テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ やさしい鬼 ~

2024-05-21 22:03:42 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♫るる~♪きょうはァ~なんのひィ~♫」

「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!探偵の日です!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日5月21日は、1891年(明治24年)の5月21日に、

 探偵業の広告が日本で初めて新聞に載ったことを記念して、

 《探偵の日》!

 ならば、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 探偵小説の鬼 横溝正史 ――

 

 

 別冊太陽313号は、2024年4月に発行されました。

 『謎の骨格にロマンの衣を着せて』と副題が付されています。

 

 探偵、それも日本の名探偵、と聞いて

 おそらく、多くの方々が、

 明智小五郎さんか、

 それとも金田一耕助さんか、と

 思い悩むことでしょう。

 

 この御本では、表紙の写真からもお分かりですね、

 金田一耕助さんの”父”である

 横溝正史(よこみぞ・せいし)さんを大特集しています。

 

 そして、巻頭を飾る、

 作家・小林信彦さんの『横溝正史氏の回想』を読んでみれば――

 

「あはァ! そういうことォ?」

「ぐるるるる!」(←訳:なるほどね!)

 

 小林さんと対談した際、

 横溝さんがどんな恰好をして現れたかというと……

 刑事コロンボさん!

 次にお目にかかった時は、

 金田一耕助さん!

 

 つまり、表紙のこの、

 ちょっと崩した感じの着物とトンビ(和装用コート)姿は、

 ”探偵・金田一耕助に変装中の横溝さん”?

 

「すてきィでスよゥ!」

「がるるる!」(←訳:お茶目だ!)

 

 ということで、

 ”横溝さん=血族間の怨念ドロドロなミステリ専門の作家さん”

 と書かれたレッテルを景気よく引っ剥がしたら、

 あらためて襟を正し、本文へと進みましょう。

 

 そう、そこにいるのは、

 《本格物》の作家さん。

 

 美しくも禍々しい文庫本の装画や、

 映画の宣伝に使われた巧妙なヴィジュアルを

 ひとつひとつ取り除いてゆけば、

 やがて露わになるのは、

 ほのかにハードボイルドの香りが漂う

 本格ミステリ。

 

「だからァ、いまもォだいにんきィ!」

「ぐるるるるるる!」(←訳:古びてないんだ!)

 

 前述しました小林信彦さんを筆頭に、

 恩田陸さん、有栖川有栖さん、真山仁さん、

 はやみねかおるさん、柳家喬太郎さん、

 芦花公園さん、泉麻人さん、和嶋慎治さんによる

 『私の愛する横溝正史』。

 

 《人形佐七捕物帳》シリーズ、

 金田一さんが登場しない探偵モノ、

 代表作の紹介や解説、

 自筆原稿の写真図版、コラム、

 そして、

 石坂浩二さんへのインタビュー、

 終戦後の日記公開、

 年譜に主要作品リスト、と

 横溝さんのお仕事の数々を網羅する一冊は、

 ミステリ初心者さんはもちろん、

 大のミステリマニアさんにもおすすめですよ。

 

 探偵小説に魅せられたひとりの少年が

 日本のエンタ史に刻んだ足跡を、

 皆さま、ぜひ♪

  

コメント
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