「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          100億円 「大学校」の売却

2010-02-21 07:15:50 | Weblog
長妻昭厚生労働相によれば「職業能力開発総合大学校」の売却が決まった。この聞き
なれない名前の「大学校」は、独立行政法人が雇用保険によって運営されている。文科
省管轄下ではないので「大學」でなくて「大学校」だが、教科や資格は同じ。全国各地に
ある職業訓練施設の指導者育成が「大学校」の目的。売却価格は100億円という巨額で
ある。

僕は四分の一世紀ほど前、この学校が「職業訓練大学校」の頃、途上国の外国人研修で
3年間、お世話になったが、当時でも大変立派な施設だった。相模原市の24万平方㍍とい
う広大なキャンパスの中に7つの研究棟があり、野球場、サッカー場、体育館、総合グラン
ドまである。なのに学生の姿はまばらであった。

この「大学校」は当時から経営をめぐって”親方日の丸”ではないかとの指摘があった。2008
年、自公政権下でも民営化にすべきではないかという政府への答申もあった。現在、この学
校からの卒業者は毎年600人ほどいるが、ほとんどが訓練施設の指導者にはならず民間企
業に就職している。それなのに年間40億円もの税金や雇用保険が投入されている。

「大学校」が今の地に出来たのは昭和40年、日本の高度経済成長が始まった頃。同時に國
際技能オリンピックで日本が各部門で金メダルを獲り、日本の技術力が世界で注目され始め
た時代だった。この「大学校」は、これに大きく貢献していた。時代は変わっても日本の技術力
は大きな財産である。「大学校」は売却されても伝統だけは引き継いでもらいたい。





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2 コメント

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知りませんでした (chobimame)
2010-02-21 14:28:56
そんな学校があるなんて知りませんでした。日本には周知されていない謎な法人がありすぎます。学校などはもっと周知させれば、不景気な世の中ですから活用法もあると思います。就職に繋がるなら尚更です。職安で行われている職業訓練よりも有意義ではないでしょうか?箱物行政から脱しないと、なかなか本来の目的とする行政サービスには行き着かないように思います。
Unknown (kakek)
2010-02-21 17:07:42
chobimame さ
これは民主党ならでもひどすぎます。中野サンプラザと同じ「雇用促進事業団」(かっての労働省の伏魔殿です)の遺物なのです。労働省OB
のカネ儲けの材料でした。24万平方㍍の敷地は東京ドームの数倍の広さです。ここで学ぶ学生は、わずか600人、それも最近までは入学金はゼロでした。
仕分けで第一にあげられる団体です。遅すぎます。

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