ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

ギャラリーはしご

2010-07-18 19:46:58 | 美を巡る
100717.sat.-2

国際フォーラムで某セミナーに参加の後、
昭和7年竣工の奥野ビルへ。
ここは様々な老舗画廊が所狭しとひしめく不思議空間だ。
5年前に、2度目の帽子展をさせていただいたのも
4Fのギャラリー銀座1丁目だった。

4FのEcru+HMで開催中の「harunachico展」は、
まるでおもちゃ箱の中を覗いたよう。
Tシャツやシャツやチュニック、日傘、バッグに
異国風の人物や猫がリズミカルなタッチで弾けている。
友禅染めの技法で描かれるそれらは、
しかししっとりとして決して派手ではなく
身に付けると自然に馴染んでくれそう。


3Fにある静鹿ギャラリーは私の帽子の師匠のお店。
先生は不在だったが、息子のN君に12、3年ぶりに再会。
すっかり大人の男の子(って変な表現?・笑)になっちゃって・・・。
あの頃はバイオリン持ってた中学生だったよね。
時の流れを感じるなあ。

3丁目のコバヤシ画廊にちょこっと顔をだして
「遠山香苗展」を見る。
白いキャンバスにカラフルなスクエアなパターンがたくさん描かれた、
パッと花開いたようなポップな作品。
遠山さんは女子美の先生だとのことで、知り合いの話を少し。


その後は目黒雅叙園で、毎年恒例の東織ゆかた祭り。
目の保養と人生勉強(?)をさせていただいた楽しいひととき。

夏結城に切りばめ宮古上布帯

2010-07-18 19:12:06 | きものがたり

100717.sat.


淡いグレー地に亀甲と幾何学模様の夏結城に
宮古上布を切りばめ細工のようにはぎ合わせた名古屋帯。

ちょっと地味かな~、と思いつつ
日傘をさして歩く銀座は、いつもと違った感じ。
ギャラリーをいくつかはしごしてのぞいたあとは
毎年恒例の東織ゆかた祭り。目黒雅叙園にて。


様々な宮古上布の柄がはぎ合わされて1枚の布になった。
どれくらい前の布たちなのかわからないが、
藍染の風合い、砧打ちをした光沢感、
それぞれのパターンから醸し出る雰囲気がさりげな~く主張してくる帯。

生きる・・・歌声に包まれて

2010-07-18 03:12:20 | 暮らしあれこれ
100715.thu.
「生きる2010~小児がんなど病気と闘う子どもたちとともに~」
Bunkamuraオーチャードホールにて。

森山良子さんが案内役となって、多くのミュージシャンをゲストに招き、
闘病中の子どもたちを支援するためのコンサート活動が
2004年から続けられている。

6回目となる今年、鮮やかなマゼンタ色のドレスで登場した森山さんが
デビュー曲「この広い野原いっぱい」を歌ってステージが始まる。
とても幅の広い存在感たっぷりの歌声で会場を魅了する畠山美由紀さん。
CMソングの作曲なども手がける村上ゆきさんは
固有名詞がすぐに出てこなくなった(!)森山さんのために作ったという曲
「アレ アレ アレ」をタンゴ調のメロディーに乗せて披露。
これは誰が聞いても笑わずにはいられない。
音大出身のル ヴェルヴィッツは5人のメンバー全員が身長180cm以上の
ヴォーカルグループ。
オペラ『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」、
クラシック風にアレンジした?「ソーラン節」、
そしてクイーンのバックナンバーを10曲ダイジェストで歌い上げる。
デビュー25周年となる渡辺美里さんが登場すると、
当然のことながら、会場の熱気がぐんと上がる感じ。

第1部と第2部の休憩中、隣のS氏が「あのカメラマンたち、何だろう?」と
2階バルコニー席を指差す。
いつのまにかものものしい望遠カメラを抱えた撮影陣が登場している。
とまもなく、反対側のバルコニー席に現れたのは美智子皇后陛下ではないですか!
なんともいえない雰囲気に包まれた場内に、静かな興奮が広がっていく。
薄緑色のドレス姿で手を振る美智子さまを見上げて、我々観客は思わず拍手。
立ち上がらないように、と制しながら、係員は通路を駆けあげる。

昨年11月14日、上野の東京文化会館での「冷泉家の乞巧奠~七夕の宴」に
天皇皇后両陛下が突然お出ましになったときも驚いたが、
再びこんな場面に遭遇しようとは・・・。

渡辺美里さんの「My Revolution」を聴きながら
手拍子を打っていらっしゃる美智子さまの姿を見て、
秘かに感動した私でした。

闘病中の子どもたち、病気を克服し社会人となって活躍している若い女性等が
ステージに上がると、さらに温かい拍手が起こる。
小児がんと闘う子どもたちのドキュメンタリー映画をよく見ている私としては
彼等と姿がダブってしまう。
あんなに小さな体で、自身の病気、自分の心、
そして現実の社会とも対峙しているのだ。
応援しないわけにはいかないでしょう。

森山さんの馴染みのあるあたたかい話術と歌声が
ゲストも観客も巻き込む、とても素晴らしいコンサートでした。
あ、アンコールで出てきた和製ドリーム・ガールズには驚きましたが。(笑)