知り合いに牡蠣が大好きな
女性がいて、
正月にスージィーが作った
牡蠣のグラタンが美味しくて、
そのことを女性に話すと、
「牡蠣のグラタンを一度も、
食べたことがない」
と言うので、
料理の苦手な彼女のために、
スージィーはグラタンを
作ってあげることにした。
むき身の生牡蠣を買いに
スーパーに行くと、
殻付きも売っていたので、
むき身を一袋と、
10個ほど箱に入った
殻つきを買ってきた。
早速、スージィーは
キッチンでグラタン作りに
取り掛かり、
オヤジは七輪に火を起こし、
喜多里亭で牡蠣を焼く準備に
取り掛かる。
暖かな日曜日の午後4時半、
グレーチング(側溝などの蓋)を
火の起きた七輪の上に置き、
牡蠣を並べ、火が通るのを、
ウィスキーを飲みながら
待つこと暫くして、
グツグツと
牡蠣が騒ぎ始めたら、
左手に軍手、右手にナイフで蓋を開け、
そのナイフで殻に付いた牡蠣を外し、
この日はレモンとケチャップで、
殻で口をケガや火傷せぬように、
白い汁と身を口にする。
何故、グレーチングが牡蠣を焼くのに
都合が良いかといえば、
フラットで不安定な網と違って
牡蠣から汁がこぼれないように
溝で牡蠣を固定できるから。
また、この位サイズの方が、
「一人牡蠣焼き」には丁度良い。
暫くして、オヤジのために
作って貰った牡蠣のグラタンが
出来上がったが、
スージィーは牡蠣にあたる体質で
一口も食べられず、
牡蠣焼とグラタンの牡蠣づくしは、
オヤジの独り占め。
皮肉なもので、
食べるのは好きだけど、
料理が苦手の人もいれば、
料理は好きだけど、
食べられないものがある
人もいる。
確かに、牡蠣のグラタンも
美味しいに違いないが、
個人的な好みから察するに、
牡蠣は生か火を通して、
レモンなどの好みの
食材を添えて食べるのが一番で、
グラタンは、ホワイトソースや
生クリームにチーズなど、
他の食材の個性に埋もれて、
牡蠣本来の素材の美味さが
引き出されていないように
感じてしまう。
これをスージィーに言うと、
「少し、工夫してみる」と言う。
「せっかく作るなら、
美味しいものを届けたい」
と思うのは、誰しも共通の心理。
味見もできず、永年の感と
塩梅(あんばい)だけで作り、
オヤジの舌が唯一の頼りとなる。
さて、喜んでもらえるグラタンが
出来上がりますやら。
スージィーのチャレンジは、
これからも続きます。
「チャタヌ-ガ チュー チュー」
唄:細野晴臣
の最初の動画が削除されましたので、
206年4月、西南学院大学の
細野晴臣 & 東京シャイネス
福岡公演の同曲にチェンジします。
このコンサートには、
オヤジとスージーも観客の二人。
オヤジの声は、のちに収録した
DVDに収められています。
「チャタヌガ チュー チュー」
細野晴臣 & 東京シャイネス
福岡公演より