「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

酒は”気ちがい水”か”百薬の長”か

2017-11-19 05:28:12 | 2012・1・1
酒は”気ちがい水”と言い、昔から飲み方について、”飲むとも吞まれるな””飲むべし飲むべからず”といった戒めの諺がある。その一方、”百薬の長”とか”憂いの玉箒(ほうき)といった讃辞の言葉もある。80歳半ば過ぎまで、こうして元気でおられる僕は自分では”百薬の長”だと勝手に思っているが、やはり何回も”呑まれた"失敗があり、忸怩たるものがある。

横綱日馬富士が巡業先の鳥取で、モンゴル出身力士仲間の宴席で幕内貴ノ岩の頭をビールビンで殴りケガをさせたとして、貴ノ岩が所属する貴乃花部屋からの告訴を受けて警察が任意で横綱を調べている。相撲協会も事件から1か月近く経ってやっと「危機管理委員会」を開き、真相を調査するようだが、横綱自身、酒の上で貴ノ岩を殴ったことは認めており、もっと早く内々で解決できなかったのだろうか。

日本の社会では昔から酒の上の不祥事について寛容なところがる。今は多少改まってきたが、酒のみのマナーも悪かった。戦後昭和30年代頃までは盛り場で酔っ払いがたむろし、平気で立小便をしたり”小間物店”を店開きしていた。昔の仲間の一人が泥酔したあげく知り合いの女性宅で、女性が殺されていたのも解からずに遺体の横で一夜を明かしたのもこの時代であった。彼の場合、犯罪を犯したのではないが、完全に酒に呑まれたうえでの不祥事であった。

日馬富士の場合、協会は警察の調べの結果を待って処分を発表するようだが、横綱にとって酒は大きな”お灸”になってしまった。酒飲みの僕から見れば、彼の暴行を許すわけではないが、反省しきりの横綱である。寛容な処分を期待したい。それよりも協会内部の「危機管理」は大丈夫なのか。

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