空の下には、
棚田の中央を走る
なだらかな広域農道。
画像は、今年は拝めないと
諦めていた場所の風景。
橋の下には
春山の湧き出た水が
小川となり、
その清らかな水で、
摘んだ山菜を洗う二人の背中が、
今年もありました。
家に帰れば、腰の痛みも忘れて
下ごしらえに励む嫁と、
夕餉の卓の膳を飾った
香り立つ料理の品は、
野蒜(のびる)の酢味噌、天婦羅に、
有難いことに
今年も春がやってきて、
いつもの様に
田んぼに這いつくばって、
有難いことに
今年も我が家の膳に
春の山菜が並び、
故郷の味覚を
今年も享受することが
出来ました。
今年は、休日に雨と用事が重なり、
三月上旬の収穫期を
外してしまったばかりか、
予想していた通り、
既に、田んぼにはトラクターが
入ってしまった後で、
雑草と一緒に、成長したセリまで、
耕していたのです。
摘んだ量は、
例年の五分の一でしたが、
それでも永年、親しんできた
我が家の春の行事を
絶やさず続けられました。
人の目には、ただの雑草にしか
写らないかも知れませんが、
二人にとっては、
共に過ごした故郷の暮らしを
今に伝える
貴重な「食の遺産」です。
いつもの様に、帰りしなには、
「田んぼに一礼」を忘れません。
心から感謝いたします。