電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【書評の先】
【書評の先】
介護の雑誌が次号でブックレビューの特集を組むそうで、編集者が「石原さんも 1,000 字以内で書評を書いてください」などと言う。老人介護系のケアワーカーが読んでも「ヨサゲな本」の書評をというので、読み終えた伊藤雄馬『ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと』(集英社インターナショナル)について書き、締め切りの 25 日には早いけれど催促される前に送信した。
本の善し悪しやおもしろさは、本の中ではなく読み手の頭の中の側にある。どんな本でも面白く読める人にはどんな本でも面白く、よい本は読者が考えて読者がつくるものなのである。他人が考えた書評を読んでの本えらびなんてナンセンス!と思いながら、頼まれたのでぬけぬけと原稿を書いた。制作側の関係者ではあるけれどいちおう原稿料がもらえるらしいので本代に充当する。
書評で取り上げた本の中に当時富山大学教授だった呉人恵(くれびと・めぐみ)が紹介されており、興味を引かれたので『危機言語を救え! ツンドラで滅びゆく言語と向き合う』大修館書店と、一ノ瀬恵(一ノ瀬はモンゴル人と結婚した呉人の旧姓)『モンゴルに暮らす』岩波新書を取り寄せた。言語学者のフィールドワークって、なんて面白いんだろうと思ったからだ。もう一冊町田健編・加藤重広著『日本語語用論のしくみ』も取り寄せて併読を始めた。
自分でおもしろがって選んだ本のあみだくじ式読書に外れは少ない。まとめて併読しているうちに関連し合い、一体となって読めるから新たな気づきもある。書評に取り上げた本の中で著者が、外山滋比古『乱読のセレンディピティ』(扶桑社 BOOKS 文庫)を紹介しており、いい機会なので積ん読の埃を払ってこのひとまとめに加えた。
2024年 3 月 21 日 昨年もらった白いシクラメンが咲き続けている
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を公開。
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