「最後まで宜しく」

先日はテレビが原因不明の不調で、
メーカーによる無償交換となったが、

生活していく上で必要な
電化製品や日用雑貨が壊れて、
使えなくなるのも淋しいものがある。


つい最近では、テレビを見るのも
食事をするのも、リビングでは不可欠で
使い慣れた籐（とう）の座椅子が、

背中を支える円形に曲がった
座につながる籐の片方が折れて、
ついに使えなくなった。

「使い慣れた」と言うよりも
「使い古した」と言った方が相応しい

この座椅子は、取引先の
家具屋さんから頂いたもので、

籐の素材を生かしたモダンな
デザインで座り心地も良く、

２０年以上も、親父の尻に敷かれ続けた
座椅子だったし、愛着もあり、

このまま捨てるには忍びなく、
折れた個所を針金で固定し
修復を試みたが、

再び、固定した箇所が壊れて、
やむなく破棄することにした。


暫くの間、座椅子なしで過ごした。

しかし、

どうにも、落ち着かない・・

まったく、くつろげない・・

やっぱり、座椅子が必ず要る！


それで大型家具店を数軒、
リサイクルショップも回ったが

いくら探しても使いやすくてシンプルな
好みの座椅子が見つからない。

山口さんの野菜を貰いに行ったついでに、
植木を見に久留米に行った帰り、
立ち寄ったリサイクル・ショップで、

和と洋の雰囲気を絡めた
シンプルなデザインで

クッション付きで回転式の
仕様も理想で、しかも安価な

どこを探しても出会えなかった
座椅子を見つけ、

この椅子が今、我が家にある。

思えば、座椅子が壊れたのは
酒に酔って座椅子の背中に
もたれかかった重み。

座椅子を壊したのは、
座椅子を愛した本人。

その本人が、売りに出された
座椅子を見つける。

失うことの寂しさの後にくるのは、
出会える嬉しさ。


「座椅子が回るせいで、酒が回る」と
のたまう親父も、

この座椅子が愈々壊れる時には、
とっくに親父も壊れているはず。


ご面倒お掛けしますが、
最後まで宜しくお願いします。

「Always On Your Side」
いつも あなたのそばに

唄：シェリル・クロウ
＆
スティング

 

「男の鏡」

先日、野村克也さん
（以下、ノムさん）がテレビで
最近の暮らしぶりにからめ、

故・沙知代さんの思い出話しや、
愛息・克則氏への思いを語る番組を
拝見させて頂いた。

８４齢になられたノムさんが
野球についていまだ、
熱っぽく語る元気な様子に、

一ファンとしては
これから先もまだまだ、

「ノムさん節を
愉しませてもらえるな」と、
喜んでいた。

それから一週間程
経過したばかりの昨日、
思いもしないニュースは

元気そうだったノムさんが
亡くなられたことを報せる
哀しいものだった。


今朝の新聞も、Webのニュースにも、
野球人としての功績や、
人としての温もり、

これまでに残した著書・語録、
ボヤキで溢れている。

その一つ一つに
目を通していないが、

かつて、ノムさんが発した
忘れられない言葉がある。

ノムさんが現役時代、南海ホークスで
監督兼捕手を務めていた時に、
諸問題で球団・選手間との確執があり、

球団が「野球を取るか、女を取るか。
はっきりせい！」

と迫った時のノムさんの言葉が、

「女を取ります。
仕事は探せばいくらでもあるが、

沙知代という女は世界に
一人しかいない」

球団に対するこの言葉で、
ノムさんの南海ホークスの解任が
決まったと言われている。


自身の確固たる信念を
目先の名誉や損得で曲げもせず、
愛する人を命がけで守る。

女性にとって、これ以上の
寛容と包容力のある言葉はない。

この言葉をノムさんが
言い放ったったと知った時、

これから先に待ち受ける
困難を前にして、

自分だったら、かくも堂々と
こう言えただろうか？

正直、身につまされる思いだが、

「男心に、男が惚れる」

男の生きざまに感動したのが、
今でも忘れられない。

巨人の長嶋選手と王選手を
「ひまわり」と例え、

自分を「月見草」と称した
ノムさんこそ、「男の鏡」。

月見草の花



野村克也氏こと、ノムさんの

ご冥福を
心よりお祈り申し上げます。

♪

どんな困難があろうと、君を離しはしない
僕らには ”ここまで来れた”
なんて終着はないんだ

素敵な時を過ごしてきた、
これから辛い時もあるだろうけど
ありのままの君と過ごしたいんだ

♪

 

「Just The Way You Are」
素顔のままで

ビリー・ジョエル

Billy Joel - Just The Way You Are (with lyrics)

「テレビの時間」

近年の産業技術革新が
めぐるましく進展しているおかげで、
人々の暮らしは豊かになっている。

生活に欠かせない
身近な製品（商品）でいえば、
TV市場で注目を集めた一つに
「４K 」がある。


初めて店頭で４Kの画像を見た時、
画質の細かさと美しさに驚嘆したが、

４KTVは急速に、世界中の家庭に
浸透し始め、

「欲しがりません、勝つまでは」

手頃な価格になること久しくして、
"３K”の我が家に、憧れの４Kが
ついにやってきた。


購入して３年目を迎えた頃、

画面が勝手に消える・・

録画番組表を表示しない・・

などの症状が頻繁化し、

クレームの度に、メーカーは
基盤の交換や、初期設定操作を
これまでに計４回、繰り返したが、

努力の甲斐もなく、

「申し訳ございませんが、
今回は最新のモデルと無償交換
させて頂きます」
で、一件落着。

復旧の余りの遅さに、実は早い時点で
交換を要求するつもりでいたが、

担当者のメーカーの威信にかけた
対応の懸命さに
言い出しそびれたことで、

交換を長引かせる結果と
なってしまった。

一昨日、最新のモデルが
我が家にやってきた。

"最新" がどんなものかを
心待ちに迎えたが、

画質は格段に向上し、
付属のオプションも充実。

「日進月歩」というが、
旧モデルからわずか３年の

最新モデルの技術革新に、
改めて驚嘆し、

何か得をした気分。

小学校４年生の時に、
我が家にテレビジョンが
やってきた。

学校から家に帰って
テレビを観る時間が
嬉しくて楽しくてたまらなかった。

今でもはっきりとした記憶があるが、
あれから半世紀を経て、
テレビの技術は革新的な発展を
今も続けている。

「暮らしの豊かさ」は、
産業技術の革新だけで測れないことは
とっくに心得ているが、

「最新モデル」のおかげで
家に帰る楽しみが一つ増えたことは、
確かである。


修復作業に従事した
担当者の努力に免じて、
メーカー名は控えることにした。

「ひょっこりひょうたん島 」