テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 緑に 憩ふ ~

2024-05-17 22:03:27 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きおんッよしッ! しつどォもォ~よしッ!」

「がるる!ぐるるがるるぐる~!」(←訳:虎です!一年中これでいい~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 夏になってしまう前の、花と緑の季節……

 5月の”ちょうど良いお天気”がずっと続いてほしいと切望しつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 魔女たちのアフタヌーンティー ――

 

 

 著者は内山純(うちやま・じゅん)さん、

 2024年2月に発行されました。

 このところノンフィクションやアートブックスの御紹介が多かったので、

 久しぶりの小説だ!

 とワクワクしながら手に取ってみれば……あらっ?

 

 東京都庭園美術館?

 自然教育園?

 

「あはァ! しッてるでスゥ~!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:癒しの森だよね!)

 

 現在は東京都庭園美術館として知られる

 旧朝香宮邸――

 私たちが、東京で最も美しいミュージアムだと考えている

 あの建物の周辺が、物語の舞台になっています。

 

 JR目黒駅、地下鉄の駅からも近くて、

 いわゆる“高級住宅街”。

 主人公の、前屋敷真希(まえやしき・まき)さんは、

 大手不動産会社の営業員さんですから、

 のんびりお散歩……しているはずもなく。

 

 熱烈”物件探査中”です。

 

「がるるるゥ~ッ! ゆるさないィ!」

「がるるるぐるがるるるる!」(←訳:美術館に手を出さないで!)

 

 いえいえ、いくら前屋敷さんが熱烈熱血営業員さんだろうと、

 東京都が所有する美術館に手は出せません。

 けれど……一軒の住宅なら、どうでしょう?

 

 いま前屋敷さんの眼の前にそびえるのは、

 美術館にごく近い地番の、

 長~い塀と、

 武蔵野の森を想わせるような、豊かな緑。

 

 都心ではもはやあり得ないとさえ言える、

 広壮な《お屋敷》です。

 

 《お屋敷》の塀を眺める前屋敷さんの脳裏には、

 買い取ったこの土地が更地となり、

 高層マンションに変わってゆく未来図がありありと――

 

「ひいいいィ~ッ!」

「ぐるるがる~っ!」(←訳:それもダメ~っ!)

 

 ええ、そうなんですよねえ。

 鮮明な未来図とは反対に、

 前屋敷さんのアタックは上手くいきません。

 

 《お屋敷》の住人さんに会えない、

 手紙を送っても電話をしてもナシのつぶて、

 そもそも、門は完全に封鎖されていて、

 ここに住む者がいるのかどうかも

 分からなかった、んですけど。

 

 偶然にも、前屋敷さん、

 《お屋敷》潜入のチャンスを得ました!

 

「ぶゥーぶゥー!」

「がーるるる!」(←訳:ブーイング!)

 

 やった! 《お屋敷》に入り込むことが出来て、

 住人さんに会って話を……話を……したものの。

 

 なにか、違う。

 お家に招き入れてもらって、

 お茶会を、とアフタヌーンティーを御馳走になって、

 それなのに、

 不動産の話をぐいぐい進めるどころか、

 巧妙に操られている?

 イニシアティブを握られている?

 

「うきききッ♫」

「ぐるる~♫」

 

 前屋敷さんと、

 魔女と仇名される《お屋敷》の住人さんとの、

 交流が生み出すのは、嵐か、大渦か。

 前屋敷さんが描いた未来図は、

 はたして、実現するのか。

 

 ほんのりミステリアスかつエンタな、

 或る《お屋敷》をめぐる長編作品は

 バラの季節の読書タイムにうってつけですよ。

 庭園美術館好きな方々には特におすすめですので、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

  

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