいい雑貨屋さんを覗いてみました。

小さなぽち袋やご祝儀袋などと一緒に並べられていた、「熨斗のシール」を見つけました。

「あっ!これ!!」(^_^) 

「今どきのポップなガラだね」と言いながら、私達が一つ一つ手作りで作った熨斗でした。

芯は曲っていないか、帯は斜めになってないか・・・ドキドキしながら見て(お店の人は不審に思っていたかも。。)

ちょっと高かったけど買ってきてしまいました。(何だかなぁ~)

 

この熨斗の畳み方、ちょっと複雑ですが紹介しておきます。

実際には型を使って作るので、折り紙のように折っていくよりきれいに早くできます。

最後にアワビの部分の「芯」と帯を付けます。

 

 

最近、以前にもご注文を頂いた豆のしファンのお客様から、再度注文を頂いたので、

どんな事に使うのかお聞きしてみました。

 

何か、気持ちが伝わって来て「ステキだなぁ~」と思ったのでブログで紹介させて頂きます。

 

『例えばお見舞いだったら、いつもの『病気御見舞い』じゃなくって

「治ったら一緒に旅行しよう!」の願いを入れて・・・のしを貼ったぽち袋。

 お年玉は例の懐紙ポチ袋(お正月バージョンで赤い線とお花柄入り)です。

毎年、子供に好評ですよ。多分ご祝儀袋に似てて、もらうと大人な気分になるのかな?

あと、高齢な方々へのお年賀にもなんだか高評価です。

近くに行ったついでに、ちょっと顔見せて、

「あけましておめでとー!おばちゃん元気にしてる―?」みたいな感じなので、大げさすぎず、かといって市販の印刷の物程そっけなくもなく、

イラスト入りとか普通の白いのより丁寧な感じがするのでは?』

 

新年早々、嬉しいメールを頂いて、今年も頑張ろうっていう気持ちになりました。

 

懐紙で簡単にぽち袋を作って貼るだけで、ちょっと改まった感じになったりします。

プレゼントに直接貼っても大丈夫です。

バレンタインデーのプレゼントにものしを貼ってみたら、

上司の方には「いつもお世話になってます感」が

本命の人には「他の人とはちょっと違う感」が

「のし」と共に添えられるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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