ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

辻が花紅葉

2014-11-17 21:51:15 | 美を巡る
141114.fri.
紅葉真っ只中の富士五湖は河口湖畔、
久保田一竹美術館へ。



霊峰富士が見えてくると、やっぱり心踊ります。
蒼い秋空をバックに、いい具合に雲がかかって、
(ちとクサイけど)ほんと、絵のよう。



2時からの竪琴コンサートの前にランチを、
と車で走れど走れど目に入って来るのは
「猿回し劇場」と「きみまろ劇場」の幟旗。
すごいサブリミナル効果です!これ(笑)
ようやく自家製自然酵母のパン屋さんを見つけ、
テラスで富士山見ながら日向ぼっこランチ。



幻の辻が花染めを復活させた一竹先生の作品は
コレクターの方々から機会があるたびに
見せてもらっていたが、
素晴らしいとは思うものの、さほど
興味をそそられるものではなかった。
(自分が着用する好みとしてですよ)

それより、昔、荻窪の蜻蛉玉のお店・作次郎で
たくさん見せてもらった石は、
オーナーが一竹先生と一緒に収集した
ということで、そちらに興味があったわけ。
そのオーナーが美術館の現館長さんだと知って、
ああ繋がったなあ、と。

実際に辻が花作品を拝見すると、
やはりそれは精緻な豪華な美しさ。
いやはやため息しか出ません。
ログハウス風の組み上げ技法の館内で
光彩を放つ放つ放つ・・・。

最初は先生の住居だったという茶房は
漆喰の壁、高い天井には明かりとりの窓。
中近東の調度品に囲まれ、
アフリカのベッドだというテーブルで
お抹茶ときんつばをいただきました。



庭は高台寺や建仁寺等の造園に関わった
庭師北山安夫氏によるもの。
富士山じゅうの溶岩を買い占めるつもりか
と言われたそうな。
巨大なひと山が日本庭園になっている
それは見事な景観です。

木村弓さんの涼やかな竪琴と歌声は
秋の空と紅葉を震わせるようで、
目を閉じて聞き入ってしまいました。
「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつ何度でも」、
生で聴くと(ジブリ映画興味なしの私でも)
感動ですね~🎶



ガウディを思わせるような新館の2階に
一竹先生は最期まで住まわれたそう。
屋上からは富士山独り占め!
水と富士山が大好きだったという先生の、
ここはまさにパワースポットだったのでしょう。



帰りは、通りかかった猿回し会場で
道すがら猿君達をチラッと垣間見て(笑)、
暮れなずむ富士山を後にしたのでした。
充実した秋の一日。